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『 すべてのヒントは大地の中にある 』

青年サムは、学歴や特技など特別なものは持っていないけれど、平凡なサラリーマンとして平凡な日常になんとなく物足りなさを感じていた。もっといえば、自分にももっとすごいことができるのではないかという根拠のない自信のようなものも。
 
 ある日、ふと見つけた美しい海。冷たい青い海と、あたたかな赤い海だ。サムはなぜか、青い海にひかれ、青い海にむかった。目の前に広がる青い海は、輝くように美しい青色の海だった。さっそく泳いでみると水は冷たく、けっこうすぐに深くなっているようだ。沖に泳ぎ出すと、流れが速いがとても気持ち良い暖かさの潮の流れにハマった。赤い海に向かう潮の流れだ。あまりの心地よさに「このまま赤い海につれていかれてもいいかな」と思ったりするほどに。

 すると、「またいつもの日常のままでいいのかな」という声が聞こえ、我に返った。先の見えない青い海で何かを見つけよう!と。しばらく海をさまよっていると、遠くにシャチが見えた。どんどん近づいて来る。大変だと思いながらも手も足もでず、仕方なく死んだふり?をしてプカプカ浮いていた。

 するとシャチに背中を突き上げられ、サムはシャチの背中にのったまま気を失った。サムは夢を見ていた。サムはシャチの背に乗って不思議な小島に連れてこられた。浜辺で降ろされると、目の前に宝箱のようなものがある。開けてみると古い地図が入っていた。「なんだか面白そうだな」と地図を片手に後ろを振り向くと、乗れと言わんばかりにシャチが待っていた。

 目が覚めると、サムは元の浜辺で寝ていたのだが、なぜか片手に古い地図を握っていた。なんだかわからないまま、帰って地図を調べ、その場所に旅をすることに決めた。地図をたよりに、森の中の道なき道を歩いていくと、急に視界がひらけ、美しい村が見えた。ひと休みするために村人に声をかけると、自宅に招いてくれた。現代的な建物すらないような素朴な村の素朴な家屋だったが、一歩入ると、そこは未来の生活だった。人びとはテレパシーを使いこなし、フリーエネルギーをあたりまえに活用し、思考を最大限活用していた。

 感動したサムは村で生活させてもらいながら、現代には無いたくさんのノウハウを発見し、ビジネスにしていった。自然を破壊して何か得るのではなく、自然と共存し、すべてを循環させて生きる未来の生活への第一歩だった。サムのビジネスは大成功を納め、共感がひろまり、地球の自然を破壊する行為は止まり、再生、そして循環に向けて動き出していった。

人びとは、人類も自然の一部であることを思い出し、必要なものは母なる地球の大地に全てある。そして人間も必要な機能はすでに揃っている。それらを大切にして、どう活かすか、を残していこうと、行動する人の輪がひろがっていった。

おしまい。

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