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鈴木大拙館 世界はつながっている 

「外国人が感動した日本の〇〇」系の番組がちょっと苦手だ。日本っていい国でしょ、綺麗でしょ、食べ物が美味しいでしょ?みたいなかんじに違和感を抱いてきた。そのモヤモヤしていた気持ちが、鈴木大拙館に行って水鏡の庭に立ったらパァーッと晴れた。

鈴木大拙は仏教哲学者で、海外で禅の思想を広めた。館内には海外からの旅行客と思われる方もいて禅への関心の高さが伺えた。

私が感動したのは、彼が人間の人生を言い表した「玅(みょう)」の英訳は何かと悩んでいたとき、シェークスピアの "O wonderful, wonderful, and most wonderful wonderful! And yet again wonderful…"が適訳だと見つけたときの話だ。

大拙は敢えて「妙」ではなく「玅」という漢字を使ったようだが、「不思議なこと、美しい、優れたこと」といった意味がある。私は、英語でwonderful をの意味は単純に「素晴らしい」という意味だと思っていたのだけど、よくよく見てみたらwonder(不思議なこと)がful(たくさん)だということに気がつく。あぁなるほど!!
人生は「素晴らしい」とか、「辛いことの連続」とかより、「玅」の方が私にはなんだかしっくりきたのだった。

禅は日本で生まれたものかもしれないけど、ちゃんと共通の感覚があるからこそ、感じあえるんだ。そういうことか。ちゃんと世界は繋がっているんだ。そういう感覚をもてたことがすごく嬉しかった。もしかしたら私は「外国人が感動した日本の〇〇」系の番組でそういった繋がりよりも断絶を感じてしまっていのかもしれない。

あれから数週間たつが、いまでも私の心に残っている言葉は「平常心」と「無心」だ。恐れを抱かず、この2つを大切に日々生活すれば私の心が平和になる気がした。


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