はるとうたたね
「偏にきみと白い春」の裏ネタです。ネタバレもあるかもしれませんので、よかったら本編を読んでからご覧くださいね。
◇高城領
まず、高城領ですよね。いちばんバックグラウンドに裏のない人間です。明るくて、素直で、いつも日向にいます。見た目通り、やさしい男です。
高城領の家は音楽一家で、父も母もバンドをかじっています。家に防音室やドラムがあるくらいだからね。小さい頃から音楽に触れて育っているので、絶対音感もあるし、センスはずば抜けています。領の奏でるギターはやさしい音をしていると思います。
高城領は幼い頃からずっと4人組バンドを組みたいと思っていて、たぶん成功する未来も彼には見えてます。だからこそ、最高なメンバーを、自分の意思とセンスで選んでいます。はるとうたたねの立役者は確実に高城領。彼はたぶん、人を見る目、というものが群を抜いているとおまいます。
◇高沢浩平
浩平の裏設定は"綾乃の男子ver"なんですよね。本編にも少し出てきますが、彼の家系は代々医者の血筋で、浩平ももちろん例外なく将来は医者になれと言われて育っています。厳しい家で、趣味どころか部活動さえまともにやらせてもらえていないです。
そんな浩平が高城領に出会ったのは中学3年の春。同じクラスで、突然高城領に声をかけられるんですよ。「もしかして何か楽器やってる?」と。浩平にドラムを操る器用さとリズム感、群を抜いた音楽センスがあることを領は一目で見抜いているんですよね。しかも、まだ浩平がドラムさえ触ったことのない時に、です。
もちろん浩平も綾乃のように最初は高城領に嫌悪感を抱いていますが、なんやかんやで意気投合して、ドラムを始めて、音楽に魅了されていく。はるとうたたねは2人から始まっています。もちろん彼の両親がそれを許したわけじゃないですが、バンドにかける費用を全て自分のバイト代で賄うこと、医学部に進める成績を落とさないことを条件に目を瞑ってもらっています。高校のレベルを落としているのは高城領と同じ高校に行くためです。
そしてそんな浩平だからこそ、綾乃に好意を抱いていますが、絶対に手は出さないです。伝えることもない。何故なら綾乃が自分を選ぶことはないとわかっているし、何より恩人の高城領の想い人だからです。理性的で、友達思いなんですよね。浩平についてはまたいつか、どこかで描けたらいいな、と思っています。
◇赤川怜
本編に全く出てこなかったのが怜のバックグラウンドですね。女性ベーシスト、カッコいいですよね。たぶん怜がいちばん男らしいと思います。
怜の家は父子家庭で、祖母の家で育っています。かなりのおばあちゃんっ子。口調が男らしいのは幼少期に父親とずっと一緒にいたからです。ただ、思春期には父親のことを嫌悪して一時期とても荒れます。おばあちゃんとベースだけが命、のような子です。
そんな怜が高城領に出会うのは高校1年春。浩平と同じように一目で怜の才能を見抜いた高城領は怜に声をかけて、なんやかんやではるとうたたねに加入させます。同時に、ベースを教えてくれたのは父だということを思い出し父親とも和解します。
高城領は予期せず浩平のことも怜のことも救っているんですよね。もちろん、綾乃のことも、です。ちなみにそのことに高城領が気づいているかというと、全く気づいていないです。領に関わった人間全員が良い方向に世界を変えていることを、領は「本人が自分で変わったから」だと思っています。あと、自分が見る目があることもあまり気づいていないです。ただ、綾乃の歌を聞いてピンときたように、運命を感じる瞬間を捉えるのが上手いのだと思います。感覚が優れてるんですね。ある意味、高城領は神様みたいなものです。
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