【読書感想】青山美智子著『赤と青とエスキース』
2月3日、節分。
ああ・・・・・・ため息が漏れる。いい本。
今日この本を読み終えたことが運命のような、ブーとレイと同じ月日を過ごせたような、
本を閉じて改めて装丁を眺めている間の多幸感っていったらもう。
胸の奥がじんじんと温まるのを感じました。、読後感の良さは、作家先生の中でもピカイチだと思うのです。
青山美智子著『赤と青とエスキース』
私は、青山先生の"小物使い"が大好きなんだけど、今作もその技量が存分に発揮されていて、感無量でした。
哀愁やら悦楽やら欲望やら苦辛やら、人が抱くありとあらゆる感情を、映像のように直感的に結びつく小物で紡いでいく文章が、
優しくて、淡くて、温かくて、せつなくて。
とてつもなく好き。
今作はそれに、蒼と茜・赤と青という"色"が添えられたことで、圧巻のリズムを放ちます。
移ろいゆく鮮やかな絵画が、
時の経過をより美しく魅せる。
そして、エピローグが、粋。
仕掛けだらけの構成には、ある種ミステリーのような感覚を覚えます。2度読み必須の作品🎨
そう、昨日は2月3日、節分。
妊娠してはじめての、節分。
大好きな生の海鮮が食べられない私に、旦那さまが、海老マヨと和牛の恵方巻きを買ってくれました。
大人になってから知る、新しい恵方巻の形。
それぞれに合わせた恵方巻の形。
幸せは一つじゃないんだから、固定概念に囚われて悩む必要なんてないの。食べられるものを食べて、できることをしたらいいの。
北北西を向いて願い事をしている間、ブーとレイに、そんなことを言われてる気がしました。
移ろいゆく鮮やかな感情を大切に。