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漫画「夕凪の街 桜の国」感想(完結作品を語る! #454)
「夕凪の街 桜の国」(こうの史代)
2003年(WEEKLY漫画アクション)、2004年(漫画アクション)に掲載
そして、書き下ろしを加えたのがこの単行本のようです。
昼でも夜でも、おはようございます!音楽家のhiro’です。
・hiro’と漫画
高校在学時に1000冊近く持っていて、その後は漫画喫茶(ネットカフェ)で読む日々で、現在も100近い連載中の作品を追いかけています。
「夕凪の街 桜の国」は、「この世界の片隅に」でお馴染みのこうの先生の出世作だそうです。
全1巻。LINEマンガで全話無料で読みました!ポイントはちょっと使いましたが…。
マンガ原作の「この世界の片隅に」がとても良かったので読みました!
まず、
タイトルが最高にイイです!好きです!
中身はというと、
中編二作が収録されています!全体通して過去・現在・未来がたまに同時に描かれるのが特徴です!
「この世界の片隅に」でもそういった表現があったので、こうの先生の作風なのかもしれません。
最初から最後まで、
すぐに2回読んでしまったんですが、本当にイイです!
ところどころに笑いもありつつ、心に沁みる物語なんです!
ところどころで言えば、口ずさむ歌もこの作品をより魅力的にしています。
・夕凪の街
子供の時に原爆の被害、つまり被爆して10年。昭和30年、慎ましく暮らす女性の皆実が主人公。
自分も街の人も、体にも心にも傷を負い、特に皆実は地獄のようなあの日々に未だ苛まれています。
物語が進むとともにやっと許されたようになり恋人のような存在も出来るんですが、その後すぐに後遺症が今更表れ、徐々に弱って死んでしまいます。
死んでいくまでの当事者目線の描写がリアルで、とても怖くとても悲しくなります。
・桜の国
こちらは皆実の弟を父に被爆者の娘を母に持つ七波が主人公。
未だに続く差別意識、被害者意識に悲しくなりますが優しいストーリーがそれを包み込んでくれます。
小学生時から始まり、家族のお見舞いにいった際、集めてきた桜の花びらを病室で舞わせたりして…、その後、平成16年へ。
大人になった七波は10数年ぶりに会った女友達の東子と不審な行動の父を追いかけることに。さてどうなるか、と。
主人公は七波ですが東子の物語としても楽しめます!
ということで、
ドラマ・映画版だけ見て原作を読んでいない人に、原爆の悲しい影響を感じたい人に、
「この世界の片隅に」が好きな人には絶対的にオススメです!
・終わり方について(ネタバレなど気にする人は読後に確認してください)
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七波の「確かにこのふたりを選んで生まれてこようと決めたのだ」という言葉に心が揺れました!
ちなみに、
父は皆実の50回忌に皆実の話を広島まで行って聞いていたんだそうです。
そして、
最後は笑いで終わらせていて、気が重くならないような配慮も含め素敵でした。
ところで、
よく考えてみれば七波は皆実の生まれ変わりのようです。
そうであってほしい、皆実の分も幸せになってほしいと心から思いました。
正真正銘、良作です!
ここまで読んでくれてありがとうございました。
「夕凪の街 桜の国」を読んだことがない人はよかったら読んでみてください。
※「無料で読めます」などは私が読んだ時点の話です。そして、「無料」といってもCMなどを見てポイントを貯めてそれを使う必要があったりもします。
完結済マンガについては、動画でも語っていますので是非こちらも御覧ください↓
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_jdbW5Bz5KltANE26MreYasFwOccSouU
hiro’
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