漫画「宝石の国」感想(完結作品を語る! #456)
「宝石の国」(市川春子)
連載期間 2012年~2024年(月刊アフタヌーン)
昼でも夜でも、おはようございます!音楽家のhiro’です。
・hiro’と漫画
高校在学時に1000冊近く持っていて、その後は漫画喫茶(ネットカフェ)で読む日々で、現在も100近い連載中の作品を追いかけています。
「宝石の国」は、一言で言うと異質な漫画!
全13巻。マガポケというアプリで全話無料で読みました!
まず、
キャラ設定と展開で女性が描いているのがすぐわかりますし、女性のほうが楽しめると思います!
まぁ、キャラ推しタイプなら男性でも。
さて、今作は未来の話。
女体化したような不老不死の宝石・鉱物生命体と、それを襲う神のような月人(つきじん)という存在。
とーってもアート感が強く、他の多くの漫画とは一線を画しているんです!
組み合わせの妙としては、「まどか☆マギカ」や「GANTZ」などっぽさがあります。
作画も独特で、
絵の感じは「ジョジョの奇妙な冒険」の第五部に出てくるエニグマの少年のところのアート感がずーっと続く感じです。
ちなみに、
宝石達は可愛い女性キャラになっていて、彼女らが憧れ、彼女らを率いているのが頭を丸めた僧侶風の中年男性の金剛。
この組み合わせもフェチなのかセンスなのか独特なものを感じます!
漫画では白黒なのと描き方、もしくは多くのマンガとは表現が微妙に違う結果、理解しづらさがあります。
少年漫画・青年漫画を中心に読んでいる人はなおのことかと。
あと、
勧められて読み進めた結果面白くなりましたが、試しに数話だけ読んだ場合、入り込みづらかったのでそれ以降読み進めなかったでしょう。
理由は、
すでに言ってきたこと+攻めてきている月人との関係性がよくわからなかったからです。
月人の聖人のような見た目、砕けても死ぬわけではない宝石達など、シンプルな悪と善の構造ではなさそうで考えすぎタイプの私としては宝石達への感情移入をためらい、一歩引いて見る形になったわけです。
さて、物語が進んでいくと、
主人公のフォスフォフィライト(以下、フォス)は戦いなどの過程で体がドンドン別の物に代わり、それに伴い記憶を一部なくし、それでもアイデンティティは保っています。
無邪気で優しい子で誰かの役に立ちたいという出発点はまったくもっていいんですけど、動けば動くだけ結果的に周りに迷惑をかける感じで個人的に中々応援したくはならなかったです。
ただ中盤以降、
謎が明らかになっていき、ドンドン展開していくのでかなり興味深かったです!
途中、100年とか1万年とか経ちながら物語は進みます。
この世界では人間という存在が三つに分かれ、魂が月人に・肉体は海に住む海洋生物に・骨は鉱物生命体になっているんです。
そして、月人は祈りを必要とし、無に還ろうとしていると。
ちなみに、
フォスが頑張れば頑張るだけ傷ついていく展開で主人公に感情移入していたら苦しくなるかもです。
・印象的だった言葉
「善い人間は大変で、悪い人間はかわいそう」です。
この言葉は本作に溢れる愛の中でも特に大きく包み込むようなもので印象的でした!
さて、
宝石同士や宝石と先生の関係の終着点はどうなるのか?月人は無に還れるのか?
ということで、
アート系マンガと聞いて気になる人に、擬人化された可愛い宝石達と聞いて気になる人に、
人間とは?生きるとは?愛とは?などを考える参考にもオススメです!
市川先生の初の長編連載作ということで次作もめちゃくちゃ楽しみです!
・終わり方について(ネタバレなど気にする人は読後に確認してください)
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フォスは祈る存在となり月人を無に還し、自身は神のようだけど孤独に生きています。
すると、
生きている宝石…ではなく喋る岩石生命体と巡り合い幸福を感じ、目玉の親父的な金剛の兄機と石達に金剛の記憶から知ったことを語ります。
そして、時は流れ、
星の命の終わりに別の星へ。
フォスは元の星に残ろうとするんですが、現在のフォスにまだ少しだけ残っていた宝石の部分を兄機は連れて行きます。
この辺、色々と画力がすごいところがありますね!
最終的に楽園のような場所でフォスは怒りも悲しみも抱えることなく、ただ存在意義は感じられるハッピーエンドです。
「可愛い宝石達」はどこにもいなくなってしまいましたが、終わり方も一線を画していて個人的にはアリです!
最後に。
原作大好きマンではあるんですが、今作に限ってはアニメも見たくなりました!
あと、
私が言ってきたこと以外にももっと色んな角度から楽しめる作品だと思います!読めてよかったです!
ここまで読んでくれてありがとうございました。
「宝石の国」を読んだことがない人はよかったら読んでみてください。
※「無料で読めます」などは私が読んだ時点の話です。そして、「無料」といってもCMなどを見てポイントを貯めてそれを使う必要があったりもします。
完結済マンガについては、動画でも語っていますので是非こちらも御覧ください↓
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_jdbW5Bz5KltANE26MreYasFwOccSouU
hiro’