CIKI『BOKE』
2019年2月2日リリース、韓国のシンガーソングライターCIKIの配信シングル。
今日は初めてアルバムではなく、シングル曲のレビューをしようと思う。
このアーティストはn TEAmさんという方の記事を読んで知り、試聴してみると物凄く良かったので最近どハマりしている。教えていただき本当にありがとうございます。
つまり今日は他人が発掘したアーティストで記事を書くという、謂わば‥パクリですね、すみません‥。
最新の音楽に詳しい人なら知っている人がいるかもしれないけど、このアーティストは情報がまだまだ少ない。
僕のレビューの閲覧数も少しずつ伸びて来ているし、楽しみにしてくれる方もいる。僕も色んな人にこのアーティストを知ってもらいたいので、書きたいと思う。
まずジャケットのアートワーク、凄く可愛いデザインだ。色合いが何処となく80〜90年代の日本アニメのセル画を彷彿とさせるレトロさで、親近感が湧く。かといって日本の感じはなく、外国の雰囲気が出ている。
聴けば分かるがCIKIは男性でソロアーティスト。日本のジャンルで言う所のシティポップに近いと思う。
インタビュー記事も見つかったので読んでいると、Spotifyで100万回再生された楽曲が3曲以上あるらしい。なるほど、Spotifyで音楽を聴いている人の間ではすでに有名なのかもしれない。
「BOKE」は、哀愁の漂うサウンドにCIKIの淡い歌声と、邦楽のような歌謡的なメロディーが乗る。おそらく1番ヒットしている楽曲で、YouTubeでの再生回数も現時点で40万回以上。
なんと「BOKE」と書いて"ボケ"と読む。日本の漫才からインスピレーションを受けて作った曲らしい。とてもそんな曲だとは思えなくて驚いた。
詞は母国語である韓国語で書かれている。これは勉強しないと分からないな‥と思っていたけれど、YouTubeで公開されているPVでは日本語字幕を見る事が出来た。
恋人とは近距離で過ごしているけど、お互いに知らないそぶりを繰り返している。本当の事を言えば友人に戻れるはずだけど、気まずさや後悔、執着などが交差して歯痒い、そんなすれ違った恋心を、切なくも優しい歌声で繊細に歌いあげる。
1番最後のフレーズのみ"Because I love you"と英詞で、この詞の内容的にマッチしている。この最後だけキザで不器用な感覚への落とし込みは何となくドラマチックで好きだ。
PVがまた良い、シンプルだけど曲の雰囲気にハマっていて、ジャケットのレトロ感もそのままに、薄暗い部屋でブラウン管テレビを眺めながら黄昏ている主人公の視点で揺らぎ続ける。かなり良い。
"BOKE"という題にしたのは、漫才のような掛け合いを恋愛に見立てているからなのかもしれない。
漫才コンビも、"おぼん・こぼん"のように仲が悪かろうがコンビを続ける者もいる。関係を崩さないという意味では類似しているのかも。
昨日2021年1月27日、この「BOKE」のRemixバージョンが配信された。
『BOKE(Remix) feat.kojikoji』
kojikojiという女性シンガーソングライターが一部を日本語詞で参加している。原曲の和訳とは違っているので、彼女の歌唱部分は自身で作詞をしている様子だ。恋人同士のやり取りのようでこれも良いけど、曲の方はほぼ同じなので、少し遊んでも良かったのかな?とも思う。
初めて知ったけど、かなり知名度のあるアーティストだった。こういう時に、僕はまだ全然新しい音楽を知らないなあと‥またいつかチェックしよう。
CIKIの、他に好きな曲は『Syndrome』。
この曲も「BOKE」と同じテイストの楽曲で、夜ひとりで過ごす際には凄く良いナンバー。
驚いたのが、途中で何度か"Listen!"という声がサンプリングされているけど、元ネタはニンテンドー64『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の妖精ナビィの声だ。これは間違いなくナビィだと思う。こんな所で聴くなんて。
漫才や日本のテレビゲームをネタとして使用している所から、日本のカルチャーが好きなのかもしれない。インタビュー記事て東京事変を良く聴いていた、と発言している。それで日本人の僕でも馴染みやすい歌メロなのかなと思った。
本国では凄くヒットしているアーティストらしいので、日本のレコード会社からも音源をリリースして欲しい。未だに音楽を聴く手段の主流はCDなので。
誰かがアーティストを紹介する→聴いてみる、めっちゃ良い→それを自分が紹介する→聴く人が増える
好きな音楽を共有する楽しさをもっと体感したい。