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『君のクイズ』が面白すぎる

*小川哲『君のクイズ』、面白すぎると思いませんか。
移動時間の2時間強で一気読みしました。2024年に読んだ小説の中でもぶっちぎりに好き。話のテンポが良く、丁寧に主人公の人生が切り取られていく感じが、コラージュ作品を見ているようで心地よいのです。

特に好きだったところといえば、やはりクイズ番組のシーン。「クイズプレーヤー」の主人公が、地上波生放送のクイズ番組に出場するシーンから物語が始まります。
クイズ自体に馴染みがなくても、クイズ番組なら見たことがあるというひとが大半だと思います。あのテレビ越しに見ていた光景が再現されるシーンは、どの部分も本当に最高。しかも自分の目で見ていた時よりも鮮明に、出場者だからこその緊張感も伝わってきます。近視のひとがメガネをかけた時の感動くらい、いろんな質感が感じられる描写です。

まだ読んだことのない人は、最初の2ページだけでもぜひ読んでみてほしい。それだけで、今後クイズ番組を見るときのワクワク感が変わる。
そして気がついたら最後までこの物語を読み切ってしまっていると思います。


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