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民泊の180日ルールとその回避方法(2023年版)

民泊は営業日数が180日に制限されています。その内容と回避方法について、民泊歴10年以上の筆者がお伝えします。
「民泊は約半年しか営業できないのに儲かるの?」という疑問があります。回避のアプローチとしては、以下のとおりです。
・180日を回避する
・180日で収益最大化する


民泊(民泊新法・住宅宿泊事業法)の180日ルールとは


民泊は「住宅宿泊事業法(民泊新法)」により、年間宿泊日数を180日を上限に制限されています。
事業者は2ヶ月に1度、日数報告を民泊制度システムで行うことが義務付けられており、その期間は4月1日〜翌年3月31日です。
4月1日になるとカウントはリセットされます。

住宅宿泊事業法(民泊新法)
https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/law1.html
民泊制度システム
https://www.minpaku.mlit.go.jp/jigyo/login

180日ルールができた理由

民泊の180日ルールができたのにはいくつかの理由があります。

ホテル業界からの牽制

ホテルが営業できる場所は行政が定める「用途地域」(商業地や準住居地域など)によって決まっており、「第一種低層住居専用地域」「第一種中層住居専用地域」などには出店することができません。
民泊は、上記立地でも出店ができてしまうため、「ほぼどこでも出店できてしまう」ことから、ホテルと競合になってしまいます。
民泊が増えすぎるとホテルの価格を下げざるを得ないので、ホテル業界からの牽制で日数制限をされることになりました。

近隣住民への配慮

民泊は「住宅を貸す」というコンセプトですので、近隣住民への配慮が必要となります。法律ができる以前は、ゴミを分別しなかったり、周辺にポイ捨てする、夜間に大騒ぎするなど一部の質の悪い民泊利用者が取り沙汰され、「ヤミ民泊」と言われて問題になりました。
しかし政府としては、訪日外国人の増加によるホテル不足が予想され、空き部屋を宿泊者に貸し出す民泊が法制化されたのです。
ただし、不特定多数の人が出入りするため、周辺住民への配慮から180日ルールが盛り込まれました。

180日を回避する方法

「民泊は約半年しか営業できないのに儲かるの?」という疑問があります。アプローチとしては、
・180日を回避する
・180日の中で収益最大化する

の2つがあります。それぞれ解説していきます。

旅館業を取る

用途地域によりますが、旅館業ライセンスが取れれば営業日数の制限はなくなります。消防工事の観点から戸建ては取りやすく、自治体によってはマンションでも旅館業が取れる場合があります。
旅館業が取れない場合は以下の方法が考えられます。

特区民泊制度を活用する

「国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例」が特区民泊です。最低宿泊日数2泊以上などの制限がありますが年間を通じて宿泊予約を獲得することが可能です。
(自治体により2泊〜5泊以上など最低宿泊数制限に違いがあります)

  • 東京都(大田区)

  • 神奈川県

  • 千葉県(成田市・千葉市)

  • 秋田県(仙北市)

  • 新潟県(新潟市)

  • 宮城県(仙台市)

  • 愛知県

  • 大阪府

  • 京都府

  • 兵庫県(養父市)

  • 広島県

  • 愛媛県(今治市)

  • 福岡県(福岡市・北九州市)

  • 沖縄県

特区民泊
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tocminpaku.html

短期賃貸を活用する

以前の記事で解説した通り、短期賃貸(マンスリー賃貸)を活用するのが一般的な方法となります。繁忙期は民泊、閑散期を短期賃貸で埋めることで年間売上の向上を行います。

【民泊180日対策】違法にならない短期賃貸(マンスリー賃貸)と民泊併用の方法
https://note.com/moonhost/n/ne7cf4ab16666

筆者のNote

レンタルスペースシェア(場所貸し)で運用する

Space MaketInstabaseSpaceeなどレンタルスペースシェアプラットフォームを活用した、パーティスペースや会議室など、時間貸しの併用が考えれます。
スペースシェアはライセンスが不要ですし、民泊ではないので日数報告も不要です。
実際の運用上は、レンタルスペースのコンセプトに応じたお部屋づくりと、清掃を入れるタイミングが民泊とは異なりますので、注意が必要です。

知人、従業員に貸す

短期賃貸に似ていますが、空いている期間に知人に貸したり、保養所的に従業員に貸すなども考えられます。

回避できない方法:予約サイトを併用する

予約サイトはそれぞれ180日をカウントしており、180日以上の予約を獲得できないように制限されています。そこでAirbnbとBooking.comそれぞれで180日ずつ予約を取った場合は合計360日となりますがどうでしょうか。
実はこの方法では各OTA(予約サイト)ごとでは予約の獲得は可能です。
しかしOTAは保健所に宿泊日数を報告しており、保健所は独自システムで180日カウントしています。
180日を超えると保健所から連絡が入り罰則がありますので、この方法は不可能です。

180日で収益最大化する方法

良い立地を選ぶ

繁華街や有名な観光地は旅行者に人気のため宿泊予約を獲得しやすいです。立地は変更できないため、出店する際にはAirbnbなどの周辺施設の予約状況を確認し、吟味しましょう。

大箱を選ぶ

グループや家族で旅行する訪日外国人が多くいます。少人数の部屋はホテルとも競合になってしまいますが、大人数の部屋は供給が少なく競争がゆるい傾向にありますので、いわゆる大箱(オオバコ、面積の広い部屋)を選ぶとそれらのゲストに選ばれやすくなります。

差別化を行う

周辺の施設と差別化を行ってより選ばれやすくしましょう。差別化の例はこちらです。

  • ラグジュアリー

  • 赤ちゃん対応

  • ビジネス対応

  • オタク向け

  • ペットOK

繁忙期の価格を上げる

インバウンドの繁忙期は年末年始、桜シーズン、夏休みシーズン、紅葉シーズンが挙げられます。沖縄等のリゾート地域であれば夏季シーズンが繁忙期ですし、北海道は冬季が繁忙期となります。
年間での収支と捉えて、繁忙期の価格をしっかり高く取るようにしましょう。

まとめ

民泊は180日の営業日数制限がありますので、180日の中で収益を最大化し、さらに180日以外でのどのように収益化する必要があります。
それぞれノウハウが必要となりますので、プロにお願いする方法もございます。
MooNでは運用代行料率15%で運用代行を承っております。


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