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電通築地ビルとその周辺~昭和のオフィスビル雑感~

写真を整理していたら旧電通ビルの写真が出てきたので、私がいままでに見てきたオフィスビルのことを書いてみようかなと思いまして。
建築物が割と好きなんですが、主に外観を見てウットリするだけなのでホント「雑感」です。
お付き合いいただけたら幸いです。

まずは、整理していて出てきた写真の建物から。

■電通テック本社ビル(旧電通本社ビル または 電通築地ビル)

設計:丹下健三
着工:1963年
竣工:1967年
解体:2021年

左側に見えるオブジェは鳥だそうです。

当時、出来たばかりの歌舞伎座タワーに仕事で行きまして、お昼を食べに外へ出たときに、近くにあったこのビルを見かけました。
なんとも言えない威容に感動して、パシャリ。
こういう、コルビジェ風というか? モダニズム建築と言うんですかね? ワタシ、無条件で惹きつけられてしまうんですね。
築地一丁目地区再開発事業で2021年に解体開始。

トップの部分に、取り外した「dentsu」の文字がうっすら見える。

■オフィスビル「歌舞伎座タワー」

設計:隈研吾
着工:2010年
竣工:2013年

電通築地ビルだったところの、すぐ近くにあります。
というか、皆さんご存じ、銀座にある歌舞伎座の上のオフィスビルですね。
こちらは若手、平成生まれです。
仕事で何度か行きましたが、(当時は)出来立て新品、ピカピカのビルでした。
オフィス部分の下に歌舞伎座があるので高層階への直通エレベーターがなく、とにかく何が何でも一度7階で下りなきゃならないのがちょっと面倒でしたが、人間って慣れるものですね、暫くすると気にならなくなりました。
7階のエレベーターホールはオフィス棟の実質的なエントランスといった雰囲気です。多くの人が乗降するのでロビーのようになっていて、コンビニとかもあり、大きな窓から光が入る開放的な空間になっています。
全体的にキレイ(出来立てだったんだからそりゃそうですが)で明るく、居心地の良いビルという印象でした。
歌舞伎座の正面に立つと見えますが、オフィスタワーの表面には外側に格子がはめ込まれています(歌舞伎座の雰囲気を壊さないためらしい)。
内側から見ると「あ、外から見えるやつはこれかー」って思うんですが、他の面からの採光が良いのか、格子に工夫がされているのか、特に暗い感じもしませんでした。
記憶が曖昧だけど、格子があるのは廊下側だったのかな?
とにかく、オフィス・エリアはすごく明るかったです。
「歌舞伎座」というエンターテインメント施設との複合建築のせいか、加えて銀座自体も休日感のある街だからか、仕事で通っているのに、ほんのわずかながら遊びに来ているような気持ちもしたものです(仕事はちゃんとしましたよ~😁)。
お昼休みに、時々歌舞伎座グッズ・ショップを見に行ったのも、良い思い出です。

■NTT日比谷ビル

着工:1957年
竣工:1961年
解体:2022年
第13回日本建築学会賞作品賞受賞

元々は日本電電公社のビルでした。
真ん中に大きな吹き抜けの階段があって、その階段エリアを中心にして、オフィススペースがロの字型に配置されていました。
なので、フロアの廊下を歩いて行くと、ぐるっと一周まわって元の場所に戻ってきます。
階段エリアの壁は渋い七宝風(?)のタイル張りで、時代が感じられて良かったです。
地下に会議室(?)があったのですが、なんとなく作りが無駄に厳重(?)な感じがしました(個人の印象ですが)。
その昔、国営インフラとして何かあったときに備えていた電電公社の名残だったのかな、なんて想像しちゃいました。
昔の建物って、往々にしてそういうとこあるから。
日比谷通りを挟んだ向かい側に日比谷公園があるので、窓から公園の緑が見えて、そんなところも良かったです。
お隣はみずほ銀行本店(当時)、反対側はオフィスビル一つ挟んで帝国ホテル、後ろ側には東京電力本店(当時)がありました。
ちょうど東日本大震災の時にこのビルにいたので、後ろの東電さんがちょっと気になったりしました。
この建物、初見はちょっと重厚感が過ぎるかなとも思ったんですが、昔のビルならではの丁寧に造られた感じと堅牢な雰囲気が大好きでした。
「内幸町一丁目街区開発プロジェクト」により解体。
再開発は世の趨勢とは言え、推し建物のひとつだったので寂しい限りです😥

■みずほ銀行本店(みずほ銀行内幸町本部ビル)

着工:1977年
竣工:1981年
解体:2022年

NTT日比谷ビルのお隣さん。建設当時は第一勧業銀行の本店ビルでした。
中に入ったことはないのですが、NTT日比谷ビルのお隣だったので、外観だけはよく眺めていました。
建設時期が同世代のせいか、1983年着工の損保ジャパン本社ビル(旧安田火災海上本社ビル、別名スカートビル)を彷彿とさせる外観でした。
ちなみにこのビルの設計者の芦原義信は、損保ジャパンビルの設計者に名を連ねている内田祥三、高山英華の教え子。
この時代の有名建築家は数が限られていたみたいだから、みんなどこかで関係があるのかも知れませんがね。
「内幸町一丁目街区開発プロジェクト」で2022年に解体。


現代のオフィスビルは単なるビジネス用途だけではなくて、環境や周辺地域と一体になった開発が主流のようです。
昔の建物が解体されていくのを見ると胸がキュンとなるのは仕方ないですが、新しく開発される地区と建物たちも楽しく見守って行きたいです。


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