50音順番投稿その25「の」

「ノブレスオブリージュ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

Wikipediaによると1808年にフランスで派生した言葉で、

主に富裕層、有名人、権力者、高学歴者が「社会の模範となるように振る舞うべきだ」という社会的責任に関して用いられる。

という意味で、高潔な人ほど、高貴な振る舞いが求められ、無私(利他の方がしっくりくるかも)の精神で社会的責任を果たさなければならないことらしいです。

日本では、武士道精神、騎士道精神とも近い意味であると置き換えられ、5,000円札の新渡戸稲造が書いた「武士道」は台湾の李登輝元総統によって日本のノブレスオブリージュとして紹介されました。

そのノブレスオブリージュ、ビジネスの成功や願望実現には非常に使えるテクニック(考え方、実践方法)ではないかとふと思った次第です。

理由その1:現在の日本で武士道精神、ノブレスオブリージュを体現している
人やビジネスが少ないのにも関わらず、多分日本人のアイデンティティに刻み込まれているであろう「大和魂」に通じているのではないか。
自分たちのアイデンティティを体現することこそが、損得勘定だけ、今だけ、金だけ、自分だけ、の風潮と相反することで、抜きん出る(目立つ)ことができるのではないかと思います。

この目立つ、抜きん出るということがビジネスにおいても非常に大事で、自社の理念やビジネスモデル、顧客サービスなどで抜きん出ることがビジネスで成功するためにマストな要素だからです。

理由その2:先ほどは哲学的な話をしましたが、今度はテクニック的な話
ノブレスオブリージュを体現しているのは「貴族」や「皇族」といった品位もあり、社会的地位も高い人々に求められる考え方ですが、昔も今もその人たちの多くがお金持ちだったり社会的成功をしている人たちではないかと思います。
逆に言えば、そういう人たちと同じメンタリティであるノブレスオブリージュをどんな立場、生活スタイル、生き方を実践していけば、習慣化され、自ずと付き合う人も変わってきて、ビジネスチャンスも増えて成功へと導いてくれる人が現れる可能性は高くなるのではないでしょうか。

よく、成功したければ、一流ホテルのラウンジでコーヒーを飲めとか、無理してでもグリーン車やファーストクラスに乗ったり、成功者と同じ行動をすることをモデリングと言いますが、まさにノブレスオブリージュは、行動規範のモデリングと言えるのではないでしょうか。

モナコやアラブの大富豪にお近づきになる方法や日本でも旧皇族や旧家族の方々との出会いなどは、通常生活しているとなかなか機会に恵まれませんが、日本でも歴史に名を残した大経営者や成功者の方の自伝や著作、生き方に関する書物や記録はたくさん残っています。

その中でも、ノブレスオブリージュを体現してきた人も枚挙にいとまがありません。江戸時代以前であっても、武士道を規範にして運営していた藩校などの教えがあります。

それらの模範から学び、自分の生活に実践していくこと。これこそ、精神面、習慣化できるモデリングではないかと思いますが、いかがでしょうか。

ただ、確かに、元京セラ、KDDIの創業者でJALの社長もされていた故稲盛和夫さんの書物を読んで、稲盛さんのような経営者に近づくため、書物に書かれていることを実践してみましたが、あまりにもストイックでハードルが高くて挫折しました。

ものすごい高い理想に近づこうとすれば、その道は厳しいですが、まずは第一歩として、身近にできる行動からやっていくことが、お金もそれほどかからないし、体一つでできるのではないでしょうか。

例えば、
・自分の家の範囲を超えて掃除をしてみる(ゴミを拾うだけでもOK)
・お金を払う時は率先して先出する(できる範囲で)
・喜捨する(チャリティ、寄付、神社にお賽銭)
・道を譲る、場所を譲る、席を譲る
・お金を払うときに「ありがとう」を言う
・周りの人にちょっとしたプレゼントをする
・言い訳をしない
・全て自分の責任として捉える
・自分の出自(祖先、地元、国)を大切にする
・地元の集まりに積極的に手伝う

利他の部分やノブレスオブリージュ、武士道など色々なものがごちゃ混ぜな感じはしますが、こんなことからでも、一つからでもやってみてはいかがでしょうか。
まとめると「自分の範囲、限界をつくらず、相手を積極的に受け入れて奉仕の行動で過ごす。」と言うことになるのではないかと思います。

成功者や立場の高い人の煌びやかな部分だけを真似しても、同じようになるのは難しい気がします。私も高級ホテルのラウンジでお茶を飲んだこともなん度もありますが、その時は結局、自分のエゴやネガティブな劣等感が湧き出して続けられませんでした。習慣化するのも結構時間とお金もかかりますし。

それよりも、あたかも「成功者や富裕層、権力者の立場を想像して」自分には有り余るぐらいの豊かさがある、心の広さと他者に対する責任感があるとしたら、どんな形で、他人に貢献する、お手伝いする、譲る、地元や周りを大切にするのかを行動に表してみる。

私にはこういう、「なりきって」行動する、と言うのがなかなか苦手なタイプなので、書いていてうまい方法がご提案できませんが、よく聞くのが、

自分がドラマの中の役者として「成功者、富裕層、権力者の役」を演じてみる。その時のセリフは、服装は、姿勢は態度は、行動は、どうなるのかを設定してみる。

などをやってみるとうまくいくようです。

私の場合は難しいので、それより、他者に余裕があることを前提とした貢献をする、これを習慣化することがモデリングの近道ではないかと思いました。

最後はノブレスオブリージュと少しかけ離れてしまいモデリングに話が飛んでしまいましたが、高貴な人として生きる、(祖先は武士じゃなくても)
現代に生きる武士として生きる、結構ストイックで厳しそうですが、一つ一つの細かな行動に落とし込んでいくと、できることが、習慣づけすることがあるのではないか、それがゆくゆくは自分の理想とする人物像に近づく道なのじゃないだろうか、と言う結論で、今回は締めたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。





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