親愛なるお姉様へ２

可愛い妹ラリアへ

お手紙ありがとう。

ちょうどホームシックになっていたからラリアからの手紙を読んで元気になりました。

王妃様から、有給休暇をいつでも取っていいと言われているのでお母様の誕生日あたりに内緒で帰るつもりです。

ラリアからの手紙は、侍女長様が中身をチェックしてから私の元に届くのです。

だからといってかしこまらずにいつも通りに、私に話すように書いてくれたらいいわ。

ラリアからの手紙を確認した侍女長様が、虹色の卵の事を気にしていたから卵の成長記録をお願いしてよいかしら？

王宮は、毎日忙しいのだけれど変わり映えがないので外の話にみんな飢えているの。

無理にとは、言わないけれど気が向いたらまた手紙を書いてくれたら嬉しいな。

兄上はねぇ…

美形だけど変人だからねぇ…

お嫁さんは、中々来てくれないかも？

兄上には、好きなだけ魔導具作りをさせてくれるような懐の広い女性じゃないと結婚出来ないんじゃないかしらね。

前に私の友達を紹介した時も、全然興味無いみたいだったのよ。

美しくて優しい貴族令嬢らしい方だったから、父上も母上も乗り気で婚約して欲しそうだったけど…

肝心の兄上が、魔導具に興味が無い方とは縁を結ベないって言うから私達もゴリ押し出来なかったの。

兄上はこのままだとお嫁さんを貰わない可能性大だから、ラリアがお婿さんをもらって女辺境伯になるかもね！

私は王妃様の元で、骨を埋めるつもりだからアテにしないでねって、母上には言ってあるから。

ラリアは、自分好みのお婿さんを捕まえてね。

婚約者候補が決まったら直ぐに教えて！

王妃様のツテを使って細かく調べるから。

可愛いラリアを預けるに相応しい男か、しっかり吟味するわ。

それはそうと、ラリアが描いたウサちゃんの子供の絵を楽しみにしていますからね。

王都で流行っている可愛いレターセットと色つきの筆ペンを同封しておきますから、また手紙を書いて送ってくれていいのよ。

離れていても私は、家族みんなの事を思っています。

アリーチェより。