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「Zach Sang Show」アンバー インタビュー②【和訳】

2023年8月に公開されたZach Sang Showでのアンバー(Amber Liu)インタビュー動画和訳です。
約45分と長いので、3つに分けています。
※意訳あり

Zach:
どのように最初のソロ活動を準備したんですか。
まずEPを出して、次にXをリリースしましたよね?
Amber:そうですね、頭の中のピンポン玉が飛び跳ねているだけです笑。
ミックステープを出したときは、反抗的な時期で、赤が好きで、ちょっと変わったタイトル、聞いた人を混乱させられるタイトルにしたいなと思って考えついたのが、Rouge, Rougeでした。

Rouge Rouge

Xは常に考えていたものです。リリースしたのはデビュー10周年のタイミングでしたし、「X(クロス)」は人生の新たな一歩を踏み出す象徴でもあるし、嫌な記憶や習慣を消す意味もあるし、、いろんな意味を持たせつつ、曖昧、だけど意味が伝わりやすいシンボルにしたかったんです。

x

2つ目のEPをリリースしたときは、いつも「why?」と言ってたんです。「なんでこんな風に考えてるんだろう?」「なんで?」と繰り返していた笑。

y?

で、頭の中で点と点をつなげたとき、3番目のアルバムは「Z」にしようと思ってました。「Zとは何だろう」と考えたときに、「これが私で、これ私が話したいことだ」と、作詞における自身の姿勢を明確に表すアルバムにしました。

Z!

Zach:これまでとは違い、自身の音楽をつくっていますよね?
Amber:ええ、全部自分で決めてます。もちろん、一人で決めると大変なので、チームの意見も聞きますよ笑。
マネージャーも、「アンバー、もう3週間しか時間がないし、やりたいこと50個やる前に、そのうち2つだけやってみたら?」と言ってきて、私も「そうだね、そうしよう!」となることもあります笑。

Zach:スタジオで、誰からも邪魔されずに音楽をつくるのはどうですか?Amber:2011、2012年くらいにスタジオで作曲するようになりました。
なんというか子供のように色んなことを書いて、ただ楽しんでいました。でもまだどこかで、事務所を喜ばせようとしていたと思います。なぜなら、事務所が音楽を気に入ってくれて、さらに買ってくれないと使ってもらえないからです。そういう考えになるように訓練されていたとも感じます。
人はどうやったら自分の音楽を聴いてくれるのか、自分ではなくグループはには何が合っているのか、「このメロディーだったらメンバーは気に入るかな?キーを上げたら良いかな?こうしたらkpopアイドルっぽくなるかな?」みたいな。
「y?」をリリースした頃、自分はまだ誰かを喜ばせようとして作曲していることに気づいたんです。どうすれば自分を喜ばせれるかも分からなかった。当時、自分の音楽は、大きいコーラスやハーモニー、頭に残りやすいメロディー、スタッカート系で、最後は盛り上がって終わるようなものでした。
なので、そういうこと考えずに作曲するようになって、もちろん時間はかかったし、前のような書き方に戻ったりすることもありましたが、今はスタジオに行って、「今日は目的を持たずにただ書きたいことを書こう!」というスタンスでつくっています。プロデューサーたちも、アンバーがやりたいようにやりなと言ってくれていて、感謝しています。
「スタジオに行く前に何節か用意しなくちゃ」「プロデューサーの時間を無駄にしちゃいけない(今も彼らの時間を無駄にしちゃいけないとは思っていますが笑)」というマインドセットで育ってきたので、作曲のプロセスをただ流れに任せる、というのが今のやり方です。
確かに、1時間で何かつくらないと!というときもあります。作曲練習として、30分のセッション中にできるだけ早く作曲するみたいなこともします。良い感じのができることもありますよ。

Zach:なるほど、その練習から出てきた曲はありますか?
Amber:Blueはそこからできたと思います。非公開のデモがたくさんあって、そのうちから何個か近々リリースしようと思っているんですけど、ほとんどのものは公開してないです。まあ見返す時間がないこともありますが笑
y?収録曲の多くと、Zからも少し、これからリリースするNo more sad songsの多くは、以前のように「曲をつくらなきゃ!」ではなく、ただ色んなものを書いて、心に残ったのを選んでいくような、流れに任せて完成した曲たちです。

Zach:より良い曲をつくれていると感じますか?
Amber:より正直な(genuine:偽りのない、本物な)曲をつくれていると思います。

Zach:それがまさに人々が求めていることですよね。
Amber:今は全体的に余裕を持って曲作りができています。
曲を作った直後はすごく良く聞こえて、あとから見返すと全然よくなかったりして焦ることもありましたが、今はもっと時間をかけて、曲を寝かせるようにしています。

Zach:Easier! (新曲)
この曲を制作したエピソードは?
Amber:Easierは制作チームからもらった曲で、私はほんの少しトッピングをしたくらいです。
初めて聞いたとき、この曲と自分の共通点を探しました。そのときの私はこの業界に燃え尽きを感じていて、もちろん音楽や、コンテンツ撮影、ステージは大好きですが、幸せを感じていなかった。なので「やめてしまった方が簡単(easier)なのでは?」と思っていました。
以前所属したグループ活動はアーティストとして成功した、といえると思いますが、プライバシーは無く、常に不安でした。そんな環境で育ってきたので、いつも不安障害に悩まされていたし、挑戦するのが怖かった。
業界の好きなところと嫌いなところ、どちらもありますが、音楽が大好きだし、自分のやりたいことを続けたいと思いました。
とにかくこのときは、音楽を続けるべきか否か葛藤していた時期だったと思います。

Zach:良いタイミングでこの曲が出てきたということなんですね。
Amber:はい、そういうことを考えるきっかけをくれました。仕事が忙しすぎると、物事をなかなか考えることができないので、こういう曲を聞くことで考えないと!となります。
そういうのが音楽が好きな理由の一つでもあります。
No more sad songsに出会ったときも、音楽を続けるか、あきらめるか、もしくは一旦やめてみるか、まだ迷っていました。
曲が自分の状況と重なると、心に刺さってきて、「人の言うことなんか気にしないで、自分の道を歩もう、私はやりたいことをしていいし、その力がある」と思えるようになります。
EasierからNo more sad songsにかけては、自分の力を取り戻したり、自分で自分のことを決めれること、人の意見に反対できること、人に気に入られようとしなくていいこと、など自己啓発的な人が言いそうな(笑)基本的なことを理解する時期だったと思います。自分が望むキャリアを求めて、幸せでいることができるかもしれない、と気づいたと同時に、そのためには、自分で判断して努力しないといけないとも思います。

Zach:幸せじゃない、という感情はどこからきているんだろう?
Amber:メンターがよくいうのは、「受け入れること」、受容が平穏へのカギだと言っています。
現場で疲れを感じるときでも、「仕事しているし、幸せだし、世界中を行き来できているし、音楽をつくれているし、もっと大変な状況を乗り越えてきたじゃん、この瞬間を楽しもう」と考えることで、落ち着きを取り戻すことができています。

Zach:そういうマインドがno more sad songs期を生み出した?
Amber:そうですね。以前は特定のことについて作詞することが怖かったこともありました。
例えばILYでは、恋人が私のセーターを脱がして...みたいな歌詞があるんですが、「ちょっと大胆すぎ...」と迷っていたら、一緒に作詞した古い友人が、「アンバー、いいから書いてみなよ!全然おかしくないよ!」と言ってくれて、私も「確かにもう30歳だしこういう歌詞書けるよね」ってなりました笑。新しいアンバーとして、過去は過去だし、経験から作詞するのは当然のことで、、、(言葉につまるアンバー)えーっと、すみません、時差ぼけでよくこうなるんです。この間も中国にいたとき急に中国語が出てこなくなりました笑。
(気を取り直して)自分自身に、そして歌詞に素直でありたいです。ファンや私の音楽を聞いてくれる人に、私自身が素朴な人間であることを伝えたいので。

Zach:人はそういうのが聞きたいものですよね。誰か、同じような経験をした人に共感してほしい。
中国にいるときは何を撮影しているんですか?Produce 101?
Amber:ああ、それは2年前の番組です。

Zach:すみません。
Amber:いえいえ、全然大丈夫です。
今はRide the Windという番組を撮影しています。
歌手、ダンサー、女優、司会者などの異なる業界から33名の女性を集めて、お互いに「競争」する、といってもとても楽しいんですけど、という番組です。それぞれグループに分かれて、ステージをするんです。

Ride the WindにてNo more sand songsを披露するアンバー

Zach:おもしろそうですね。
Amber:この番組のアメリカ版を考えていたんですけど、ビヨンセ、マーゴット・ロビー、ナタリー・ポートマン、、とかそれぞれの業界で成功している33人の女性をガールズグループにしたら面白そうですよね。
この3カ月ほど楽しく撮影させてもらっていて、そろそろ最終回になるので頑張って準備しています。徹夜しながらずっと撮影しています笑。たくさん撮影があるので。

Zach:え??そんなに色々あるの?
Amber:はい、歌やダンスのレッスンがあったり、ビハインドやリアリティーショー的なコンテンツ、毎回ルールも異なるので。
小さいグループのリーダーになるんじゃないかなとは思っていたんですが、もっと大きめのグループのリーダーになってしまって、、登壇者の中でも若い方で、中国語もそんなに上手じゃないのに、グループをリードしなきゃいけないし、上手く喋れないのにと思っていたのですが、ルールなので断れないんです笑。なのでもう挑戦だ!できるできる!と思って受け入れています。今はとても楽しんでいます。みんなに指図するのが楽しいです笑。

Zach:視聴者は数千万人の規模じゃない?
Amber:今中国で一番人気の番組です。

Zach:何千、何万、8千万人もの視聴者がいるわけですね。
Amber:おそらく。ただ自分をみるのが怖くて番組をみてはいないです笑。
馬鹿っぽく演じているので笑。一応争うものなので、怖くもあり緊張するのですが、ダンスは出来る方なので、周りの参加者に教えたりしています。ダンスをしたことがない参加者もいるので、、経験したことないのにどうしろっていうの?って感じなんですけど笑

Zach:それが番組のポイントなんでしょうね。
Amber:ただ、だんだんと制作側と仲良くなったので、未経験者でもやりやすいように色々と変更が利くようになってきました笑。

Ride the Windでのアンバー

Zach:中国にそんな番組はこれまでなかったですよね。
Amber:ええ、制作側は本当にすごいですよ。一度、大きなプールが準備されていて、水の中で踊りました。
1回の放送で6~8個のステージがあるので、グループごとにセットを用意しています。