【Essay】知らんがな……
今朝は久々に娘たちと会話を楽しむ余力があった。
しかし振り返ってみても、しょーもないことを話していたような気がしてならない。
中1の長女は、ひたすら雨天を嘆いていた。
なぜならレインコートを着て自転車通学するのが面倒だから。スカート部分に水が溜まるのが大変らしい。
だったら着なければ良いだろうに。ずぶ濡れになっても良いのなら。
と、わたしは思うのだが、制服がグッショリ濡れるのも嫌らしい。
「じゃあ、歩いて行けば?」
そもそも徒歩で通えない距離ではないのだ。
チャリ通が禁止されていた学生時代を送ったわたしからすれば、徒歩30分の通学距離は普通のことであった。
それが例え雨だろうと雪だろうと台風だろうと、歩いて通学するのみである。
濡れるのは致し方ないことであり、タオルや替えの靴下を持っていって対処していた。
田舎丸出しデザインの野暮ったい制服で(これは仕方のないことだけれど)、
白い(ダサい)ヘルメットをかぶって、
レインコート(これまたオシャレとは程遠い)の上下を着込んで自転車通学するよりも、
お気に入りのステキな傘を差しながら、
のんびり歩いて向かう方が、
よほど優雅で楽しい通学時間のように思われた。
都会育ちのわたしには。
そんな話をしてみれば、
「じゃあ、歩いて行ってみようかなぁ……」
という話になった。
「良いんじゃない?」
「でも、帰りがなぁ……不審者に襲われたらどうしよう?」
「………………電話でお迎えを呼べば?」
「そうしよっかなぁ〜」
娘を心配する親心を突いてくるとは、実にあざとい……!
と、思いつつも心配なので妥協案を提示する。
結局のところコレが言いたかったのではないか?と思ったが、そこは敢えて突っ込まない。
面倒だろうが、大変だろうが、忙しい朝ぐらいは自力で通学してもらいたいのだ。若いのだし、多少の運動(荷物が檄重い)は頑張ってくれ。
そんなこんなで話がついたと思ったら、何故か夫が「私が送ってあげようか?」と言い出した。
何を話していたのか訊かれたので、ザッと説明した結果の答えであった。
わたしが拒否った車での送りが、夫にはそれほど負担ではないらしく……最初は「いや、歩いて行くことにしたから!」と断っていた娘も、最終的には折れて誘いに乗っていた。
ふむ。
よく考えたら車での送迎付き通学が一番優雅か……
などと思いつつ、わたしは朝の家事に追われていた。
来年には次女が中1になる。
もしかしたらまた同じようなことを話すのかもしれない……と、今は当たり前のように徒歩で集団登校をしている彼女を眺めたのだった。
長女とて6年間ずっと徒歩通学だった。だが、環境や条件が変われば「当たり前」や「普通」の感覚は変わってくる。
長女が変わったのでなく、状況が変わったのだなぁと思うことにして。
今日もわたしは夫を職場まで車で送ってあげるのだった。
相手が変われば対応も変わるのである。←
わたしは愛妻家ならぬ、愛夫家だ(笑)