【SS】梵天花(2010/12/31)
――小さな綿の花が揺れていた。
「ここ、どうですか?」
「うん、なかなか気持ちいいよ」
「う~ん……じゃあこれは? 痛くはないですか?」
「大丈夫だよ。沙織さん、ずいぶんと手慣れてるようだね……」
「ふふふ、そうでしょう~。実はけっこう好きなんですよコレ」
「そうなのかい?」
「はい! 終わった後の達成感も堪りませんし、お互いに気持ちいいじゃないですかっ」
「やってもらっている私はともかく……沙織さんまで気持ち良くなるものなのか? これで?」
「うーん、なんて言うかこう……攻略していく感じ? それが快感なのかもしれません。とても爽快な気分になれます!」
「では、これからは必要になったら沙織さんに頼もうかな?」
「わっ、そうしてもらえると嬉しいです! 呼んでもらえたら何時でも飛んで行きますよっ」
「ふふっ いつでもか……そんなに好きなら遠慮なくお願いするとしよう。私も助かるよ」
「はい! 呼んでもらえるの、楽しみにしてますからねっ♪」
嬉々と語る娘と、その娘の膝に頭を乗せて横たわっている男。そんな二人の姿が目撃されたのは、よく陽の当たる縁側でのことだった。
彼女の手には竹製の細い棒が握られていて、その先端には梵天。彼の耳に触れながら、よく笑って話していた。
そんな彼女と、猫のように目を細めながら会話をしているという……普段の姿からは想像し難い彼の珍しい行動が見られたとか。
*
その後――
(色んな意味で……あの場を取り繕うことが、ここまで難しいことだったとは思わなかったな)
膝枕の口実ができたことを含め、ついつい感慨にひたる男だった。
ココロの吐き溜めな、掃き溜め倉庫(時代遅れなガラケー)サイトから……面倒でも諦めずにコツコツと引っ越した甲斐がありました!! と、言えるように頑張ります(´;ω;`)ウゥゥ