ないものねだり(🐟16)
小学生の時、自分の持つ言葉を見て、沢山のことを願った。
せめて、赤い肌が治れば。
せめて、皮膚が落ちなければ。
せめて、髪が上手く生えれば。
せめて、眼鏡とマスクが掛けられたら。
病気が治れば。こんな言葉持ちたくない。
時が経って、今。
あの頃より状態も良くなった。
長袖を着て、赤い部分を見られないようになった。
ウィッグを被るようになった。
形成手術をして、眼鏡とマスクが掛けられるようになった。
自分の持つ言葉の主張が、随分小さくなった。
それでも、
やっぱり
肌もっと良くなってほしい。
皮膚なんてめくれないでほしい。
地毛で上手く髪が生えてほしい。
そもそも眼鏡もマスクも掛けられてたらこんな思いしなかったのに。
自分は「ないものねだり」ばっかりしてる人生だなぁ。