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旅の記憶

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日帰り弾丸旅や温泉一泊旅のエッセイです。
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温泉旅【真鶴・湯河原】

平日に連チャンで二日も有給を取った。 ふだんは、ほぼしない行為だ。 朝いつもと変わらない時間に家を出て、以前から泊まってみたかった湯河原の温泉旅館へ向かう。 毎朝上りの東海道線へ乗り換える横浜で、今日は下りのホームで電車を待った。 それだけで見える景色が全く違う。 二日間は仕事のことを考えなくていい。なんとも言えない解放感だった。 横浜で熱海行きの東海道線に乗り込む。空席がいくつもあった。横浜から座って行けるなんて幸先がいい。 非日常感を強烈に味わいながら、乗客

温泉旅【奥日光・湯元温泉】

無性に温泉に入りたくて、無性にまた弾丸旅がしたくて、一泊二日で温泉旅することにした。 もちろん、お気楽快適なひとり旅である。 ネットで鬼リサーチして、今回は人生初の日光に行くことに決めた。予約したのは奥日光湯元温泉の「紫雲荘」さんだ。 温泉に入ること自体が超絶久しぶりで、とても待ち遠しかった。 一日目。 北千住で東武鉄道の特急に乗り換えて、いざ日光へ。 ほぼ満席状態の特急「リバティけごん」に1時間40分ほど揺られ、終着の東武日光駅に到着した。 何もかも初めての景

旅すること

改めてふり返ってみるとわたしの旅好きは学生の頃には始まっていたように思う。 大学を卒業するまで東北の町で育った。 すでに関東で生きている時間の方が長くなってしまったが、わたしはもともと津軽の女である。 記憶にある初めてのひとり旅は大学時代。 ひとり旅と言っても、東京に遊びに来て都内に住む友人を転々として泊めてもらったので旅の行程すべてが単独だったわけではない。 それでも友人と落ち合うまではひとりで行きたい場所に行き、自分なりに東京の街を楽しんだ記憶がある。 大学時代