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ふたりめ出産記(前編)

2022年、6月。
次女が爆誕した。

コロナ禍のなか、立ち会い、面会は一切できない時期だった。

ひとり目は実母、夫と手厚いサポートのなか、22時間の陣痛とともに長女が生まれたが今回、その心強い味方はいない。

心してお産に向かっていた。

You Tubeで陣痛を軽くする運動、
ポーズ、グッズなど
3年前に経験したおぞましい激痛を少しでも減らしたい一心で
陣痛、軽くしよう1人キャンペーンを開催していた。

準備は万端だ。
いざ、迎えた出産当日。

深夜12時をまわったあたりから、
何ともいえない痛みがじわじわやってくる。
数時間家で待機し、長女を保育園に届けてもらってから入院した。

入院時はまだ4センチ。
どんどん痛みが強くなってくる。
陣痛軽減のポーズをとり、深呼吸をして痛みをのがす。

のがれない。
話がちがうぞ、とキャンペーンに文句を言いたい気持ちでいっぱいだった。

死にものぐるいで考えた結果、
痛みは脳が感じていることに気がついた。

あたま、振ってみよう!!

わたしは次の陣痛で立ち上がり、
頭をぶんぶん振り回しながら
クマのように病室を歩き回った。

酔った。

痛みは半減されていた。

素晴らしい方法をあみだした。
客観的に見たら危なく見えるのは百も承知だが、背に腹は代えられない。
陣痛が痛すぎて
アホになろう、アホになろう、とにかく痛みを感じないアホになろう、
と陣痛のたびに繰り返していた。

この大成功の作戦にも、
落とし穴があった。

助産師さんが見に来てくれるときだ。

アホになりきれない。

すみません、立ち上がっていいですか、、と弱々しく尋ねたまではいいが、
舌を出しながら頭を振り回す姿を見られたら
別の病院に送られかねない。

何とか深呼吸と
う、、うぐっっという呻きだけで陣痛を乗り越え、
頑張ってくださいね〜と助産師さんがドアに手をかけたのと同時に

アホのわたしが出現していた。

こうして4時間半ほど耐えたあと、
ついにあの言葉が。

そろそろ、分娩台に行きましょうか。

ついにここまでこれた、と少し感動的しながら、支えられながら分娩室へ移動する。
次女に会えるまでもう少しだ。

と思いきや、分娩室でも一波乱あったが、それは次回とする。




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