見限られるということ
調べたら酷かった。
見離す。見切る。見切りをつける。見捨てる。匙を投げる。愛想を尽かす。
という意味だ。
昔からそうだった。
私達は義理の妹夫婦と何もかもを比べられ、勝手に見限られていた。
子供達もそうだった。
私の障がいをもつ息子のことを
「何もできないお荷物なやつ」
だと思っている様子だ。
なぜなら、先日も放課後デーサービスから帰ってきた息子に義父は何も声をかけなかった。
こんなことは一度や二度ではない。
隣に住んでいるのにだ。
そしてなにより直系の孫なのにだ。
先生方も義父の冷たさに気がついているのか義父に頭を下げてるか下げてないか程度で何も言わない。
きっと言ったことが何回もあったけど、何も言われなかったからだと推測する。
普通、孫がお世話になっているのに挨拶や感謝は自然と出てくるはずなのにだ。
理解できない。
私への当てつけもあるとは思う。
私は義理の妹を攻撃する意地悪な嫁だとおもっているらしいが、義父が義母から受けた私のいじめや、逆に義母は義父から受ける私へのいじめを知らない。
似た者どうしな残酷な夫婦なのだ。
私は家族になりたかった。
ただそれだけだった。
なのに粗探しばかりで、私の嫌味やできない部分を義理の妹と義父に散々言っていたんだと思う。
だから私はいつしか関わりたくなくなった。
義父母や義理の妹は私を悪者にして、私や子供、主人にしてきた卑劣な仕打ちをまったく忘れている。気がついていないこともある。
家族なのにどうして?
もう異常すぎるのだ。
けれど主人は今でもこんな親に、「もしかしたら…」という希望を抱いている。
だまされて、私達や孫同士が勝手に競わされて、そして裏切られて、嘘をつかれ、見限られているというのに主人はまだ信じようとしているのだ。
最近ではなんだか頼りないを通り越して不憫にさえ思えてきて涙が出てくる。
義父母は私達をだました。
私達に譲ると言った土地を、いろんな事情があり断ったのだが、その土地を義理の妹夫婦に譲りそこに家が建つからと、1年後に旦那だけに告げたのだ。
一言その前にそのことを聞きたかった。
けれど反対されると思ったからと言わなかったのだ。
主人は長男で、私達は敷地内同居をしている。
主人を差し置いて、勝手にした生前贈与なようなものである。
私にはなんの権利もないけれど、あまりにも主人が不憫でならない。
義母は義理の妹の旦那を気に入っている。
海外に行くこともあり、収入があるらしい。
お金に執着する人なのだ。
その婿と、自分の子供である主人を秤にかける恐ろしい人達だ。
主人はないがしろにされ、私達はいつも疎外感を覚えていた。
今回家が建つことで、私達には世話にならない。
そう思ったのだと考えた。
私の息子には障がいがある。
考えたくはないけれど、当てにならないと見限られているのはバカでもわかる。
現に15年前私に向かって義父は、義理の妹達と変われ(出ていけ)と、小さな1歳ぐらいの娘を抱いた私に義理の妹夫婦の前で言い放ったのだ。
それから私は義父母を見る目が変わってしまった。
義理の妹夫婦が建てることになった家のことで私達がなぜ一言相談がなかったのかと聞くと、
もう実家には来ないから…とか、娘は別荘を建てるのが夢だった…とか、いつ海外から帰って来るかわからないから…などいろんな言い訳をした。
そしてその土地にもう家が建っているというのだ。
後出しジャンケンもいいところだった。
大事なことを後で言って、お金のない無能なお前達にはできないだろうとばかりに決行された。
私達は嫌なのに。
家は私達が住んでいるところと目と鼻の先なのだ。
冗談ではないけれど、まるでどこかと日本のようだ。
相手はおかまいなしに威嚇してくる。嫌なのに何も抵抗できず苦しめられてばかりだ。
これだけでは決断できなかった私達にも否があるのかもしれないと思われるかもしれないが、実はそんなことではすまされない事実がある。
そのことはきっと一生許されないことで、私の中で忘れられない傷となってしまっている。
そして都合よく
「海外赴任が終わる」
そう主人が告げられた。
今度は私達が見限る番が来るのだと思う。