014【インクるーしぶ】
「ATARU」というドラマの最終回、北村一輝のセリフ。
「能力、病気、障害ーー。それを分けることに、いったいどんな意味があるんだって。とても厄介な、でも愛すべき個性じゃダメなのか」
さらに村上弘明のセリフ。
「それをちゃんと分けて名前を付けることで初めて対処が判る。それによって救われる人がいる」
栗山千明に惹かれて観たドラマでしたが、すごく印象に残っています。サヴァン症候群のチョコザイくんを演じる中居正広のセリフ。
「泣いたら前が見えないよ。泣くのは見なくていいときだけだよ」
相変わらず小ネタがたくさん入っていた。いいなぁと思った。そして、考えさせられる作品でした。サヴァン症候群とは、知的障害や発達障害などのある者のうち、ごく特定の分野に限って、優れた能力を発揮する者の症状を指すらしい。
優れた能力を発揮する者、超人。そう、キン肉マン。そして、キン肉アタル。キン肉星王位争奪編において、絶大なる人気を集めたキン肉マンソルジャー。超人血盟軍のザ・ニンジャへのチーム陣形、ブロッケンJrへのセリフ、真・友情パワーは、子どもながらに、ずいぶん考えさせられました。
「男というものはあまりしゃべるものではない!!両の眼で静かに結果だけを見ていればよいのだ!!」
「ブロッケンJrの最大の魅力はいかなる困難、障害があろうともおのれの仕事は絶対に遂行する責任感だーーっ!!」
「バッファローマン、おまえのこのタッチは明らかにマンモスマンのビッグ・タスクの恐怖から逃れるためにわたしに助けを求めているものだ。こんな弱気なタッチは受けれん!」
あたる
そういえば「陽のあたる教室」という映画もありますね。観たいなぁ。誰かを温かくする超人になりたいな。つながりを大切に、力まず頑張って生きていこう。
ちなみにここだけのカミングアウト。ぼくは高校生まで数字オタクで、いまにして考えると、おそらくサヴァン症候群でした。バレーボールの軌道計算やバスケットボールのシュート、サッカーのアジリティの計算やインステップキックの撃力計算は、普通のことでした。暇があると頭の中で、蝶の羽ばたきを計算したり、数学の公式を自分でつくったりするのが楽しみというちょっと変わった傾向があり。
ところが高校一年生の冬、インフルエンザで行った日曜日の救急病院で
「たぶんインフルエンザです」
と自分から言うと、お医者さんが
「お前に何がわかる。診察する前から病名を決めつけるな!!」
と激怒され、胃薬しか出してもらえなかった。その夜、一時40℃の熱を出し、体を痙攣させながら2日間耐え抜いた。そのとき、何度、お花畑が見えたかわからない。その後わかったことだが、鼻の軟骨が曲がっていた。高熱の影響らしい。そして、それまで見えていた数字だらけの不思議な世界は、まったく見えなくなってしまった。
それまで、数学や理科、特に物理は一切勉強しなくても満点だったのに、、、努力の人にならなければならなくなった。ただ、30歳を過ぎた辺りから独自のトレーニングにより徐々にあのスペックは戻りつつある。当時とは少し違う形ではありますが。
だからかなぁ、インクルーシブな社会の人間の可能性というものを、ぼくは本気で信じているところがあります。