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363【教職員不足と現場の葛藤】
「また人が足りないみたいだよ」
ある日、職員室でふと耳にした言葉に、私は心がざわついた。公立小学校に勤めて十数年、毎年のように繰り返される「教員不足」という現実に、慣れるどころか、年々増す問題の深刻さに苦しむばかりだ。子供たちの未来を支える場であるはずの学校。その現場が、いま、慢性的な教員不足に揺れている。
教員不足が直接的に何を引き起こすのか。それは日々の教育現場の質に大きな影響を与える。例えば、欠員が出れば、非常勤講師や臨時教員がその穴を埋める形になる。しかし、短期契約の彼らにすべての業務を担わせるのは難しく、結果的に、正規教員が負担を増やしていく。複数の学年を掛け持ち、突発的な対応に追われる日々が続く。それでも、子供たちの笑顔を守りたい一心で踏ん張っているが、正直、限界を感じる瞬間も多い。
教員不足が叫ばれる中、現場を支える管理職の動きにも疑問を感じることがある。特定の教員に過剰な負担を押し付けたり、【言うことを聞く教員】を好んで配置する姿勢には、同じ現場で働く身として納得しづらいものがある。さらに、行政が再任用教員の活用を優先し、新規採用に積極的ではない現状にも問題がある。経験豊富な再任用教員の存在が貴重である一方、若手教員の育成や新しい教育視点の導入が後回しにされているのだ。短絡的なコスト削減を優先する姿勢が、長期的な教育現場の持続可能性を損ねているように感じる。採用や雇用の基準においても、元校長やその家族といった関係者への配慮が優先されている現実に、私は違和感を覚える。さらに、今年度の採用試験の倍率が約1.0という事実も衝撃的だ。受験者が試験を受けさえすれば合格するこの現状は、教員の質の低下を招く危険性をはらんでいる。こうした状況の中で、きちんと仕事をしない教員や管理職、そしてそれを放置する行政に対する信頼が揺らいでいる。
教職員不足の課題を解決するには、いくつかの具体的な取り組みが必要だと思う。例えば、採用試験を見直し、即戦力の人材を柔軟に採用できる仕組みを作ること。教員の労働環境を改善し、働きがいを感じられる場にすること。また、管理職の人材活用の公平性を高める仕組みも求められる。
教育は、子供たちの未来を育むためのものだ。その根幹を支える教員が疲弊していては、学校全体が良い方向に進むことはできない。子供たちが安心して学び、夢を描ける学校であり続けるために、教職員不足という問題に立ち向かい、現場の声を行政や社会に届ける必要がある。このブログが、教育現場の未来を少しでも良い方向へ導くきっかけになることを信じて。