7月16日(木)Mutian投与4日目 FIPじゃない
0時
栄養剤注入。
注入後、エリザベスカラーのせいであちこちぶつかりながら歩き回る。少し活動性が上がっているなと思いつつ入浴していると、扉の外でコツンと音がする。お風呂場が大好きなおじいちゃん猫だと思って開けてみると、そこにねねちゃんが座っている。ぼーっとした表情をしているが、私を探してお風呂場まで歩いてきたことに驚く。
またすぐに寝に戻ったが、その後も私がトイレに行き、出ようとするとドアの前にまたねねちゃんが。しんどいのにストーカーしてくれるのね。もうこんなねねちゃんは見られないと思ってたよ、ありがとう。
4時半
一緒に寝ている部屋から出たいと、戸をかりかりと掻いている。部屋から出してといわれるのは久しぶりだった。このまま元気になってくれたらどれほどいいか。しかし、確実な原因がわからない限り、多少元気になってももう安心はできなくなっていた。
7時
案の定、押し入れの奥から出てこない。また朝に体調が悪化してしまった。
夜中に持ち直して朝に悪くなるというのがパターンになっている。
9時 受診
体温 39.3℃
少し下がっているが、やはり下がりきらない。改めてFIPの可能性が低いことを伝えられる。寄生虫検査の結果が戻ってきたが、すべて陰性。考えられる可能性は血液腫瘍ぐらいのため、1日も早く大学病院を受診するよう改めて勧められる。
家から通えそうな範囲の候補病院は2か所。1つは家から徒歩5分の大学病院、もう1つは車で45分ぐらいのところにある高度医療センターだ。
二次診療専門の動物病院の予約はかかりつけ医から取るルールになっているところが多いため、早く予約が取れる方を優先していただくようお願いしたところ、21日に大学病院の血液専門医の診察を受けられることとになった。
我が家から一番近いのが、この大学病院だった。ここならねねちゃんにあまりストレスをかけずに通院ができる。こんなに近くにその道のプロがいるなんて、またしてもねねちゃんはついている。ここならねねちゃんにあまりストレスをかけずに通院ができる。こんなに近くにその道のプロがいるんて、またしてもねねちゃんはツイている。
致死率100%の感染症にかかるも、すぐに抗ウイルス剤の投与が受けられる、今にも死にそうな重度の貧血になるも、すぐに奇特な保護主さま達に供血に協力していただける、血液疾患が疑われるも、近所に専門医がいる。
不幸中の幸いリストが作れそうだ。
FIPの可能性が完全に否定された訳ではないので、Mutianは継続することになった。この日まではMutianは即効性を期待して注射で投与しており、来週から経口薬に切り替える予定であったが、コロナの影響で病院の注射剤のストックがあと数日分しかなく、ねねちゃんはFIPの可能性も下がったため内服に変更するよう依頼された。こんなところでコロナの影響が…。
Mutianはカプセル剤で、人間の薬ではなかなかお見掛けしない巨大なものだった。それをねねちゃんの体重に合わせて3カプセル。ごはんすらろくに食べないのに薬なんて飲ませられるだろうか?不安しかなかったが、ピルガンというものを使って、先生が試しに空のカプセルを飲ませるとあっさりと飲み込んだ。”はい”とピルガンを渡され、”私がやるの!?”と戸惑う。
私は元(人間の)看護師であり、”医療者たるもの服薬介助ぐらいできなくてどうする”と思ったものの、考えてみると人間においては患者さんの口をこじ開けて無理やり薬を飲ませるなんてことはない。が、明日から家で飲ませるために服薬の仕方の指導を頼んだのは私である。やるしかないか。これもねねちゃんのためだ。
犬歯の横から指を入れて口を開けさせ、できるだけ喉の奥までピルガンを入れてトリガーを押す。やってみると意外に簡単だった。
病院からの帰り道、バッグのなかでひどく鳴く。
元気になったというよりは、苦痛を訴えているような鳴き方だった。逃亡防止のために入れた洗濯ネットの中から、私の手に噛みつく。ねねちゃんに噛みつかれるなんて初めてのことだった。新たな症状ではないかと不安になる。骨髄内の腫瘍による脊椎の痛みでないといいのだが。
家に帰ると押し入れの奥深くに入り込み、まったく起きてこなかった。
栄養剤投与の度に起こすと、すぐにおしっこをした。おしっこをしたくても自分から押し入れを出てこられないほどつらいのか。
13時
栄養剤投与のため抱き上げようとして触ると熱い。触っただけで大きな声で鳴く。投与中もずっと嫌がって鳴いている。暴れる。カーっと威嚇する。威嚇の声を聞いたのも初めてだった。そんな子じゃなかったのに。家族がわからなくなってしまっているのだろうか。
23時20分
ほかの猫のために窓を開けると起きてくる。ベランダに出て外を眺めたり、草を食べたり、椅子に飛び乗ったりしている。やっぱり夜中になると元気になる、同じパターンだった。
この日の医療費
再診料、Mutian注射、インターフェロン、
Mutian経口薬 2日分、ピルガン、栄養剤
計 56,760円