10月23日(金)万事休す
受診日
前回の受診から2週間、非常に長かった。ステロイド7.5㎎と免疫抑制剤の併用で今までで一番強い治療が入っており、少なくとも一時的には回復するだろうと思っていたのだが調子が上がってこなかった。7月に治療を始めた時は、10日後ぐらいには活動性があがりごはんを食べるようになるなど明らかな変化が見られたが、今回はその時のような改善が見られなかった。
発病時のようなぐったりとした感じではないもののほぼ一日中寝ており、口の中も白い状態が続いた。16日頃には朝一度起きてからは次に起きるのが夜9時といった感じで、貧血が進んでいっているなら週明けにはかなりひどい状態になっているかもしれないと思い、受診予定の翌金曜日まで待たずに週明けに診てもらおうと考えていたが、週が明けた時には状態を保っており、前週に比べて舌が赤くなってきたり食べる量が少し増えたり(とはいえ1日に必要なカロリーの3分の2は強制給餌)していたため予定通り本日受診をした。
検査の結果、ヘマトクリットは34.3%と前回から大きく下がっていないものの改善の傾向が見られず、塗抹上も再生像があまり見られていない(末梢血管中に赤血球があまり現れていない)状態とのことだった。
調子が悪いのはまた気のせいであればいいと思っていたのだが、やはりそうか…。
主治医からの説明
”前回と比べてステロイドへの反応が悪くなっていると思われます。免疫抑制剤も3週間投与しているので、この段階で改善してこないとなると厳しいと思います。来週もう一度見て悪化しているようであればガンマガード(ヒトグロブリン製剤)を投与するというのがひとつの手です。またはもう一度骨髄検査をやってみてもいいかもしれません。ステロイドが効かなくなっている原因が前回と同じようにマクロファージに貪食されている可能性もありますが、骨髄が線維化している可能性があります。その場合は治療の手立てはありません。すでに体重当たり2㎎のステロイドを投与していますが、一時的にさらに増やしてみてもいいかもしれません。ただ、その後減らしてみてまた貧血が悪化するようであれば、その後はステロイドを減らすことができません。”
あんなに劇的な改善をもたらしたステロイドが、たった2か月で効かなくなってしまった。NRIMAを治療な基本は免疫抑制治療だ。それで効果が出ないということは…。
ガンマガードは輸血と同様に対症療法でNRIMAを改善させることはできず、半月ほどしか効果が持続しないそうだ。しかも治療には1回7万円以上がかかる。骨髄検査をしてみてもと言われたが、検査をしても新たな治療法がある訳でもないのならば、怖い思いをさせてまで侵襲の高い検査をする意味はない。以前脾臓摘出という選択肢も提示されていたが、ねねちゃんへの負担が大きい上に効果が出る保証がない。これ以上のステロイド増量は副作用のリスクが高く、例え効果が出たとしても前回の様子から見て減量を始めるとすぐに悪化してしまうことが予想される。免疫抑制剤を変更してみることはできないか尋ねてみたが(犬ではそれで改善している症例がある)、エビデンスがない上にねねちゃんは小さすぎて用量の調節ができず副作用のリスクのほうが高いとのことだった。
八方塞がりだ…。
とりあえず1週間だけステロイドを増量することになり、今日から10㎎となったが、来週の検査で改善していなかったらこれからはどうしたらよいのか。
ステロイドが効かなくなったら、手術をしなければそこからは延命治療となる。延命…すべきなのだろうか。もちろんねねちゃんにはいつまでも傍にいてもらいたい。ねねちゃんがいなくなることを想像すると怖くて仕方がない。でも、延命のためにねねちゃんに病院で怖い思いをさせるのは、本当にねねちゃんのためなんだろうか?もともとお転婆だったねねちゃんは、度重なる病院通いですっかり臆病になり、ちょっとした物音でベッドの下などに隠れるようになってしまった。天真爛漫な性格を奪ってしまったという申し訳なさがずっとある。経済的にはなんとかなったとしても、ガンマガードを投与することになれば、2週間おきに半日病院にいなければならなくなる。もう一度骨髄検査をするとなればまた全身麻酔をかけなければならない。脾臓を摘出するとなればお腹を切らなければならないが、それで改善する保証はない。そこまで怖い思いをさせても、また怖い思いをする日々が長引くだけで治してあげることができる可能性は低い。
延命治療をするのは誰のためなのだろうか?ねねちゃんにとって一番幸せになる選択はどうやって決めたらいいのだろうか?でも治療をやめたら近いうちに確実に死が訪れる。ぐったりと動かなくなっていくのを見守らなければいけない。治療をすればまだもう少し生きられるねねちゃんの命を私が断つことになる。どちらを選択するにせよ、辛すぎる決断であり、どちらが正解なのか決断をした後にも答えの出ない問題で、“あの時の決断は正しかったのか”と生涯心に引っかかることになるだろう。
この日の医療費
再診料、血液検査、塗抹評価
内服薬(ステロイド、胃腸薬)
計 26,785円
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