【WSET diploma対策】WSET diplomaは難しいの?(まとめ)
これまで4回に分けて、WSET diplomaの難易度について考えてきました。もう一度まとめてみます。
合格率
日本人のWSET Diploma合格率は20%くらい。超難関とは言えないけれども、平均すると2-3年の勉強を続ける試験としては、結構、難しい部類の資格試験と言えると思います。
英語力
英語を読むことと書くことに関しては、英語力があるに越したことはない。それは、勉強時間や試験での得点に直結しています。目安としてTOEIC 820点以上の英語力はあった方がよいと思います。WSET Level 4を視野に入れているのであれば、Level 2やLevel 3を英語で受けることをおすすめします。
内容
Theoryの量は、ページ数、想定学習時間で見るとLevel 3の6倍。Level 3で扱わないビジネスとリサーチアサインメントが追加されます。質の面では、より深掘りした内容になりますが、試験が短文ではなく長文の英語となることで、英語が苦手な人には圧倒的な難しさがあります。
Tastingでは、Level 3のSATとほぼ同じですが、学習アイテムが示されているだけで、ほぼ自己学習となります。勉強仲間を見つけて、一緒にTastingの勉強をする必要があります。
費用
試験が順調に進んでもオンラインコースや試験費用で、76万円かかります。試験がうまく行かないと、その分だけ再試験費用がかさみます。さらに、Diploma向けの講座やTastingの勉強を考えると総額で100万円程度の費用がかかると見込まれます。
総論として
僕の印象としては、気軽にやって受かるような試験ではないと思います。WSET Level 3を取得して、50万円のお金が払えれば、いつでも、WSET diploma candidateになれますが、WSET diploma candidateとWSET diploma取得者には大きな違いがあると思います。Levlel 3を英語でやっていない人は、かなり努力しないと6つの試験を突破することはできないと思います。ただ、テキストがなかった時代とは違って、素晴らしいテキストがあり、オンラインコースが整備されており、とんでもなく難しい難関試験ではないとも思います。
ここまで、様々な点からWSET Diplomaの難易度について考察してきましたが、自分なりに、結論めいたことにたどり着きました。難易度、合格率、費用、英語力という観点から考えると、イギリスの修士課程のdistant learning(通信教育)のコースに通うのとだいたい同じということです(その中でもどちらかというと楽な部類)。WSET diplomaを資格試験として考えるのではなく、2年の修士の過程に通う。そこを卒業したらdiplomaがもらえると考えるとすっきりしますね。イギリスの修士に通うとしたら、週40時間くらいの勉強は当たり前ですよね。費用はイギリスの修士の学費よりは安いし、英語力もそこまでは要求されません。合格率が低いのは、資格試験だと思って誤解してチャレンジする人がいるからだと思います。
必要なのは時間を捻出する覚悟
よく受ける質問が「自分もDiplomaにチャレンジしたいのですが、どうでしょうか?」というものです。イギリスの2年間の修士課程の通信教育に入学しますか?という質問に置き換えたらいいと思います。英語力、難易度、費用、時間の中でも、もっとも重要なのは時間でしょう。WSET diplomaの勉強のために、少なくとも1000時間の勉強時間を捻出する決意があって、努力することができるか?です。もっと、わかりやすく言えば、平日は毎日3時間、週末は5時間の勉強時間を2年間にわたって確保するつもりがあるか?あるなら受けたらいいし、それが無理ならやめた方がいいとアドバイスします。
もちろん、英語ができるかどうかは、勉強のスピードやや試験の出来にに影響するファクターであるとは思いますが、最低限の英語力があれば、あとは、時間を作って努力するだけだと思います。
メンタルの強さも必要
すべての試験をストレートでパスする人はまれです。したがって、試験で不合格をくらったとしても、粘って、試験に合格する気力も重要です。試験には難易度差がかなりありますし、何回以上受けてはいけないというルールはありません。したがって、あきらめずに努力すれば、いつかは合格できます。しかし、試験は、毎月あるわけではなく、D3は年に2回だけです。落ちてしまって、半年後というのをあきらめずに目指せるか、そのようなメンタルの強さがあることが重要だと思います。そうしたメンタルを維持するためにも、一緒に勉強する仲間は必要ですし、家族のサポートも必要です。
以上、1年半にわたって、僕がトライしたWSET diplomaの旅にお付き合いいただいてありがとうございました。今後、WSET diplomaにトライする方のお役に立てればと思います。