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16皿目 “昭和テイスト満載のデカ盛り一杯” 坂本食堂|元気の出るカツカレー
取材で日本全国を飛び回っている編集チームの一員・T郎が、旅先で食べたカツカレーをゆるーく紹介していきます。ご当地ものや地元の名物というわけではありませんが、いつも頼んでしまうのがカツカレー。旅先で食べるカツカレーは、旅の開放感が背中を押す「ちょっとした贅沢」であり、旅の続きを楽しむための活力の源なのです。
昭和テイスト満載のデカ盛り一杯
三陸は世界三大漁場のひとつ、と社会の授業で習った覚えがあります。この日の取材は宮城の塩釜卸売市場や浦戸諸島。まさにその漁場の豊かさを実感するような海の幸を堪能し、風光明媚を満喫しました。東日本大震災の被害が大きかったところですが、10年経ち、復興への道のりをしっかりと歩んでいることが見てとれました。
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取材を終え、宿泊は大船渡市。ここは岩手県ですが、陸前高田や大船渡までは旧仙台藩。塩釜のあたりと同じリアス式の地形を持っていて、文化もよく似通っているようです。
夕食は海鮮系、という選択肢もありましたが、昼に塩釜市場で海の宝を味わったばかりだったので、事前に調べてあった大衆食堂に向かうことに。
大盛り、特盛りで有名な坂本食堂。三陸鉄道の盛駅から歩いて3分ほどです。インターネットの書き込みでは、「味噌ラーメンの大盛りが半端ない」「一日これ一杯で十分」といった書き込みが。私が狙っているのはもちろんカツカレーですが、いったいどれほどの大盛りなのかと少し怯えながらお店に到着。
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駐車場には、「お食事処」と「カツカレー」の幟が。イチオシということなのでしょう。期待が高まります。(あとで調べたら、カツカレーはやはり看板料理だったようです)
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昭和の香り漂うのれん。ショーウインドウの食品サンプルもいい感じに年季が入っています。
店内はテーブル席の他に小上がりがあり、さらに奥にお座敷がありました。
メニューもろくに見ずに、迷うことなくカツカレーを注文。
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おお、すごい! こんな見た目のカツカレーは初めてです。型を使って楕円に盛り付けられたご飯のうえに、なみなみとカレーがかけられ、その上にドカンとカツが鎮座しています。いや、高くそびえるお米の山に寄りかかるようにして横たわっていますね……。脇に添えられたサラダも立体的な盛り付けで、全体として、なぜか遊園地を連想してしまいました。誇らしげに飛び出たパセリまでがどこか楽しげです。
のれん、食品サンプル、店内の雰囲気、ステンレスのお皿、コップの水にドボンと入ったスプーン。すべてがプロデュースされたかのように統一感があって、本当に昭和の時代にタイプスリップしたかのよう。うきうきしてしまいます(それは筆者が昭和に少年時代を過ごしたからで、若い人はまた違った感想を持つのでしょうね)。
早速、実食。カレーのルーはとろりとしていて、具は豚肉と玉ねぎ。サイコロ状の豚肉の存在感がすごいです。辛さはそれほど強くなく、甘さに深みがあります。カツは厚切りで衣はもちろんサクサク。
サラダは小さく見えるかもしれませんが、他が多いので相対的にそうみえるだけで、かなりの量です。
ご飯も、思っていたよりもさらにすごい質量。ラグビーボール状の型に入れる時、強く押し込みすぎですよご主人……でもそれは間違いなくサービス精神ですよね。
途中、かなりお腹が苦しくなってきましたが、キンキンに冷えた水とサラダを使って小休止しつつ、なんとか完食。すごい満足感です。
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結局、次の日の朝まで満腹は続きました。誰かの書き込みにあったように「一日、これ一杯で十分」というのは本当にその通りなのでした。
あとでメニューを見返してみたら、カツカレーは小盛りも注文できるとのこと。これからは年齢と胃袋と相談しつつ、小盛りも選択肢に入れた方が良さそうです。
坂本食堂
大船渡市盛町字内ノ目4-11
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