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【はじめての東洋医学】読んで聞いて覚える「七情(怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)」の考え方
【2024/07/07 更新】このアカウントは鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・言語聴覚士などの国家試験対策の覚え方のコツ・ノウハウ・ゴロ合わせなどをお伝えしています。
【東洋医学概論】鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
⏩ 七情
西洋医学では怒りすぎると血圧上がる程度で終わりますが、東洋医学では怒りすぎたり・悲しみすぎると臓腑の機能が失調し、様々な症状が現れます。
七情について
七情とは、怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の7つの情動・情緒のことである。
よく喜怒哀楽って言う言葉を使いますが東洋医学ではさらに細かく7つに分類して考えます。
恐と驚ってどう違うんだよ!とかなりそうですがそれはひとつひとつ解説していきますのでご安心ください。
解説を見た結果、どう違うんだよ!ってなっても責任は取れません…笑
というわけでさっそく7つを順番にお伝えしていきます。
七情「怒」
怒(ど)は怒るという情志であり、気機を上昇させる特徴がある。
国家試験対策であればまず気機の動きを覚えるところですがそれは別記事で!
怒という感情は肝と関係の深い七情です。
怒ると気が上にのぼりやすくなります。肝も気をあげる作用があり相互的に関係を持ちます。
具体的には、怒ると肝の機能が失調し、肝の機能が失調すると怒りやすくなります。
そんなわけ無いでしょ!って思うかもしれませんが、酒飲みの顔がいつも赤い(概念的な意味で)おっさんって何かにいつも怒っていませんか?
私の住んでいるところは熱狂的な野球チームのファンがいます。しましまの
あの人達は、いっつもお酒を飲みながらファンなのにそのチームに対して怒っています。
そういうイメージです笑
七情「喜」
喜は、喜ぶという情志である、気機を緩ませる特徴がある。
一般的に喜ぶと聞くとプラスのイメージしかありません。
東洋医学では喜んでばかりいると気が緩んでしまうと言われています。
(気は少し緩んでいる方が良いとされています。)
喜は今度は「心」と関係の七情です。
具体的な話をすると、毎日毎日喜びに満ちた生活をしていると心の機能(精神のコントロール)が失調してしまいます。
これって心理的にも証明されていて、嬉しいことが起きると人は気持ちが緩んでしまって深い考えができなくなることが証明されているんです。
例えば100万円の宝くじがあたった場合、その次に詐欺の話を信用する確立が跳ね上がるというものです。
うまくいっている時はなんでもうまくいくと思いたくなるのはわかりますがそういうときこそ少し気を引き締めたほうがいいのかもしれません。
七情「思」
思は思う・考えるという情志であり、気機を鬱結させる特徴がある。
今度も臓腑と関係あるんでしょ!?と思ったあなたは鋭い!
思い考えることと「脾」は相互に影響し合います。
脾は固摂の働きを持っています。
内蔵などが下から出ないようにするのも脾の働き。
脾の働きが失調すると思い悩むようになります。
逆に思う悩むようなことが多くなると脾の働きは失調します。
具体的な話をします。
恋をしている思春期の子は、いつもならがつがつご飯を食べる年齢なのに食事が喉を通らなくなりますよね。あれです。
また胃腸の機能が弱い人に限って些細なことにあーでもないこーでもないって悩んでいるイメージありませんか?
日本人は世界的に見ると脾の働きが弱い種族とされています。
言われてみればみんななんか悩んでいません?
七情「憂」
憂は憂える・心配する・不安になるという情志であり、気機をうっ滞させる特徴がある。
はいはい今度は何の臓腑と関係あるんですか?ってなりますがココに来て変化球です。
この憂という感情は肝・脾・肺の3つの機能に影響を与えます。
具体的には
心配しすぎて怒る・心配しすぎて食事が通らない・心配しすぎてため息が出る・心配しすぎて呼吸が浅くなる。
そんな感じです。
七情「悲」
悲は悲しむという情志であり。気の消耗を起こす特徴がある。
悲しいという感情はさっきの憂いとよくにています。
どちらかというと憂いはまだ起きていない事象に対して心配になったりするイメージでこの悲しいは実際に今起きた現象にたいして感じる感情だと思います。(違っていたらすいません)
例えば失恋して悲しいですが、将来を悲観している時は悲しいではなく憂いている状態だと思います。
悲しいと泣きじゃくりますので気がどんどん消耗していきます。
例えば鍼灸治療を行って、気を補っているのに身の上話で泣かれてしまうとせっかく気を補ったのに💢ってなります。(東洋思想の話)
また悲しみは肺と相互関係を持ちます。
悲しいと泣くと同時にため息が出ませんか?
逆に肺の機能が失調すると、悲しみや憂いという感情になりやすくなります。
七情「恐」
恐は、恐れるという情志であり、気機を下降させる特徴があります。
恐れというのはお化け屋敷のなにか出てくるかもしれないという恐さに近いかもしれません。
恐は腎と相互関係をもつ感情です。
ビビりすぎて小便を漏らすとはよく聞きますがそれが恐と腎の気を下降させるという組み合わせになります。
逆に腎の機能が失調すると些細なことで恐れたり、オドオドしてしまったりします。
歳を重ねていくごとに心配性になっていつもなにかに怯えて行くようになる人がいますが、あれは腎の気を消耗していった結果だと思われます。
また腎の機能が失調すると心を養えなくなります。
恐れるあまり心ここにあらずというのはまさしくこのことです。
七情「驚」
驚は、驚くという情志であり、気機の乱れをおこす。
驚くも恐れるも似ていると思う人もいるかも知れませんがこれはビックリして「うわっーーー」てなっている状態です。
お化け屋敷でなにかが出そうな時は恐れ。なんかでたあとパニクって走り始めるのが驚きです。
肝・心・胆の機能と関係あります。
ここにきて胆…六腑も出てくるのかーーって感じですね。
上記3つの臓腑は腎の原気を使います。そのため、パニックになっても腎の働きがしっかりしているとすぐに沈静化することができます。
ですが、腎の機能も失調しているとパニック症状が続き、動機・失禁・ひきつけなどの症状が怒ります。
結局「驚」という感情は腎の機能にも関係が深いということです。
五志と七情の違い
五志とは怒・喜・思・憂・恐の5つの情動・情緒のことです。
七情に含まれている情動のことなので七情を理解しておけば新しく覚えることはありません。
七情のまとめ
【七情と気機の流れ】
怒:気機を上昇させる
喜:気機を緩ませる
思:気機を鬱結させる
憂:気機をうっ滞させる
悲:気の消耗を起こす
恐:気機を下降させる
驚:気機の乱れおこす
【七情と臓】
肝:怒りすぎると傷つく
心:喜びすぎると傷つく
脾:思いすぎると傷つく
肺:悲しみ・憂いすぎると傷つく
腎:驚き・恐れすぎると傷つく
東洋医学ってなんかこじつけ感ある時ってありますよね。
今回の七情もいやー言われてみればそうかも知れないけど、それって何でも言えるんじゃないの?ってなった所もあると思います。
私自身も何度もそういった感情を頂いていたのでその気持ちはわかります。
でも西洋医学の知識ではどうすることもできなくなったときに東洋医学で治療してみて患者が軽快することもありましたので、これはそういうものと別の思考として捉えてみても良いかもしれないですよ。
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