一生独身のままでいいと思ってたのに
うわっ!ダっさいおっさんだわ。
これがパートナーの第一印象だった。
カナダ人パートナーとは地元福岡で出会った。半年間仕事を休み、日本国内を自転車旅行している最中だった。その頃の私は、バリバリ仕事こなす30代。彼氏なし。結婚に対する夢も希望も皆無で、肩肘張って生きていた。
生き急いでいたかもしれない。
初めて出会ったあの日、仕事帰りにカフェバーっぽいところでひとり夕食を楽しんでいた。店内は私とオーナーだけ。そこへ入店してきたのが彼だった。へんてこなネックレスに皮のベスト。三十路の頭でっかち独身女にとっては、あってはならない彼のファッションセンスにげんなりした。
その外国人は、ふたつ席を置いて右隣に座り、しばらくしてから片言の日本語で話しかけてきた。
『げげっ。英語なんてわかんないよ。』と内心思っている女相手に、カナダの地図を描きながらいろんな説明をしてくる。もちろん英語で。ただ、不思議と何を言っているのか理解できた。まるで中学校の英語の教科書みたいに、初心者でも聞き取れるように話をする人だった。
とはいえ、心のときめきはまったくなかったので私は先に帰ることにした。英語を聴くのにも疲れていたし。すると、彼も精算して店を出てきた。
店の前で二人並んで見上げると、夜空にまん丸いお月様がぽっかり浮かんでいた。
月がきれいですね
日本語ではっきりそういった。
あなた、誰?漱石?
その言葉が頭に残った。そして今に至る。
コッシーさんの企画に参加してます!
出会った瞬間のこと、よーく憶えているんです。
全然タイプじゃなかった(笑)
人生どうなるかわかりませんね。
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