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僕が『モンテディオ山形 U-23マーケティング部』の活動にこだわる理由

いよいよ、来週末(10月6日)にU-23プロデュースデーが行われます。U-23マーケティング部の目的や活動についてはこれまでもSNSやnoteで触れてきましたが、僕個人として、この活動に熱量を注いでいる理由はあまり発信していなかったので改めて言葉にしたいなと思いました。
なので、今日はちょっと番外編です。

残念ながら子どもの成長は親の影響によって左右される

僕は、14歳の時に父親がいなくなり、家を失いました。細かいことは書けませんが、そこから生活は一変し、母親一人こども3人の生きるために精一杯な生活がはじまりました。
母親への最大限の感謝と敬意を前提に伝えたいことがあります。それは、日本は格差がある社会だということです。親の生活水準(給与/時間)、教育知識、教養リテラシーによって、選択が制限されてしまう国です。
当時、母親はこどもたちを育てることに精一杯でした。それでも、生活が苦しいことは僕たちに言うことはなかったし、僕たちがやりたいことに対しても、応えてあげようと努力してくれていたと思います。ただ、それ以上に将来のことを考えて何かをしてあげる、導いてあげる余裕は母親にはありませんでした。生きることに必死なわけですから当然です。
類は友を呼ぶという言葉の通り、周りにいる友だちも必然的に似たような家庭の事情を抱えていました。
そんな僕が前を向けたきっかけは、学校の先生やアルバイト先の社員との出会いでした。そこには、自分の力で困難を乗り越え、道を切り拓いている大人の姿がありました。運が良いことに、尊敬できる大人との出会いによって僕はもう一度頑張る覚悟が持てました。

こどもたちに教えたい「生きる上での本質的な力」

僕の決めた覚悟は、環境や他人は関係なく自分の力で未来をつくるということです。他の人に比べると、基礎能力が不足しているため、20代は必死に努力をしました。特になりたい姿や目標があったわけではありませんが、目の前のやるべきこと、今の仕事に生活のすべてをかけて取り組みました。かなり遅咲きではあったと思いますが、30歳をこえ、まだまだとはいえ、社会で少しずつ結果を残せるようになってきました。
今、33歳になり、ようやくやりたいことが見つかりました。それは、教育です。教育と言っても、教科書を使って机上で学ぶ学力的なものではなく、ビジネスを通じて生きる上で重要なことを教えることです。
U-23マーケティング部は、2年間で約80名の学生が参加しました。いろいろな学生が参加しているため、一概に特徴を絞ることはできませんが、傾向として感じるのは、「本気になれることを見つけられていない学生が多い」ということです。
しかし、大切なのはそれを見つけることではなく、本気で取り組むことそのものです。この活動を通して、本気で取り組むことが楽しいと感じたり、誰かと一緒に困難を乗り越えることにやりがいを見出してほしいのです。
僕がそうだったように、本気で取り組む対象は何でも良くて、一度本気で取り組んだ経験があれば、たとえやることが変わっても同じように取り組むことができます。
これに気づかせてあげることが大人の役割だと思っています。

モンテディオ山形が取り組む理由

本気で取り組むという他に社会人として生きる上で必要なスキルに、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」があります。(経産省が提唱する人生100年時代の社会人基礎スキル)
スポーツにはこれらを養える要素が含まれており、それはピッチで働く選手に限らず、事業を支えるスタッフも同様です。
また、勝ち負け、数字がより重要視されるビジネスでもあります。勝つために、全員がやれることを全うすることがスポーツビジネスの醍醐味です。スポーツであたりまえとしているエッセンスを取り入れながら、活動に反映できることが、一般企業ではなくスポーツチームがやる意味だと思っています。
チーム目線で言えば、地域のシンボルでありたい存在が、地域の未来のために若い方と共に歩むことは必要不可欠です。やる意味としては十分だと思っています。

「勝ち」で有終の美を飾れるように

10ヶ月間、学生たちは本気で取り組んできました。残り30日からスタートした個人の想いを記すカウントダウンの投稿は、1月に入ってきた時には想像もできなかった成長を感じさせてくれます。
機会があれば、成長はするということです。
機会をつくるのは、こどもたちではなく、大人の役割です。
あとは、こどもたちを見守りつつ、一緒につくっていくことが必要です。
2期生の活動も来週で終わります。
彼ら彼女たちの目標は、昨年を大きく上回る観客動員数「10,000名」です。その目標を達成し、試合の勝利と共に笑顔で終えられるように、僕自身も全力でサポートしていきたいと思います。

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