カンブリア宮殿 トラスコ中山
テレ東BIZというテレビ東京の主要番組をオンデマンドで見ることの出来るサービスに加入しており、毎週カンブリア宮殿とガイアの夜明けは欠かさずに観ています。
カンブリア宮殿の今回の出演者はトラスコ中山の中山社長。父親が創業した中山機工に入社し、二代目として会社を大きく成長させた名経営者ですが、非常に真っ当な戦略を遂行されているという印象でした。
トラスコ中山の基礎情報は以下のとおりです。
ビジネスモデル
工場や屋外作業現場向け工具、消耗品、機器類などの卸売り会社。切削工具や工事用品が主な取扱い。
業績(23年12月期)
売上 2,681億円 / 営業利益 185億円 / 営業利益率 6.9%
企業価値 (24年3月18日時点)
株価 2,388円 / 時価総額 1,576億円 / 予想PER 10.7倍
Comps (競合)
山善
売上 5,273億円 / 営業利益 166億円 / 営業利益率3.1%
時価総額 1,278億円 / 予想PER 19.1倍
PERこそ山善より低いものの、営業利益率約7%は非常に高い水準。
番組内で強調されていた戦略は「持つ経営」。
とにかく顧客ニーズに答えるために、在庫を持つということに加え、
社内の託児所や食堂などのスタッフもすべて正社員雇用。
人も在庫も必要であれば持つことで力を発揮しているとのこと。
まさに経営理論に書かれている「持たざる経営」の逆張り。
こうした在庫をあえて「持つ戦略」を取っている企業はちょこちょこある気がしており、電動工具メーカーのマキタも同様の戦略で電動工具ユーザーや販売店のニーズを取り込み、成功している気がします。
ただし、持つ経営は顧客満足度は高く競争優位性もあるが、なかなか投資家の理解を得られず、株価が少し安く付く傾向にある印象です。
トラスコ中山に関しては、在庫を持つ代わりに、徹底的に倉庫への投資を行い、在庫管理/物流コスト効率化を行うことで、高利益率を達成しています。
また、オフィスグリコのようなMROストッカーというビジネスも立ち上げており、顧客内によく使う消耗品をあらかじめ置いておくことで即時使用してもらえるという販売形式ですが、これも今後伸びる気がしました。
番組ではトラスコ中山のPB商品もいくつか紹介されており、一番の売れ筋は運びやすいこちらの台車とのことでした。
そう言えば、最近買ったほうき・チリトリセットがトラスコ中山の商品と書かれていたものの、彼らがPB商品を発売していることを知らず、どこかの贋物だろうなと思って購入していたのはここだけの話です。
決算や番組を見ると、もう少し評価されてもいい企業である印象ですが、今後の株価推移が楽しみです。