お店に入ったら帽子を取るのが常識(だった)
お知らせ
林さんが書い
た新しい小説が上梓されました。ぜひお読みください。
飲食店に来て帽子をかぶったままの人は……
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
noteで一緒に「東京嫌い」という同人誌をやったYukiさんから、「最近のおしゃれ男子でハットをかぶっている人、飲食店に入っても被ったままの人がいてどうにも気になってしまいます。林さんのお店でそのような光景はありますか? あるいは、もしかすると私が知らないだけで、今は屋内でハットを被っていても常識外れではない、笑われない、世界的な潮流。ということになっているのでしょうか?」という質問が来ました。
妻が、レコファンの店長をしていた頃のこと、すごく感じのいいお洒落な女性のアルバイトが入ってきたそうなんです。その彼女がある日、帽子をかぶって出社してきて、その帽子をかぶったままお店に出ようとしたんですね。それで妻が、「お店に出るときは帽子はとろうか」と注意したところ、彼女は洗面所に入って出てこなくなりました。どうやら髪型を直していたみたいで、すごく時間がかかって出てきたそうです。
その次の日から、彼女は連絡もなく出社しなくなったそうで、妻が「あの帽子をかぶって、それにあわせた髪型っていうのもあって、それで彼女のファッションが完成だったんだよね。その帽子をとれって言われたら、また最初から髪型を直さなきゃいけなかったわけ」と言っていて。その時、妻はすごくジェネレーションギャップを感じたわけです。
妻が店長をやっていたのは1980年代の後半でして、その時期レコファンは、雑誌『オリーブ』大好きみたいな人たちがいっぱいいました。彼女たちみんな帽子をかぶっていて、それでその日のファッションが完成だったのでしょう。(→意味がよくわからない若い人は、「オリーブ 雑誌 80年代」で画像検索してください。みんな帽子かぶってます)
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