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広島からの提案—死体格差を解消するための新たな取り組み

こんにちは。本日は、私が日々感じている「死体格差」の問題と、その解消に向けた広島からの新たな提案についてお話ししたいと思います。また、私が医師として成長していく過程で、支えてくれた人々への感謝の気持ち、さらに今後の挑戦とそれに伴う使命感についても触れていきます。

私の生い立ちと医師としての道

私は広島で生まれ育ちました。広島は、医師としての私にとって非常に特別な場所です。広島は歴史的に医療と平和の象徴となっており、この地で医療を学ぶことは私にとって深い意味がありました。父は開業医として地域医療に尽力し、さらに警察医としても数多くの遺体の確認や死因究明に関わってきました。幼い頃から父の働く姿を見ていた私は、自然と医師という道を志すようになりました。父の仕事を目の当たりにしながら、医療が単なる技術的な側面にとどまらず、地域社会や個人の人生に深く関わるものだという認識を深めていきました。そして現在、私も父と同じく救急医や警察医として、日々地域医療に貢献しています。救急医として、緊急の事態に迅速に対応し、生命の危機に直面する患者さんたちに適切な治療を提供することが使命です。一方で、警察医としては死因究明に携わり、広島という地域での異常死や突然死に対して、正確な診断を行うことに力を注いでいます。

私が今日まで成長できたのは、研修医時代から多くの医療従事者や患者さんに支えられてきたおかげです。病院のスタッフや指導医からは多くの技術と知識を学びましたが、何よりも患者さんたちからの教えは大きなものでした。彼らの病状や生き方、家族との関わりから、人間の尊厳や医療の根本的な意義を学びました。これらの経験を踏まえ、今後も医師としての成長を続け、さらに地域医療に貢献していくことが私の使命です。

死体格差とは何か?

本日の主題である「死体格差」について説明します。死体格差とは、地域ごとに異常死に対する解剖率や死因究明の進行度に大きな差が生じている現象を指します。特に、都市部と地方の間でこの格差が顕著です。
例えば、東京では異常死の解剖率が20%を超えています。これは、監察医制度が整備されており、法医学者が豊富に存在し、迅速かつ正確な対応ができる体制が整っているためです。法医学者の専門知識と技術を駆使し、死因を正確に突き止めることが可能です。
一方、私の故郷である広島では、異常死の解剖率がわずか1.2%にとどまっています。さらに、コロナ禍によってその解剖率はさらに低下しました。広島には法医学者が不足しており、また解剖施設も限られているため、異常死の死因を正確に究明することが困難な状況です。この結果、死因が不明のままとなるケースが増えており、遺族に対する適切なケアや社会全体の健康管理に大きな課題を抱えています。

死因を正確に特定することができないと、犯罪の可能性や医療過誤の発見が遅れ、社会全体に大きなリスクをもたらすことになります。また、死因が不明であることは遺族にとって大きな不安となり、心のケアが不十分になることも多いです。この死体格差を解消することが、地域社会における安全と安心を守るためにも重要であり、私はこの課題に真剣に取り組んでいます。

広島からの解決策:死因究明センターの設立

この「死体格差」を解消するために、私は広島に「死因究明センター」を設立することを提案します。このセンターでは、CTスキャンやMRI、AI技術を活用し、非侵襲的な手法で迅速に死因を特定できる体制を整えることを目標です。解剖が困難な場合や、遺族が解剖を望まない場合でも、これらの技術を用いることで、死因究明の精度を大幅に向上させることができます。

CTスキャンやMRIは、身体内部の詳細な画像を生成し、死因を特定するために非常に有効です。特に、内部臓器の損傷や異常を確認するには、これらの技術が欠かせません。死因究明センターが広島に設立されれば、地元で迅速かつ正確な死因究明が可能となり、東京など大都市との解剖率の格差を縮小できると考えています。

また、AI技術の導入は、死因究明のさらなる精度向上に寄与します。AIは大量の医療データを分析し、微細な異常や病変を迅速に検出できるため、医師が見逃しやすい部分もカバーできます。これにより、死因究明の効率が飛躍的に高まり、医療従事者の負担も軽減されることが期待されます。
しかし、このようなセンターを作成し、運営するためには、様々なステークホルダーとの調整や連携が必要です。地域医療機関や法医学者、行政機関、さらには遺族の声を反映し、すべての関係者が協力することで初めて実現可能なプロジェクトです。私は、このプロジェクトには経営の能力やプロデュースの力が必要だと考えています。

合同会社MONSHINの設立と動きながら学ぶ

私は救急医としての経験から、動きながら学び、状況に応じて柔軟に修正することが重要であると実感しています。そのため、死因究明センターの設立に向けて、実践的な経営能力を養う必要があると考え、合同会社MONSHINを設立しました。この会社を通じて、私は健康経営の分野において企業と関わりながら、経営の視点を学び始めています。まず、企業の健康経営に貢献することを目指し、起業家たちの健康面をサポートする取り組みを開始しました。私が産業医としての資格を活かし、企業の健康管理や働く人々の健康維持に対するコンサルティングを行うことで、経営の実務を学ぶとともに、より広範な視点で社会貢献ができるようになることを目指しています。

MONSHINの設立は、私にとって経営を学ぶための新しいチャレンジであり、健康経営を通じて地域社会や企業の持続可能な成長にも寄与していきたいと考えています。医療と経営を結びつけ、広島から新しい医療の形を創り出すために、私自身が成長していくことを強く望んでいます。

また、私は医療の問題が医療者だけで解決しようとするからこそ、なかなか解決しにくいのではないかと感じています。医療における問題解決には、医療従事者だけでなく、企業や行政、さらには市民も含めた多様な視点が必要です。そのため、合同会社MONSHINを通じて多くの人々と協力し、広い視野で医療の改善を目指しています。

未来は予防医療に貢献する

さらに、死因究明センターでは、遺伝子情報を活用することも重要な役割を果たします。遺伝子情報の解析により、亡くなった方がどのような遺伝的リスクを抱えていたのかを特定することができます。これにより、遺族が同じ遺伝的リスクを持つかどうかを判断し、適切な予防策を講じることができるのです。

遺伝子情報の活用は、未来の「オーダーメイド医療」への道を開きます。すべての人が異なる体質や遺伝的背景を持つ中で、個別に最適化された医療や治療法を提供することが可能となり、健康維持や疾病予防の効果が向上します。死因究明だけでなく、遺伝子情報を通じた健康管理を提供することは、次世代にとっても有益であり、地域医療の新しい形となります。

医療を通じた平和への貢献

広島という地で育った私にとって、医療を通じた平和への貢献は非常に大きなテーマです。広島は、戦争とその後の復興を経験し、平和の象徴として世界に認識されています。その中で、医療は人々の命を守り、社会を支える基盤として重要な役割を果たしてきました。私たちが取り組む死因究明も、また社会全体の平和を築くための一環だと信じています。

死因究明は、単に亡くなった方の死因を特定するだけではなく、遺族や地域社会に安心を提供するものです。死因が明確にされることで、遺族は安心し、社会全体のリスク管理も向上します。正しい医療と適切なケアを通じて、平等で公正な社会を築くために貢献することが、医療従事者としての私たちの使命です。

多死社会における私たちの役割と挑戦

現代社会は、かつてないほどの「多死社会」に直面しています。高齢化が進む中で、年間に亡くなる方の数は急増し、それに伴う医療や死因究明の需要も高まっています。私たちはこの現実を受け止め、いかにして適切な医療を提供し、社会に貢献していくかを常に考えています。

多死社会において、私たちが果たすべき役割は、正確な死因究明を通じて社会全体の健康リスクを管理することです。これは、未来の医療にもつながる重要な取り組みです。私はまだ微力ですが、この課題に挑戦し、少しずつでも現状を改善していきたいと考えています。また、社会との現状を自分の言葉で伝え、少しでも貢献できるよう努めています。AI情報センターや日本医師会との連携を強化し、既存の取り組みを尊重しながら、さらなる進展を目指しています。


支えてくれた家族、育ててくれた病院、そして患者さんへの感謝

最後に、私がここまで成長できたのは、私を支えてくれた多くの方々の存在があったからです。父は高齢ながらも現役で働き続け、地域医療に貢献しています。その姿を見て、私は学び、成長してきました。共に働く医療従事者の皆さんにも深く感謝しています。彼らと共に現場で経験を積むことで、私は医師として多くの知識と技術を身につけてきました。また、研修医時代から育ててくれた病院や、私に多くの経験を与えてくれた患者さんたちにも感謝しています。患者さんの声やその家族との対話から、私は多くのことを学び、今の自分があります。この恩に報いるためにも、地域医療に貢献し続け、さらに成長していきたいと考えています。

まとめ

今日は、広島での私の生い立ちと「死体格差」の問題、そしてその解消に向けた「死因究明センター」の設立提案についてお話ししました。広島の異常死の解剖率は1.2%と非常に低く、東京との格差が大きい現状です。この格差を解消するために、CTやMRI、AI、遺伝子情報を活用し、新しい医療の形を広島から提案していきたいと考えています。これまで支えてくれた父や医療従事者、研修医時代の病院、そして患者さんたちへの感謝を胸に、私はさらに学びを深め、地域医療の未来を切り開いていきます。ご拝読ありがとうございました。

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