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性別違和とあたくし、の話。 その4


まいどどうも。

沈黙のMTFさん、もん。 です。

沈黙、って言ったって別に後ろ髪縛って空手とかやるわけではないので念のため。。。

そっちの「沈黙」じゃありません(スティーブン・セガール好きだけど)




閑話休題。

今日は今までの「性別違和とあたくし、の話。」シリーズ第4話目。
自分を多重人格や同性愛者だと思いこんでいた私が、ようやく「トランスセクシュアル」という生き方を知るに至ったお話です。


これまでの経緯は

「性別違和とあたくし、の話。 その1」

「性別違和とあたくし、の話。 その2」

「性別違和とあたくし、の話。 その3」

に書いてあるので気になる方は合わせてお読みいただけると嬉しい。



今回も相変わらず重い話とか、もしかしたら下世話な話も出てくるかも知んないけど。

それが私なので。。。


てかこういう話私夫にも恋人にもしたことないんだけどね。

なんで書いてるんだろうね。笑




。。。ということで、こっから続きね。



前回書いたように。
ラジオの番組で男性を好きになる男性というのがこの世に存在する。。。ということを知って天地がひっくり返るような衝撃を受けた私。

同性愛とはなんぞや?

を知るために、その時番組で話に出ていた「二丁目」というところに行ってみることにした。


新宿二丁目。

そこに行けば何かわかるかも知れない。

そんなざっくりとした気持ちで、ぼんやりと地下鉄に揺られて足を運んだ。

生まれてはじめて降り立った現実の「二丁目」。
成人前の私にはその独特の雰囲気が怖くって。
その時は一周もせずに、そそくさと逃げるようにして帰ってきてしまった。

これは別に二丁目界隈がアブナイとか怖い場所だ、っていうことではなくて。

元々その頃引きこもりだったからね。私が。
だから人が大勢いるとこが怖かっただけ。
あと、知らない土地だったから余計に。


それでも週末ごとに何回か足を運んだ。

とにかく自分が生きる答えを探したくて仕方なかったから。




そんなことしてるうちに

たまたま家の方角が同じ大学生の男の子と仲良くなり、話をするようになった。


。。。あ。

断っておくけど、付き合ったとかはないからね。笑

当時の私にそんな精神的な余裕、ないし。笑
とにかく自分がなんなのかを明らかにすることでいっぱいいっぱい。




で、とある週末のこと。

その子と歩きながら話をしている時にふと彼が


「君はさぁ。。。僕らとは違うよね。どっちかっていうと、こっちなんじゃないかな?」


と言って一冊の雑誌を取り出した。


派手な装丁のその雑誌は、視界の片隅に入るだけでソッチ系の本だとわかるような露出の多い「女性」が表紙。

初めはこの子が何を言ってるのかわからなかった。

正直、困惑した。

困惑と言うか怒りすら感じたかもしれない。

エロ本みたいな本を出してきてさ。

何言ってんの?この人? ぐらいに。




かといって彼の行動を否定するわけにもいかないし。

何より「こっちなんじゃない?」の「こっち」ってなんなんだ?

。。。気になるじゃないか。



頭の中ははてなだらけのまま

仕方なし言われるがままに手に取り、開いてみる。




いやいやいやいやいや。

ちょっとまってよ。


なにこれ?


どゆいみ?

てか何この人達?


え?

オトコなの?

オンナなの?


。。。正直、言葉が出ないくらいの衝撃だった。




てか

私、自分が同性愛者だと思おうとしてたけど。。。それとは違うのこれ?



じゃあ。。。これはなんなの?




。。。ページをめくればめくるほど混乱の嵐。

おかげでますますわけがわからなくなった。




彼はその本を私に読ませるためにわざわざ買ってくれたらしい(高いのに)。

今更「いらんわ!」とつっ返すわけにもいかない。
なんか未知の衝撃と罪悪感でいっぱいになりながら言われるがままにカバンにしまい、私達はそれぞれの終電で帰路についた。




その雑誌は、主にニューハーフさんを被写体にした「エロ本」の類だったんだけど。

あのとき私のココロに爆弾を落としたのはニューハーフさんのグラビアじゃなく、白黒ページに小さな文字で詰め込まれていた、所謂「当事者向け」の情報やエッセイ、コラムなどだった。

今にして思えば異色なこの構成。
エロ本ならエロ本で、潔くそういう人たちに性的な興味をいだく層にだけ向けた雑誌を創ればいいわけで。
そもそもそんな当事者向けの情報なんて載せても無駄なんじゃないかと思うけど。
きっと当時は今のようにネットとかがなかったから、そういうところから情報を集めたりして細々と生きてた人たちもいたんじゃないかと思う。

事実私もそうやって「性別を変えて生きる」という生き方に初めて触れたわけだしね。



それにしても、だ。
「多重人格」や「同性愛」で落とし所をつけようとしてもまったくうまく行かなかった自分への疑問が、まさかこんな一冊の「エロ本」風情にこじあけられてしまうなんて。。。

そりゃ天地もひっくり返る衝撃うけるっての。

逆に言えば、エロ本との出会いで人生180度変わったヒトが私。笑

めちゃくちゃ笑える。




いずれにしても、その時あの雑誌を私のために買ってくれた彼には感謝してる。

あれがなきゃ、もしかしたら今の私はないかもしれないのだから。

そう考えると人生は絶妙なタイミングで、思いも寄らない形で導かれるものだ。

感謝なことですね。ほんとに。





あ。

なんかここらでまとまってきたし長くなってきたから一回切るね。


次回はいよいよラスト。
性別を変えて生きるという必殺技を知った私が女として生きる決意をする話。


今回も長い話を読んでいただきありがとう。

イヤじゃなければ、今後とも気が向いた時にでも読んでいただけたら嬉しい。

ありがとう。

またね。



つづく





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