性別違和とあたくし、の話。 その5
まいど。
もん。です
さてさて
今まで怒涛のように一方的に綴ってきた「性別違和とあたくし、の話。」もそろそろシーズンファイナル。
今回で最終話でございます。
いつもお読みいただきありがとうございます。
今日はじめてこの記事を目にされた方
あるいはそれまでの経過を知りたいな。。。という方
気が向きましたらば
「性別違和とあたくし、の話。 その1 」
「性別違和とあたくし、の話。 その2 」
「性別違和とあたくし、の話。 その3 」
「性別違和とあたくし、の話。 その4 」
など過去の記事も合わせてご覧いただければ幸せに存じまする。
ということで、以下前回の続きね。
私がその新宿二丁目で知り合った男の子。
その彼がくれた一冊の雑誌で、私は産まれて初めて「性別を変えて生きる」っていう世界を知った。
今までよくわからないまま自分を責め始めていた私には、ともかく全てが衝撃でしかなかった。
私と似たようなこと思ってる人もいるんだ?
てゆうか、肉体を女性にすることもできる?
生まれた時男だったけど、女として生きていくっていう選択がある?
。。。悔しいかな
そんなこと今まで全く思いつきもしないまま生きてきた。
そして
やっとなんだか自分が生きていける感じがした。
それまで死にたいと思ったこともなかったけど
どうやって生きていったらいいのかもさっぱりわからないままだったから。
結局、私はその本で目にした記事をもとに、「当事者」のための会のようなものにコンタクトを取ることにした。
いわゆる「性同一性障害」の人たちの自助グループ。
そのグループとの出会いのおかげで、私は初めて世の中には「性同一性障害」というものがあって、案外大勢同じようなことを抱えている人がいるんだ。。。ということを知ることができた。
私がちょうど成人を迎えるか迎えないかの頃のこと。
こうして
長かった私の一人迷路はようやく出口が見えるにまで至った。
一方で
それと時をほぼ同時期に現れた、もう一つの大きなきっかけ。
それがあの新聞記事。
埼玉医科大学付属病院での、国内初の「性転換手術」の見出し。
なんていうかもう。
クリスマスと正月が一気にやってきたような衝撃。
思わずバイト終わりにその新聞を持ち帰って、食い入るように読んだ。
程なくしてそのニュースを受け、他誌やTVなんかでも「性同一性障害」の特集を組んだり流すようになった。
私が一人抱えてた悩みの元はこういうことだったのか。
。。。そうか。
私は女として生きたかったのか。
てゆうか、生きていいのか。
その頃にはボブぐらいまでに伸びていた私の髪の毛。
いつしか再び中性的なファッションに身を包み
眉を整えたり脱毛に通ったり
気づかれない程度にファンデーションぐらいは塗ったりして
私は少しづつ「移行」を始めることにした。
同時に、これが「疾患」である以上。。。というか将来的に「手術」を受ける気持ちがあるのなら、まずはそのためのプロセスを踏もう。
そう思い、ジェンダークリニックと呼ばれる専門医にも通い始めた。
以後4年ちょっと(途中で心のバランス崩して入院したりしたので長引いたけど)そのジェンダークリニックに通いながら。
並行して女性ホルモンの注射や飲み薬などを投与しながら。
仕事も転職したり、親に縁を切られたり笑
いろいろなことを経て、いつのまにか私は暮らしも姿もすっかり「女性」になっていた。
こうしてやっと、私は長かった迷路から抜け出した。
もう取り繕うことも言い訳することもない。
初めて自分のことを自分だと思えるようになった。
。。。もっとも
資金的な問題で「手術」をうけるのはその少し後になってしまうのだけど。
ひとまず、こうしてやっと私の人生は動き出した。
もちろんこれは私の例でしかない。
性別違和には色んな人がいる。
100人いれば100通り。
だからこれが正解。。。なんていうのはないんじゃないかと思ってる。
そして
別に私はこの話の中で多重人格や同性愛を否定する気持ちはない。
あくまで私が自分とは何なのか。。。を探っていく過程で、もしかしたら自分はそうなんじゃないか。。。と思いあぐねていたと言うだけの話であって、ディスる気も否定する気もないので念のため。
まぁそんなこんなで私ももう40代。
なんでこんな話を今更書こうと思ったのか。。。正直自分でも今不思議。
もしかしたら
やっと自分が生かされていることに感謝できる年齢になったからなのかもしれない。
人間は決して一人で生きてるわけじゃない。
その時その時出会う多くの人や出来事に教えられ、助けられて生きている。
だから
今まで出会ったすべての人に すべての出来事に
ありがとう。を言いたい。
心から。
たぶんそれが言いたかったから、今更こんな暴露話を書いたのかも知れないね。
ここまでお読みいただいた方にも。
本当にありがとうございました。
長い話だったけど読んでくださってありがとう。
またね。