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地方の中小部品メーカーにとってコロナはチャンス?!(1)


地方の中小部品メーカーの、特に販路開拓について、「コロナはチャンスでは」ということを強く感じています。

地方の中小部品メーカーと言ってもいろいろです。

ここで対象とするのは、いわゆる“下請け”と呼ばれている企業。提供された図面に基づいて製作したり、自社で図面化するにしても依頼元からの指示を受け製作を行っている企業です。金属加工、プラスチック加工、金型製作、電子部品製作などの加工技術を活かし、自動車、電機、電子、医療向けなどの部品を生産している企業です。企画・開発機能はあまり無く、生産に特化し、BtoBビジネスを生業としている中小企業になります。

中小製造業が生き残っていくために、「自ら企画・開発を行い下請けから脱却しよう」とか、「DtoC (Direct to Consumer。製造者が消費者に直接サービスを販売するビジネスモデル)を目指そう」といった考え方があります。勿論有りなのですが、相当な企業変革が必要です。地方の中小部品メーカーが思い立って早々出来るものではありません。今回はここまで重いものでなく、もう少し軽めな変革についてです。

中小部品メーカー経営者からは「ものをつくるのは得意なんだけれど、ビジネスとして売出すことをやったことがない」「営業は苦手」という声をよく聞きます。今回はそんな企業も含めて「コロナはチャンスでは」と思ってます。


コロナ禍で起こったこと


オンライン、テレワーク、在宅勤務・・・・・・ 1年前まであまり耳にすることがなかった言葉が、今では日常使われています。製造業に限らずあらゆる業種・業態で業務フローや働き方の変革が試みられ、進んでいます。「5年~10年掛かって進むであろうと言われていたことが、半年~1年で起こった」とはよく言われることです。

これらの実状について地方の中小部品メーカー経営者に尋ねてみると、「我々の業種ではオンラインは向かない」「顔を合わせながらでないと商売できない業界」「そんなのは大企業の話 地方の中小で変革などそう簡単にできる訳がない」と言われる方が多くおります。

オンライン申請、オンライン授業、オンライン飲み会、マイナポイント、金融機関のWebサービス促進・・・・ 私たちの暮らしぶりは確実に変ってきています。世の中で地方の中小製造業だけ例外ということは無いことは容易にわかります。

「取引先からオンライン打合せを求められたことが無い」とも言われます。事実なのでしょうが、オンラインをやろうとしない相手としかお付き合いしていないのではと想像されます。

雇用助成金や銀行融資で繋ぎつつ、管理部門の業務効率化や業務フローの見直しに着手し、成果を上げるようになってきた中小企業は多々あります。
立派な成果ですが、従来業務の効率化に留まっていて、事業活動そのものの変革にまで踏み込んでいる中小はまだ一部のようです。

頭では「変化しなければならない」と判っていても、何をどうすれば良いか具体的に見い出せないまま、日々追われている経営者は多いと思います。

そんな中、中小製造業の営業のやり方、特に販路開拓法についてコロナでチャンスが巡ってきているという話です。中でも地方の部品メーカーは特に伸びしろがあると思ってます。


デジタルが地方の部品メーカーを救う!!

BtoC分野では販売面でデジタル活用が進んでいる中小企業は少なくありません。ECサイト運営、SNS連携など増々盛んです。(苦戦も多いようですが)

一方、BtoB企業の営業については「営業は根性」「売上は脚で稼ぐ」「最後に数字さえ出せばOK」というイメージをお持ちの方もまだいらっしゃいます。以前はこのような側面もあり、それなりに結果を出してきたのも事実でしょう。チームワークでの活動より、一部の特定なセールスパーソンの属人化されたスキルに売上の多くを頼っているということもありがちです。


先ずはオンライン面談から

30年前、遠隔のコミュニケーション手段としては電話、FAXしかなかった時代がありました。その後、ポケベル、PC、携帯、スマホ、タブレットが登場。ツールもメールだけでなく、オンライン面談システム、チャットなどが出てきました。Zoomという言葉は今では日常で使われるようになりました。

廃れていったものがある一方、伸びるもの、新たに出現するツールなど、いつの時代も変化していますが、コロナを機に変化のスピードが変わりました。

今やデジタル活用しないと生き残れない。ということは時代の流れを振り返るとわかることです。

中小部品メーカーの取り扱い部品は、自動車、電機、電子、医療向けなどで、完成品のほとんどはグローバルで使われている製品です。これらの生産もグローバル各地で行われています。

ただ部品メーカーとしての事業活動は、サプライチェーンの末端になるほど(1次、2次より先の3次、4次・・・・)、地域地域で行なわれてきた面があります。これは企業間のコミュニケーションの取り易さと物流面の要因が大きいでしょう。”企業城下町”という名称も以前はよく耳にしました。
結果的に地方の部品メーカーは地元での事業が中心に成りがちでした。最終完成品はグローバル製品にも関わらずです。

これに対しオンラインの出現で、コミュニケーション面では確実に距離を縮められるようになりました。今まで地方で活動してきた中小部品メーカーでも、全国、更にはグローバル展開しやすくなってきたということです。(グローバル相手では時差が、また物流面は今後も距離の問題がついて回りますが。)

扱う部品のほとんどがグローバルで採用されるレベルに有るにも関わらず、事業活動は地元がメイン。

これを今後オンラインを活用して、活動を全国、更にはグローバルに広げることができたら。

ということを考え、行動に移してきている部品メーカーは、すでに全国に沢山あります。

でも割合にすると現時点まだ少数派です。これが。(2021年2月時点)

こういう状況では、やった者勝ち 早い者勝ちになります。

ただ時間の問題あります。これまで特定な地域で活動していた中小部品メーカーが、今後オンラインを活用してよその地域にどんどん進出するようになるでしょう。

そうするとどうなるか。やらない者負け 遅い者負けになります。

オンラインツールは何年も前からありましたが、使う方、使う企業はごく一部でした。特に中小部品メーカーでは。

ところがコロナがやってきました。

オンラインに対し人々の心理的障壁が下がり、ツールが普及し、日常の道具となりつつあります。

オンラインのデメリットとしては、人物の振る舞いやニュアンスが対面より伝わりにくいことです。また、製造業では現物やサンプルを見たり触れたりすることは大切ですが、オンラインでは叶いません。更にはオンラインでは、わざわざ来訪したという姿勢を示すことも、面談後”ちょっと一杯”にも限界があります。

それらが出来ないからダメというのでなく、目的によって向き不向きがあるということです。

オンラインと対面の良い処取りしたハイブリッド営業がこれからの主流となるでしょう。

オンラインで対応できるところは徹底的に活用。これにより世界各地と容易に繋がることができ、移動時間削減、面談日時・場所・参加者などの調整の軽減を図ることができます。浮いた時間は、対面でなければ叶えられないことに向けることで、対面対応の密度をより高めることができます。
双方のメリット・デメリットを理解した上で、限られた時間・人員で顧客接点活動効果の最大化を目指すということです。

ただ最大化と言っても正解は無く、ハイブリッド営業も方法を決めた時点から古くなるので、走りながら変わっていくしかないのですが、少なくとも経営者が要らぬブレーキを掛けないことが肝要です。

ここまで読んでいただきまして、ありがとうございます。
地方の中小部品メーカーにとってコロナはチャンス?!(2)に続きます。)

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