幽霊プロジェクトと向き合う
2012年から2015年までの4年間、宮城県多賀城市にて「多賀城をあそぶプロジェクト」というプロジェクトに取り組んでいた。多賀城をあそぶプロジェクトは、多賀城のいろいろな資源をいかしてまちをちょっとおもしろくするという何とも抽象的な目的を掲げ活動していた。
この度、多賀城をあそぶプロジェクトとは一体何だったのかを改めて検証する「地域をちょっと動かすプロジェクトの はじめかた つづけかた たたみかた」(多賀城をあそぶプロジェクト・編)を発行した。
プロジェクトが終了してから早4年。メンバーにとっては一区切りがついたプロジェクトでしたが、ここ数年ローカルプロジェクトが増える中、もやもやすることもあって当時のメンバーに声をかけて話し合いの場を設けた。
「地方創生」という言葉をあちこちから耳にするようになり、地域を盛り上げたいと思いを持って立ち上がる地域のプロジェクトが増えている。特に東日本大震災以降、東北では地域に貢献したいという若い世代もたくさん出てきている。
一方で、数ヶ月活動しただけでいつの間にかなくなっているプロジェクト(通称:幽霊プロジェクト)も散見されます。正直、私自身も思い当たることがいくつもある。プロジェクトがさまざまな事情で終了してしまうこと自体は仕方ないと思う。(早々と目的を達成した場合もある。)ただそのプロジェクトがなぜうまくいかなかったのか、原因は何なのかをきちんと検証しないままだとまた同じ過ちを繰り返してしまうかもしれない。同じようなプロジェクトが立ち上がり、同じようなところをぐるぐる回っているようなケースもある。
そういう意味でプロジェクトを客観視し、何が問題だったのか、失敗から学ぶことが次のステップへのエネルギーになる。確かにプロジェクトの失敗と向き合うことは、とても苦しいこと。しかし、それを乗り越えてこそ次に立ち上げるプロジェクトはより良いものになるはず。今、ローカルプロジェクトに求められるのは「ふりかえる力」かもしれない。
本書は自戒の念を込めた一冊だ。多賀城をあそぶプロジェクトを終えてから約4年、あの取り組みは一体何だったのか、今一度ふりかえってみた。この冊子が、これからプロジェクトを立ち上げる人、進行中のプロジェクトの渦中にいる人、幽霊プロジェクトを抱えている人にとって少しでも役立ててくれるとうれしい。
冊子はイベント等で販売するほか、オンラインでも取り扱っている。気になる方はぜひ購入をおすすめする。https://monoushowten.thebase.in/items/25962022
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地域をちょっと動かすプロジェクトの はじめかた つづけかた たたみかた
多賀城をあそぶプロジェクト・編
【目次】
はじめに
プロジェクトメンバー
はじめかた
プロジェクトをカタチにする
プロジェクトを宣言する
地域のおもしろい人とつながる・カタコトーク
自分の視点で地域に発信しよう・フリーペーター
地域のちょっと気になる場所を体験しよう・ミチクサトラベラー
つづけかた
遠くの旗印と決めすぎない計画
カンタンな会計管理
マメな情報発信
カタコトークのつづけかた
フリーペーターのつづけかた
ミチクサトラベラーのつづけかた
番外編
まぼろし〜のプロジェクト「喫茶妄想」
出張プロジェクト「OMOTENASHI」
たたみかた
おわりの気配を感じ取る
タダでは終わらない
おわりに
プロジェクトのあゆみ
B5サイズ/40ページ
発行日:2019年12月8日
発行:多賀城をあそぶプロジェクト
編集・執筆:桃生和成・中津涼子・松村翔子
デザイン:松村翔子
イラスト:LEE SCLAPPP!
協力:石井大一朗・葛西淳子
価格:700円(税込み)
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