思考停止の買い物
利府町役場内に期間限定で設置しているインフォメーションセンター「チルタナ」の壁面には、平板を組み合わせたオリジナルの木枠がランダムに配置されている。木枠の上には本、雑貨、ポストカードなどを並べて、ある種のインテリアとして活用している。
なんてことない木枠だが、物販をしていると時々、お客さんから「購入できますか?」と聞かれることがある。平板を等間隔に切って、端を釘で打っただけのシンプルデザインなので誰でも簡単に作ろうと思えば作れる。それをわざわざ購入できるかという質問に少し驚きつつも、以前の自分だったら同じ質問をしてしまったかもしれないとふと思った。お金を出せばほとんどのものが手に入る時代だ。
すまいの活動を始めてから、自分で木箱や本棚をつくるようになると、身のまわりのもので必要なものが出るとまず第一に「これ、自分でつくれるかな?」という思考が働く。とにかく自分の持ち合わせているスキルと経験でなんとかしようとする癖がついてしまった。木枠も材料と道具を準備して15分もあれば簡単につくることができる。買ってくれる人がいるからこそそこに需要と供給が生まれるわけだが、身の回りのちょっとしたものぐらいは自分で作れるようになっておくことや作れなくても作ろうとする思考、姿勢も何だか大事なような気がする。
今度、同じような質問をされたらこう返してみたい。
これ、つくってみませんか?