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スクール事業 レール敷きすぎ問題

今年度はさまざまなスクール事業に関わっている。商業施設を活用したイベント等の企画するBRANCH SCHOOOOL!、角田市のチャレンジャーを応援するかく大學、利府町の地域女性リーダーを育成するしなやかカフェ、宮城県と富谷市が共同で主催する地域力向上講座など毎週末スクール事業で予定が埋まっている。上記のスクールは、企画から考えるものからゲスト・講師を務めるものまで幅は広い。同様のプログラムは全国各地で開催されており、宮城県内でも似たようなスクール事業を見かける。「地域活性化」や「まちづくり」をキーワードとした特に若手対象の人材育成スクールは、とどまるところを知らない。

そんな中でプログラムに参加している受講生の姿勢や言動を見ていると違和感を感じることがある。本気度が伝わってこない。深く考えていない。これは受講生だけではなく企画側や講師陣の姿勢、企画の立て付け自体にも問題がありそうだ。複数回に渡るプログラムは受講前から予めゴールが設定されており、プログラムの内容もだいたい決まっている。受講すれば講師陣が手取り足取り優しくレクチャーやアドバイスをしてくれる。スクールの主な目的は人材育成だが、企画側でレールを敷きすぎると安心感がある一方、おもしろい人材がなかなか出てこない。ゴールや内容が決まっているので当たり前といえば当たり前だ。そもそもおもしろい人材は行動力もあるのでスクール事業などには参加せずに自分で勝手におもしろそうなことをやって成功体験を積み、いつのまにか力がついている。スクール事業に参加する理由は、不純な動機を含めて地域活性化やまちづくりに興味があるからだが、ほとんどがファッション化(まちづくりに関わっている自分っておしゃれー。)している状態だ。本気なようで本気ではない。力がつかないのは当然だ。参加者と企画者の共犯関係によるいわばまちづくり劇は、同業の関係者だけが集まりお互いを称賛しあって地獄絵図となる。

自身も冒頭に挙げたようにスクール事業に関わっている身として大いに反省している。できるだけ受講生を野放しにておおいに脱線してもらおうと心がけているが依頼されての企画も多く求められている成果もあるため、自分でも気づかないうちについつい口を出してレールの上からはずれないよう誘導してしまっている場面もある。結果、ありきたりな成果物で子ども食堂のようになんとなく社会に良さそうでそれっぽいところに落ち着いてしまうか、小学生でもできそうな取り組みになってしまう。

自戒の念を込めてスクール最後には「2度とこのようなスクールは受けないように。スクール渡り鳥(似通ったスクールにばかりに参加して満足する)にならいように。」と受講生に釘を指している。スクールに参加している時間とお金があるんだったら不格好でもいいので自分で最初の一歩を踏み出そう。


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