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「混ぜてください」の前に
「いつもおもしろそうなことやってますね。混ぜてください。」と声をかけていただくことがある。こちらがやっていることをおもしろそうと受け止めてくれるのはうれしい。自分が勝手におもしろいと思っているだけで、他人がどう感じるているかはよくわからないのでそういった反応があること自体もおもしろい。
問題はその次にもれなく付いてくる「混ぜてくだい」の一言。本人に悪気はないし、自然と口から出てきた言葉だと思うが、正直返答に困る。自分ではあまり使わない言葉なので、その真意もよくわからない。
少し考えてみるとどうやら「混ぜてください。」にも大別すると二つのパターンがあるようだ。一つは本人がすでになにやらおもしろうなことをやっていて、自身のやっていることとこちらのやっていることで新たにできそうなことがあったり、お互いに楽しめそうな可能性があるパターン。本人にも魅力があり、惹かれるところがある。こちらはそんなに問題はない。
一方、本人が何がしたいのかよくわかないけど何だかおもしそううだからお手伝いでもなんでもするので企画側、運営側に入れてください、というパターン。年下の方から言われることが多い。この場合は、返答に困る。困るがとりあえず本人に伝えるのは「まずは自分でおもしろいと思ったことをやってみては?」ということ。
前述のレール敷き過ぎ問題にも関連するが、すでにあるおもしろい(おもしろそうな)ことに乗っかても本人の「おもしろい」は更新されない。それはそうだ。すでに表出しているおもしろいを企画側、運営側にまわってもただすでに敷かれたレールをなぞっているだけで、おもしろいことをやっていることにはならない。「おもしろいことやってます」風なだけで完全に感覚が麻痺している。
まずは自分で不格好でもいいから、他人にどう思われてもいいから、自分の「おもしろい」を外に出してみる。イラストでもテキストでも映像でも写真でもなんでもいいので「おもしろい」を見せて欲しい。話はそこからだ。