成長し続ける営業組織で追うミッション「大企業の間接資材購買のデファクトスタンダードになること」
※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。
コーポレート営業第1グループのグループ長として活躍する平佐さんに、入社の経緯や仕事内容、ミッション、今後の成長戦略/課題などについてお話を伺いました。
ー今までのキャリアや経験(前職での経験)について教えてください。
前職では電子デバイスの専門商社でファクトリーオートメーション製造メーカーを主とした法人営業をしていました。
朝から夕方までできるだけ多くの方(月100名)とコンタクトを取り、関係性構築、情報収集に努めていました。
設計エンジニアに新製品の設計情報をヒアリングし、適した電子デバイスとスペックインを提案し、購買/調達部の方と価格や納期などを調整していくことが主な流れで、量産化され、注文が入り始めた時に喜びや達成感が感じられる仕事でした。
しかし、40歳を超えたあたりで、本当にこのままで良いのかと考えるようになり、
「働き方、自身のキャリアをもっと高めたい」と思うようになってきました。
営業としてのスキルや経験は自分の強みとして習得できたと思ったので、それを生かしつつ、今後さらに自分が何を習得したいのかを考えました。
・ビジネススケールが大きい企業で、業界全体を俯瞰した仕事ができるようになりたい
・コンテンツや商品をこれから販売強化をして売上を拡大していこうとする組織の中で、組織づくりのノウハウやシステム構築、仕組みづくりなどの経験を積みたい
このように自分に向き合って、どういった仕事がしたいのかを深く考えた結果、
「ビジネススケールが大きく、かつ営業部門をこれから構築していく企業」
と基準を決めて職探しをはじめることにしました。
【転職理由/GAP】
ーモノタロウに入社した決め手を教えてください。
職探しの基準を決めて、自分で探しつつ、転職エージェントも活用していました。何社か面接を受けたり、話を聞いてみたりなど、転職活動を2か月ほど続けていた時にモノタロウを紹介されました。
ECサイトとして利用したことはありませんでしたが、社名は聞いたことがありました。
前職の営業で阪神高速神戸線をよく利用していたため、当時兵庫県尼崎市にあった大きな倉庫も目にしていました。
モノタロウはこれまで面接した会社と明らかに色が違っていました。
当時面接していただいたお二人の雰囲気は、1人はノーネクタイでジャケット未着用、1人はパーカーとジーンズでした。これまで受けた面接は、面接官はビジネススーツ着用、場所は応接室、重々しい雰囲気で面接することが多かったです。ただお二人からはしっかりと相手と向き合って正面からお話するスタイルを感じ取れ、身を引き締めて対話した覚えがあります。
1時間程でしたが、モノタロウビジネスについてとても熱く語っていただき、その内容は夢や目標ではなく確実な根拠に基づいたビジネスプランでした。目先には広大なブルーオーシャンがありモノタロウのビジネスモデルがマッチしていると確信できました。更に、将来的な大企業向けの営業部署の構想に対して現在のメンバーは2人のみということも、私の仕事選びの軸である「ビジネススケールが大きく、かつ営業部門をこれから構築していく企業」にピッタリとあてはまっており、それを上回るお二人の人柄にとても惹かれました。面接中にこの会社で働きたいと強く感じました。
ー実際に面接中に聞いたビジネスモデルとはどのような内容だったのでしょうか?
間接資材は、私がこれまで追いかけていたヘッド商材とは異なり、ロングテールの領域の商品は比較的安価で滅多に買わないものの集合体であり、そのため購入者は非常に手間暇かけて買わなければならないことが特徴です。また購買履歴がデータ化されていないケースが多く、コンプライアンス的にも課題があります。大企業においてその数は莫大で経営課題でもあると教えていただきました。モノタロウのサービスは大企業の使う購買システムに繋ぐことで、膨大な品揃え、高度な配送サービスで1個から短納期で届けることができ、購買データが履歴として残るためコンプライアンスを守ることができるという説明でした。モノタロウのサービスは自動化されたオペレーションが多く、莫大なトランザクションを生産性高くお客様に届けることができる点に感銘を受けました。
ー入社後は、どのような業務を担当されてこられましたか?
「大企業の間接資材購買を改革する」、これが主なミッションです。
具体的には、各大企業のお客様が間接資材を購買する為に必要なルールを維持しつつ、モノタロウのソリューションを活用することで、大企業が持っている課題を解決する提案を行っています。
私が入社後に最初に担当させていただいた企業は、化学製造業のお客様でした。ヒアリングすると、グループ会社含め複数のシステムが存在し、購入方法がバラバラで購買統制が効いていない、データは可視化されておらず何をどれだけ、どこでいくらで買っているのかトレースできない、購買の利便性とガバナンスの向上を実現したい、と色々な問題・課題を教えていただきました。有価証券報告書を読み込み、お預かりした購買データを目がかすむほど分析して、ヒアリングしたお客様の課題に沿った提案を上司と練り上げました。
モノタロウを使うことで得られるメリット「データの可視化、大幅な購買リソース削減、ガバナンス強化」を、販管費削減といった経営視点での提案を行い、本提案を受け入れていただきました。ビジネススケールが大きいことは言うまでもなく、入社後早々に素晴らしい商談を経験できました。
モノタロウの営業の大きな特徴としては、ある特定の業種というわけではなく、それこそ全ての業種と言っていいほど幅広い業種の名だたる大企業の調達購買部の責任者との商談がほとんどであるということです。商談はハイタッチな営業に終始し、もちろん知見/知識を高めることが出来ますが、その水準をさらに高めなければならないという意識を持つため、必然的に自身のキャリアアップが出来る業務であると感じています。
ー平佐さんが入社されてから営業組織にはどのような変化がありましたか?
私が入社した当時は自分を入れて営業は3名でしたが、ビジネスのビジョンやスケールから営業部門がこれから更に急成長を遂げていくことは分かっていました。そこから約2年で新卒入社者が3名加わり計6名、1年後には東京に営業所を作り中途採用で2名入社し合計8名と、少しずつ増員してきました。こうして転職時に私が希望していた「営業部門をこれから構築していく企業」で働くことで、営業部門を作り上げる経験を積むことができました。具体的には、業務の標準化を目指して運用フロー、マニュアル構築・整備を複数年掛けて進めました。かつては個別に多くのマニュアルがありましたが、今ではマニュアルの運用フローを構築するプロジェクトが立ち上がり、営業活動の標準化が実現されています。
モノタロウの強みはこういったところにも表れており、一人で取り組むのではなく、常にチームで取り組む姿勢が成長を支えているのだと思います。
ー前職とモノタロウの営業を比較して、違いを感じる部分はどんなところでしょうか?
違いは3点あります。
1点目は扱う商材の分類が異なることです。前職は電子デバイス、つまり有形商材を販売していました。スペックインするために技術者に売り込み、購買部と関係性を構築しておき、競合他社との価格競争に勝って取引を拡大する形式でした。一方、モノタロウは無形商材で顧客課題の解決にソリューション提案します。時々勘違いされますが、間接資材はECのみによる販売で、営業が売るスタイルではありません。
売る商材が異なっても営業の本質に変わりはなく、適応できる自信はありましたが、有形商材を売込み価格競争で注文を取る営業スタイルの経験だけでは少し難しい変革であると感じました。
2点目は属人化していない点です。
前職は顧客リストや顧客ノートを営業が一人ひとり独自の方法で管理し、後輩を育てる仕組みはOJTやメンター、成功事例共有会などを活用し充実していましたが、顧客管理や対応は完全に営業に任されている状態でした。また、営業には売上予算も課せられており、達成するためにそれぞれが自分で考え自分で価格を決めて回答していました。
一方、モノタロウの営業では顧客管理をSFAプラットフォームで一元管理しており、誰がどういった活動をしているかが可視化されています。また全てチームで活動を進めており、例えばメールをチームで共有することで、1人が休暇であっても別の者が対応できる体制となっています。業務自体に継続性があり、とても良い仕組みだと思いました。こういった仕組みや取組みが社内全体として根付いていることで、ビジネスの透明性と風通しの良い風土が実現されていると感じています。
3点目はお客様の業種の幅広さです。
前職であれば電子デバイスなので電子機器製造メーカーが主なターゲットでしたが、モノタロウが扱う間接資材全般となると購入する企業は全業種となるため、営業は幅広い業種への知見を持つ必要性があります。実際に私はモノタロウに入社してから製造メーカー(化学、食品、機械、電子機器)、建設業、教育機関、店舗運営会社など、様々な業種のお客様の担当をさせていただきました。
それぞれの業種特有の課題があり、モノタロウのソリューションで課題解決の提案をしてきました。
実際に、様々な業種のお客様の間接資材調達の課題解決に取り組ませていただくことで、多くの知見を得ることができました。これは他社ではなかなかできない経験だと思います。
【具体的な業務内容】
ー大手企業向け法人営業として、現在どんなミッションを担っておられるのでしょうか?
「大企業の間接資材購買のデファクトスタンダードになること」
これが面接時にも言われた言葉で、今でも追い続けているミッションです。エンタープライズビジネス部門のOKRになっています。つまりこれは大企業の方が、間接資材を購買するときにモノタロウが標準的に使える状態であり、誰もがまずモノタロウに買いに来るといった状態です。決して簡単なミッションではないですが実現不可能ではないと思っています。
ーそのために営業としてどのような動きを意識されておられますか?
まずはお客様との関係性構築です。単に「購買システムと連携して使い続けてください」ではデファクトにはなれないと思います。ヒアリングして課題解決して、モノタロウだからできたことをスケールさせていくこと。地道にこれを繰り返しています。また、間接資材は現場のひとりひとりが使うものですので、現場へのヒアリングも欠かしません。
ーエンタープライズビジネス部門の中には複数のグループがありますが、どのような役割体制で業務をされておられるのですか?
エンタープライズカスタマーサポートグループはいわゆるコールセンターの役割を担っています。各大企業の使っている購買システムに精通していて高い専門性を持っています。電話やメールによる問合せ対応、請求、アカウント管理を行っています。お客様対応の要でサービスの質が問われる重要な役割です。
エンタープライズビジネス統括グループは大企業ビジネス戦略策定、顧客データ管理や分析、予算の策定、営業活動における共通手法・企画の標準化が役割内容となります。BIツールを駆使して業務生産性を向上させたり、営業活動を標準化させ、営業経験の浅い方でも営業成果を上げやすい仕組みを作っています。
新規顧客を獲得する施策を実施する役割を担うのが、エンタープライズマーケティンググループです。多くの大企業のお客様が課題に感じていることをテーマとしたウェビナーを開催したり、大企業向けのサイトを構築したり、当社サービス概要や間接資材購買の課題に関する資料を作成しダウンロードいただける仕組みを構築することが主な業務です。リードの管理を行っており、商談化するまでの活動を担っています。
当部門の各グループがそれぞれの役割を全うしながら、エンタープライズビジネス部門はまわっています。既存のお客様からの納期などの問い合わせはカスタマーサポートグループが高いサービスレベルで顧客満足度を維持し、マーケティンググループが多くの新規リードを獲得し新しくモノタロウを利用希望されるお客様との商談を作り出し、ビジネス統括グループが標準化された営業手法を構築し、デジタルツールの開発により営業効率を向上させている。こういった支えをいただき私共営業グループは営業活動に専念できるわけです。
※大企業向け専門の組織ということを伝えるために「エンタープライズ〜」という名称にしています。ややグループ名が長くなってしまっていますが、機能としては、大企業向けの「営業、マーケティング、ビジネス統括、カスタマーサポート」を担っているとご理解いただければ良いかと思います。
【今後の成長戦略/課題】
ー大企業での導入が着実に進んでいるかと思いますが、今後更なる成長に向けてどのような戦略を考えておられますか?
「大企業のお客様との距離感をもっと縮めたい」と考えています。営業利益に直結する予算項目の調達を担っている限り、経営的課題へのアプローチが必要でコンサルティングの実施が必要です。そのためにはお客様との面談機会を増やしたり、情報交換し合える場を作りだしていかないといけないと感じています。例えば、環境配慮型調達、人権問題、働き方に関する取り組みなど情報交換して課題を認識し合ったりできると、新しいビジネスや活動が生まれたり、双方にとってプラスになるような作用が発生します。そういった場にはどんどん出ていきたいですし、作りたいですね。
ー現在抱えておられる課題について教えてください。
会社が大きくなっていることに比例して営業部門も大きくなっているので「人材確保、育成の強化」が重要だと感じています。オンボーディング・育成を高いレベルで構築しておくことと、営業スキルもできるだけ属人的にはせずに、標準的かつ高いレベルを維持したいです。そのために営業スキルの外部研修なども受けています。
もう一点は、「部門間の協力体制の強化」です。大企業のお客様との距離を縮めるには会社規模での対応が必要になり、モノタロウ内の部門間の協力体制が必要不可欠であると思っています。
ー上記課題解決の為に、取り組んでいる施策はありますか?
人材育成の面に関しては、これまで研修を受け持つグループが具体的にはなかったのですが、昨年末にできました。約1.5ヵ月の研修期間で、少しでもエンタープライズビジネス部門のことを知っていただくような工夫をしています。実際に営業が社内でどういった業務をしているのか、大企業向けのコールセンターに約2週間入っていただき、どういった問い合わせが入るのか、どういった対応をしているのかが学べるようになっています。この期間で社内業務の流れや仕組みを理解してもらい、その後営業に配属されるイメージです。
部門間の協力体制の強化に関しては、すでに複数部門と協力して大企業への提案をしています。例えばモノタロウプライベートブランド(PB)を開発している【商品開発部門】とはお客様の購買データからPBへの置換によるコストダウンの提案を一緒に行っています。一緒にお客様の工場や現場に赴き、商品サンプルを試していただき、ご意見を聞いて提案したり、展示会を開催して直にお客様に商品を知っていただく活動にも力を入れています。マーケティング・カスタマーエクスペリエンスを担当している【CXマネジメント部門】とはUI/UXに踏み込んだ打合せを行い、顧客体験を向上させる取り組みを実施しています。モノタロウの物流を担っている【物流部門】とは新しくできた倉庫のシステムや構造のお客様への案内を共同で行い、物流生産性への取組みを理解いただく活動を行っています。
まさに大企業のお客様に対して当社一丸となって更なるサービスの質の向上に取組んでいきたいと考えています。
ー今後どんな方にモノタロウにご入社頂きたいですか?
もちろん、営業にこだわりをもって考えて取組み、実績を上げておられる方にはぜひ来て頂きたいですが、当社行動規範である「他者への敬意」「傾聴」「時間資源」「主体性」「ゴールとプロセス」「モノタロウ魂」に共感できるかどうかも重要です。
営業の基本でもありますが、自分の所作は相手の所作にも反映されます。敬意をもって接すればお互いいい関係になれます。ミスによる問題が発生した場合、ミスから学びを得ることを大事にしていているため営業のメンバーはミスを責めず、いかに再発しないようにするかを皆で考えることができます。
また、会議やミーティングでは社歴に関係なく意見を言い合える空気ができており、社内やお客様にアンテナを張ることを意識付けています。営業戦略に則った活動を小さく試していき、成功事例を周りを巻き込んでスケールすることで、実績を上げていける方は当社で活躍できると思います。
よくお客様や応募者の方にモノタロウの強みを聞かれますが、当社のソリューションを採用いただくことで、お客様に時間資源を生み出すことができ、それが当社の最大の強みであり、良さであると感じています。こういったソリューションを提供できているのは全て法令順守のもと常に工夫を重ね色々な難題や課題を解決するというモノタロウ魂に拠るところであると思っています。
ー平佐さんありがとうございました。