「情シス×コンテンツ」社内からの依頼が止まない新設チームとは
―簡単に、自己紹介をお願いします!
前職は、メーカーとSIerとが共同で設立した情シス子会社で、人事労務、生産管理、販売管理といった領域のシステム構築や業務改善、運用保守を担当してきました。
2023年3月にMonotaROへ入社してからは、情シスとしてDX推進をするような部署に配属され、ワークフローシステムや人事給与システムの刷新に注力しています。本記事のテーマであるコンテンツ領域(主に動画や静止画に関わるものや社内外のイベントなど)については、2023年10月にメンバーとしてアサインされ、2024年4月から新設された「コンテンツマネジメントチーム」のチームリーダーを担うこととなりました。
とはいえ、コンテンツに関わる業務は未経験、もちろん機材すらも触れたことが無いような中だったので、どうしたものかと思いながら手探りでスタートしました。ちなみに、ワークフローシステム刷新後の保守やエンハンス、人事給与システム刷新支援といったコンテンツ以外の領域についても、継続して対応しています。
―所属している組織について教えてください。
MonotaROの部署は主に、「部門>グループ>チーム」という構造をしており、私は「コーポレートエンジニアリング部門>コラボレーションインフラグループ>コンテンツマネジメントチーム」に所属しています。
コーポレートエンジニアリング部門は、【MonotaROで働く、すべてのひとに、今日よりも、「より良いワークスタイル」を提供する】をミッションとしています。コラボレーションインフラグループ以外にも、オフィスインフラやITサポート、セキュリティといったグループがあり、MonotaROの日々の業務をTech側から支えています。
所属するコラボレーションインフラグループは、いわゆる情シスとして、全社利用のSaaSアプリケーションの管理(Google Work Space、Slack等)、各部門のSaaSアプリケーションの導入支援や運用、社内DX化の支援といった部分を担う社内SEの集団で、それぞれの機能をチームで分担しています。
その中でもコンテンツマネジメントチームでは、VideoCloudを用いた社内動画ポータル「MonoChannel」の企画・管理・運用、社内外イベント支援、動画コンテンツの制作・制作支援、などを主な業務として担当しています。
―コンテンツマネジメントチームの業務にはどのようなものがあるのでしょうか?
定期的なものとしては、タウンミーティングという各月初に開催される全社会議の配信や動画編集対応があります。オンラインとオフラインのハイブリッドで実施しているため、本社から各拠点へZoom配信をしています。加えて、当日に参加できない方もいるため、後日視聴できるようZoom配信の録画を先述のMonoChannelへアップロードしています。その過程にある、Webカメラや音響機器の準備であったり、動画の編集(VideoCloudのインタラクティブ機能を利用してチャプターや資料リンクをつける等)といった対応もしています。
ほかにも、社内から協力依頼がくるケースもあります。例えば、営業系部門が他社と共同開催するウェビナーの支援としては、外部のスタジオ業者とのコミュニケーション・イベント当日の運営・ウェビナー公開用の動画編集があったり、何かしらの社内イベントを行った際には、運営からの依頼で社内広報用の写真や動画の撮影・編集・公開をしたりなどです。これらを内製で行うことにより、コスト圧縮や納品までのリードタイム短縮に貢献しています。
すこし毛色の違ったものでは、商品系部門が行っている「商品動画をYoutubeへアップロードする業務の効率化」を手伝っています。数パターンに分かれていた業務フローを見直して統合するなど業務自体の整理を行ったり、基幹システムに都度ログインして取得していた商品情報が、社内で公開されているBigQuery上にもあったため、そこから簡単に情報取得するツールを作成したりといったものです。次のステップとして、動画にタグ付けするキーワード設定に、取得した商品情報と生成AIを使ってみるという試みを進めています。
紹介した例にもあるとおり、コンテンツ領域といっても、カメラマンやデザイナーといったコンテンツ側の専門性だけでは解決できない案件に溢れています。要望に応えるため、効率化していくために、エンジニアとしての知識や技術が求められます。先ほどお話ししたVideoCloudもSaaSサービスの一つですし、私自身もSEとしての経験が活きていることを日々感じています。
―コンテンツと情シス、2つの領域にまたがることになりますが、どのような難しさがありますか?
他部署の支援といったイメージが強いため、受動的な役割や作業に思えるかもしれませんが、ただ言われたことや決まったことをやれば良いというわけではありません。そしてクオリティの高いものを作れば大丈夫、というわけでもありません。
他の業務でも言えることですが、案件ひとつとっても、「案件の目的自体を明確にし、目的が達成できたといえる状態を定義する」、「その状態を実現するためには何をすれば良いか、そして障壁は何があって、どうすれば乗り越えられるかを明確にする」、「明確化したものについて合意を獲得しながら、周囲を巻き込んで進めていく」といったファシリテーションが必要で、我々のチームでは、案件のファシリテーションをする役割も担いながら業務を進めています。
また、専門性が高い領域だけに、外注だとコスト肥大やリードタイムが長くなるというリスクがあります。外部パートナーと協力するとしても、適正なレベルを担保しつつコストを圧縮する、遅延させないため進捗のコントロールをする、といったプロジェクトマネジメントのような役割も求められます。この点は、システム開発や業務改善のプロジェクトと似ている要素があり、私自身、PMやPL、SEの経験や知見を活かせている部分だと感じています。
もちろんチームで仕事をするため、一人が全てを完璧に兼ね備えている必要はありません。ただし、システムやツールへの理解だけでなく、コンテンツに関わる他部署の業務への理解もあったほうがスムーズに推進でき、より良い提案ができることに違いありません。コンテンツ領域および情シスとしての専門性を軸足にしつつ、他部署への理解を深めていくような姿勢が必要となります。
―コンテンツマネジメントチームとして掲げているミッションはありますか?
チームのミッションは大きく二つあります。一つは、MonoChannelの活用によるコミュニケーションの変革です。コミュニケーションといっても多岐に渡りますが、一例として、動画という手段を通じて次のようなことを実現できると考えています。
・「文字や絵」だけではない「音や動き」といった多要素の情報を届けることで、参加体験を向上し、情報取得のコスト削減を実行する。
・情報発信および取得手段を拡充することで、Web経由でいつでも繰り返し視聴できるようになり、時間や場所の制約を超えた疑似的な体験を可能とする。
このミッションを達成するためには、MonoChannelがどのような姿となるべきで、そこに到達するまでのロードマップがどんなものとなるのか、どのように活用していくかを描きながら、プラットフォームとして発展させていく必要があります。しかしながら、現時点のリソースでは、まだ描ききれていないことが課題の一つでもあります。
もう一つのミッションは、イベント対応やコンテンツ制作による各部門の支援を通じて、業務効率化や目的達成へ寄与することです。現状は、支援によって一定のアウトプットを出しているものの、再現性を高めるために必要な「支援方法やコストの効果測定・評価・分析」、「対応内容の標準化やスキルトランスファー」などの、次のステップを認識するに留まってしまっています。
―社内ニーズが増す中で、今後はどのような人を求めていますか?
コンテンツ領域に関する社内ニーズはますます高まっているのが現状です。ぜひ一緒に依頼を受けて、プロジェクトを推進してくれる方に来ていただけると嬉しいです。ここまででもお話ししましたが、やはり他部署からの依頼が多いこと、そして関係者の多い仕事であることから、
・MonotaROの行動規範の一つである「他者への敬意」をもったコミュニケーションで、周囲を巻き込みながら進められる。
・経験したことが無い領域や案件にも、前向きにチャレンジできる好奇心を持っている。
・抽象的な目的や課題を具体化し、プロジェクトをリードすることができる。
この3つが大事な要素だと思っています。加えて、ご経験に合わせてではありますが、「効果測定・評価・分析」といった課題に取り組んでいただける方も強く歓迎します。まだまだ手探りなことが多いフェーズですが、自ら確立させていくような状況を楽しいと感じながら、オーナーシップをもって前に進めていただける方と一緒に働きたいですね。
―モノタロウならではの、この領域の面白さはありますか?
社内動画ポータルを持っている、それもVideoCloudを導入している事業会社というのは、まだ多くないのではないかと思います。我々もこのVideoCloudを使いこなしているとはまだ言えず、API連携なども手つかずな状態なのですが、色々触ってみたい・試してみたいという人にはむしろ良い状況とも言えます。SEの知見が生きる部分でもありますね。
もう一点、コンテンツの内製化も、他社との違いのひとつに挙げても良いかもしれません。大阪本社には撮影機材のほか、スイッチャーやミキサーなどの映像・音響機器もあり、実際にそれらを扱う機会があります。動画編集対応のニーズも社内で増えてきているため、編集の経験や知見があれば充分に活かすことができますし、経験は無いが興味があるという人にとっては新しくチャレンジできる環境でもあります。
他にも、「絵コンテなどでガチガチな仕様が降りてくるということはあまりなく、制作側の自由度や裁量が高いこと」、「企画等の上流から携われること」、「社内外の様々な方と交流を持てるため、知見を広げられること」といった点も魅力になるでしょうか。
そして、これらの運営を片手間ではなく、メインの業務として持っているチームが社内にあること自体が、当社の特徴であり他社との違いだと思っています。おかげでフットワーク軽く動くこともできますし、社内での認知も得やすく、この領域をスケールさせて価値創出させていくための注力がしやすい環境です。
―最後に、この記事を読んでいただいている方に一言お願いします!
情シスとコンテンツの両軸を持つことで、企業ブランディング、新規リードの獲得や商談機会の創出といった外部的な貢献だけでなく、社内での知財共有・発信にも寄与できることから、組織内の相互理解の深耕、会社生活や業務に役立つ情報共有の促進など、社員ひとりひとりの体験をより良くするといった側面を担うことが可能です。
我々のチームや、その活動自体の認知が社内で少しずつ浸透してきたこともあって、コンテンツ領域の業務をどこに相談すれば良いか分からないという状態が解消されました。潜在的であったニーズが浮き彫りになり、毎月数件の新しい依頼が発生している状況のため、プロジェクトのリードやマネジメントにチャレンジいただける機会が多くあります。
こういった状況は当社に限ったことではないですし、これからの情シスのキャリアとしても需要が高まっていくものだと思います。そして、MonotaROの「手を挙げればやりたいことにチャレンジできる」という社風、社内でチームとして立ち上がって間もないフェーズの中での経験は、ユニークで価値あるものになると考えています。
ただし、繰り返しになりますが、決まったことや言われたことだけをやるのではなく、脳に汗をかきながら思考し、手探りで作業をするような泥臭いことが沢山あります。広範な知識や関心も要求されます。それでも私は、「社内で開拓されていなかった領域において」、「さまざまな部署やメンバーと関係性を築き」、「会社全体へ影響を及ぼすプロジェクトに関わる」、という点に非常にやりがいや面白さを感じています。
このポジションに興味をお持ちいただき、楽しんで取り組めそうだと思っていただける方と、ぜひMonotaROで一緒にお仕事ができることを心待ちにしています。