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「アルゴリズムの価値を最大化し、ユーザー体験を向上させる。そのためには何でもやる」MLエンジニアグループ長が語る、多次元キャリアの設計図
登録顧客数900万人を超えるモノタロウの裏側で、ユーザー体験の向上を支える機械学習エンジニアリング(MLE)グループ。そのグループ長を務めるのが川口です。データサイエンスとエンジニアリングの架け橋となり、「アルゴリズムの価値を社会に届ける」という信念のもと、常に全体最適を目指し、ユーザー体験の向上に取り組んでいます。モノタロウでのMLEグループの立ち上げから現在、そして、川口が描く「データサイエンティストのアルゴリズムをユーザーに早く届ける」未来とは。その実現に向けた「何でもやる」姿勢の源泉に迫ります。
※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。
多彩な経験が育んだ独自のキャリアデザイン
――まずはこれまでの川口さんのキャリアについて教えていただけますか。
大学院では、遺伝的アルゴリズムという数理最適化の分野で研究に取り組んでいました。その後、新卒でNTT研究所へ入社。固定電話ネットワークの開発部署に配属され、2-3年ほど勤務しました。大企業ならではのマネージング業がメインの業務でした。
――そこから、ニュースアプリを提供するITベンチャー企業に中途入社され、エンジニアとしてのキャリアを本格的にスタートされました。研究からエンジニアリングへの転身を考えられた背景には、どのようなきっかけがあったのでしょうか。
大学院時代にベンチャー企業で働いた経験もあり、研究を社会に活かすための仕事に興味を持ち始めたんです。自分は、研究者というよりユーザーから直接反応を得ることに喜びを感じるタイプだということにも気づき、エンジニアとしてのキャリアを選択しました。ITベンチャー企業へ入社することにしたのは、自分の想像する働き方とやりたいことが一致する場所だったからです。
――ITベンチャー企業ではどのような仕事をされていたんですか?
最初は、実務でのプログラミング経験が乏しい未経験者同然の状態で、SQLやPythonでデータ解析やABテストの効果検証をするところから始めました。ただ、解析だけで完結するのは自分の性分に合わず、 課題解決のためのアルゴリズムを考案する、それをシステムに実装する、そのためのインフラ整備にも踏み込む……という流れで、どんどん業務範囲を広げていきました。こうして、インフラ、バックエンド、アルゴリズムを総合的にカバーできるエンジニアとして徐々に成長できたと思います。
――ITベンチャー企業では具体的にどのようなプロジェクトに携わられましたか。
印象に残っているのは、ニュース記事の関連記事を迅速にユーザーに提供するプロジェクトです。チームメンバーと協力しながら、アルゴリズムを選択し、最適な手法を試行錯誤しながら、アルゴリズムをユーザへ届けるための基礎を多くを学びました。ユーザーに対しても一定の効果が出たので、自分の仕事の実感が得られた印象深い経験でした。
――そして、モノタロウに入社されたわけですが、どのような経緯があったのでしょうか。
キャリアを進める中で、携われるビジネスの規模を拡大しつつ、ユーザーの体験向上が売上に直結する業種に興味を持つようになりました。そこで、注目したのが物流業界です。実はモノタロウの入社前には、別の大手物流会社で半年程度働いていたんです。ここでの経験を通じて、業界の可能性と課題をより深く理解できました。そして、その過程でモノタロウの事業モデルや文化の魅力に気づき、転職活動時にお世話になったモノタロウの人事の方に連絡を取り、再度チャンスをいただきました。
――モノタロウに入社されて、どのような印象を持ちましたか?
驚いたのは、「真」のユーザーの多さです。前職で一度別の物流会社を選んだのは、その事業規模の大きさが理由だったのですが、モノタロウの企業アカウントの裏には、実際にそれを使うお客様企業内で多くの従業員の存在がある。想像以上の規模感を実感しました。また、会社全体が一丸となってユーザーサービスの提供に取り組んでいる点が印象的でした。もちろん部門ごとに追っているKPIは違いますが、従業員全員が同じ方向を向いているのを感じます。一方で、プロダクトごとに職種横断型のチームが構成されていたITベンチャー企業時代と異なり、エンジニアリングとデータサイエンスのグループ分けがはっきりしていることは新鮮でしたね。
領域の狭間に立つ仕事ならではの醍醐味とやりがい
――現在のお仕事について教えていただけますか。
現在はMLEグループのリーダーとして、データサイエンスとエンジニアリングの架け橋となる役割を担っています。主にグループ運用、つまりタスクのアサインやメンバーのマネジメントを行い、グループ全体のOKR達成に向けて動いています。必要に応じて他の役割をサポートすることもあります。
――MLEグループはいつ頃設立されたのでしょうか?
MLE “チーム” は約1年半前に設立されました。当初は2つのチームがあったのですが、1年前に統合され、現在のMLEチームになっています。そして、現在2024年11月にチームからグループへと独立することとなりました。私自身は、会社入社直後はデータサイエンティストとして、検索画面のUIを強化学習によって最適化するプロジェクトに携わっていました。しかし、エンジニアリングとデータサイエンスの間をつなぐ業務の必要性が高まり、現在のポジションに至っています。
――MLEの仕事の醍醐味はどんなところにありますか。
データサイエンスとエンジニアリング、両方の分野に関われることが魅力です。バックエンドとインフラ、アルゴリズムという3つの領域を包括的に扱いますし、必然的にクラウドも触ることになるので、結果として、幅広いバックエンドエンジニアリングのスキルや業務知識が身につきます。
こうした領域の狭間に立つ立場の良さは、否が応でも全体を見渡す視点が養われることだと考えています。それによって、全体最適のアプローチがしやすくなります。たとえば、開発システムの改善提案ができたり、業務フローの滞りを見つけて最適化を提案したり。全体感を持って課題を見つけて、解決していく過程がとても楽しいですね。1年ほど前には、課題を見つけては「これは直せる!」と思ってどんどん改善していた時期もありました。結果として、自分のできることが増え、視野が広がり、活躍できる領域が拡大していくのを実感できるんです。そうした成長を感じられるのが、この仕事の大きなやりがいだと思います。
――業務で大切にしていることはありますか?
私の業務の根本にあるのは「ユーザーの体験向上を自身で感じられる仕事をする」ということです。そのための手段がエンジニアリングだろうが、アナリティクスだろうが、自分としてはそこにあまりこだわりはありません。
ただし、「ユーザー」の定義を広く捉えています。エンドユーザーだけでなく、社内のステークホルダーの体験向上も大切だと考えています。たとえば、データサイエンティストとエンジニアの開発体験を向上させることができれば、リリースまでの速度が上がり、相互のコミュニケーションも増えます。結果的に、エンドユーザーへの価値提供も最大化されるんです。
――MLEグループは立場上、社内のステークホルダーが多い組織だと思います。普段のコミュニケーションのなかで心がけていることはありますか?
頼みやすい、頼まれやすい状況を作ることを意識しています。入社して最初の1年くらいは愚直に仕事をこなし、信頼関係を築くことに注力しました。そこから、徐々に自分からも依頼をしたり、質問をしたりするようになり、コミュニケーションラインを増やしていきました。また、仕事を頼まれたら必ず進捗共有をするなど、基本的なことを確実かつ地道に行うことで信頼関係を築いています。
「体感時間をできるだけ長くしたい」 30代エンジニアの休日
――仕事以外の時間はどのように過ごされていますか?
社交ダンスをやっています。大学のときから始めて、今はサークルに参加している形で、なんだかんだで10年くらい続けています。あとは、映画が大好きですね。空き時間や作業時間の背景には常に何かしらの映画を流すくらい好きです。
――休日の過ごし方に工夫はありますか。
30代に入って、時間の使い方を意識せざる得なくなりました。あっという間に時間が過ぎてしまうので、新しい体験をしたり人と会ったりすることで、休日の体感時間を長くしようと心がけています。社交ダンスもその一環ですね。放っておくと映画やゲームなどインドア系の趣味に走ってしまい、このまま40代になってしまうという危機感もあって(笑)、なるべく外に出て休日を有意義に使おうと意識しています。
お酒も好きで、よく飲みに行きます。特に好きなのはテキーラなんです。一気飲みのイメージがあるのか、「テキーラが好き」というと引かれることが多いのですが、ぜひ一度、美味しいテキーラを味わって飲んでみていただきたいです。
――健康管理にも気を使っているそうですね。
はい、ジムに行ったり、食事に気を付けたりしています。会社では、プロテインを持ち歩いていることで有名ですね。プロテインを入れる容器をよく会社に忘れてしまうのですが、それが「川口のもの」だとみんなが気づいてくれて、誰も持ち去ることなく、さりげなく共有スペースの真ん中に置いてあったりします(笑)。
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自身の価値を最大化して、会社や社会に貢献していきたい
――川口さんの今後のビジョンについて教えてください。
MLEグループの確立とさらなる発展を目指しています。データサイエンティストが考案したアルゴリズムがユーザーに早く届けられるような仕組みづくりを引き続き進めていきたいですね。
現状の課題として、増加するデータサイエンスのシステムやプロジェクトに対して、サービス展開できるエンジニアの数が増えていないという点があります。これはモノタロウだけでなく、多くの企業で起こり得る課題だと思います。MLOpsのような形になるかもしれませんが、将来的にはデータサイエンティストの方々だけでサービス展開できるような仕組み作りをしていく取り組みも必要だと考えています。
――モノタロウでの自身の立ち位置についてはどのようにお考えですか。
立ち位置を考えるうえで重要視しているのは、自分のスキルを活かして会社や社会に最大限貢献することです。そのために、自身のスキルセットを構築していくという考えです。なんでもやってよいと言われたら、課題発見からアルゴリズムの考案・実装、効果検証まですべてやりたいという気持ちはあります。ただ、モノタロウでは、何よりもアルゴリズムを考案する方々の価値を最大化する動きが社会へよりよい影響を及ぼすと考えています。アナリスト、エンジニア、データサイエンティストという3つの軸があるなかで、現在のモノタロウの状況を考慮して、私の能力で最も会社へ貢献できる形を選んでいます。具体的には、データサイエンティストとエンジニアの間に立つことこそが、自身の価値を最大化するものだと考えています。
――最後に、モノタロウで働くことの魅力を教えてください。
モノタロウは、技術力を磨きながら、ユーザー体験の向上に直接貢献できる環境が整っています。また、会社全体が一丸となってサービス改善に取り組む文化があり、部門を超えた協力も盛んです。
データサイエンスとエンジニアリング、両方の知識を活かしたい方や、新しい技術にチャレンジしたい方にとって、非常に魅力的な職場だと思います。もちろん、課題もありますが、それを解決していく過程も含めて、やりがいのある仕事ができると確信しています。
当記事を通じてMonotaROに興味を持っていただいた方は、カジュアル面談もやっていますのでぜひご連絡ください。また以下の求人もご覧いただけると嬉しいです!