好奇心と課題解決意識でアートの世界へ。新メンバー菅原夏凪のクリエイティブジャーニー。
こんにちは、monopo Tokyo PRの山田です。
monopoではメンバーのバックボーンや仕事観をインタビュー形式で紹介する企画「Stories of monopians」を連載しています。
今回登場するのは春から新しく入ったメンバー菅原夏凪(すがわら なつき)。アーティスト、キュレーター、オーガナイザー、プランナー、プロジェクトマネージャーなど、さまざまな面を持ち合わせた彼女のバックグラウンドやパッション、仕事の展望などについてインタビューしました。
Profile
菅原夏凪 Planner/Project Manager
1998年 東京生まれ。
monopo入社前は電通やThe Breakthrough Company GOといった広告代理店でのインターンを経験。映像制作の仕事ではプロデュースからクリエイティブディレクション、撮影、編集を担当。個人的なプロジェクトとして、病院にアートを増やす活動「Hospital Art (ホスピタルアート)」で、企画・プロデュース・アーティストのキュレーションまでを実行。
2023年にインターンとしてmonopoにジョインし、現在ではさまざまなプロジェクトに参加している。
monopoとの出会いは感動体験。
— 先日行われた朝日広告賞にて、菅原さんが制作した企業広告作品「君は何に声を枯らす?」が1744点の中から入選したそうですね。授賞おめでとうございます!
菅原:ありがとうございます! monopoの元社員で友人の堂福(どうふく)と一緒に応募しました。二人でアイディアを出しまくり、約100個の案から絞ったものだったので、入選できて本当に嬉しいです。でもやっぱりちょっと悔しい気持ちもあります。次こそは朝日広告賞を取りたいです!!!
— そもそも菅原さんは、どのような経緯でmonopoに入社したのですか?
菅原:monopoにはプランナー兼プロジェクトマネージャーとして、インターン期間を経て今年の4月に入社しました。大学時代は別の広告代理店でインターンをしていて、その会社でお世話になったプロデューサーの田中悠生(たなか ゆうき)さんがたまたまmonopoに転職していたんです。大学卒業が近くなり悠生さんに人生相談をしたとき「夏凪にピッタリの会社があるよ」と紹介してもらったのがmonopoを知ったきっかけでした。
monopo ビジネスプロデューサー 田中悠生さん 特集記事はこちら 🔽
— 最初、monopoにどんな印象を受けましたか?
菅原:初めて訪れたのは、monopo night (クリエイターやクライアント、友人などをmonopoオフィスに招待し、食事やお酒を楽しむ交流会)でした。とてもオープンな方ばかりで、初対面の私に対するジャッジが一切なく、愛を感じました。日本にこんな会社があることに驚いたし、感動したんです。普段はTPOに合わせて自分をブランディングすることが多いのですが、「ここならありのままの自分でいられる!」と思いました。
課題解決意識から始まった、医療とアートの融合プロジェクト「ホスピタルアート」
— 菅原さんは個人でアーティストやキュレーター、オーガナイザーとしても活動されていると伺いました。どんな活動をされているのか教えてください。
菅原:「ホスピタルアート」という活動をしています。病院にアートを取り入れて、患者さんの心を明るくしていく試みです。きっかけは大学生のときにアキレス腱を切って入院したこと。病院の無機質で真っ白な壁に囲まれ、社会から隔離されたような空間で過ごすことにモヤモヤを感じて、プロジェクトを立ち上げました。今となっては、ものづくりやアートは私のライフラインのようなものです。
— ホスピタルアート! 初耳です。
菅原:実は欧米では、病院にアートを取り入れるのは当たり前なんです。だけど日本ではまだまだ普及していませんよね。私は当時からアーティストたちと一緒に様々な活動をしていたので、多くの若いアーティストが展示のために高い場所代を払っている状況を知っていました。そこでアートを必要としている病院と、若いアーティストをつなげることでこのプロジェクトを実現させようと思ったんです。
しかし日本の病院は規制も多くて。「赤い色は血を連想するからNG」なんて言われてしまったこともありました。でもそこから「アートとは制限のない自由なものでは? 」という気持ちが大きくなって、病院で飾れなかった作品を集めた「KICKED OUT OF HOSPITALS」という展示を一般の方に向けて開催しました。これが私の初の主催展示会です。病院の中だけではなく、若者やメディアを集めてホスピタルアートの存在を知ってもらいつつ、アートの在り方、表現の自由、アートの必要性に対する考えを色んなひとにシェアできたと思っています。そこからホスピタルアートの普及活動にもっと力を入れるようになりました。
— ホスピタルアートの概念を広めるために、どんな活動をされてますか?
菅原:今でも医療とアートに関する学会や、ラジオに招かれることがあります。ただ日本の病院にはまだまだ多くの制約があるので、新しい形でアートを取り入れる方法を模索しています。最近は映像制作や、病院の空間プロデュースにも興味が出てきました。
— 日本の病院は制約が多いとのことですが、日本と海外ではアートに対する価値観はどう違うと思いますか?
菅原:私はアートを人の心を動かし、豊かにするものだと思っています。たとえば、デンマークの病院にはレゴが飾られていたり、暖色が積極的に使われていて病院特有のシリアスな感じが全くないんです。しかもロンドンの病院では、展示されている作品をその場で購入できたり。日本でもアートがもっと日常生活に溶け込んでいてもいいんじゃないかと感じています。
— ちなみに大学時代もアートについて学ばれていたのですか?
菅原:大学では社会課題解決に特化した学部を専攻していました。全然違いますよね(笑)。私は母子家庭で育ったので、経済的な格差を感じてしまうことも多く、その問題を解決したいという思いが強くありました。それから社会課題や個人的な問題の解決に興味を持ち、特に日本の教育システムに疑問を抱くようになりました。その延長で大学時代には文部科学省の奨学金を頂き、無償で教育が受けられるデンマークに留学していました。社会課題解決は私のライフワークなんです(笑)。
好奇心から生まれるインスピレーション
— 菅原さんは、いつもどこからインスピレーションを得ていますか?
菅原:私の永遠の相棒は好奇心です。毎日同じ道を通っても、新しい発見があります。街の風景や人々の様子からどんどん想像やアイディアが膨らむし、そのアイディアがどうして生まれたのかを解析するのが好きなんです。四六時中脳トレをしているみたいな感じ。
もう1つ、自然も大きなインスピレーションの源です。歩きながら木の形を観察して、あれこれ考えるのが楽しいんですよね(笑)。
— 最も影響を受けたアーティストや作品があれば教えてください。
菅原:ジブリ作品は私のインスピレーションの宝庫であり、心の安定剤です。宮崎駿さんをすごく尊敬していて、学習院大学を選んだ理由の一つでもあります。
あと母親に内緒で台湾に家出したことがあって(笑)。あれは間違いなく人生のターニングポイントだったと思います。アキレス腱を切ったばかりで歩くのが遅かったのですが、その分景色が全く違って見えたんです。特に忘れられないのは、とある美術館で観た「人間の営みとしての仕事」をテーマにした作品。ひとが展示されていて、世界中の職業の映像や音が無限に流れているような展示でした。ある空間では、写真に刺繍で色を加える作業場が再現され、作業服を着た人間までもが展示されていました。また別の空間では、火葬業を行う人や豆を分別する仕事をする人など、多くの営みの映像がそれぞれのスクリーンで映され、またその目の前にいくとその仕事の音だけが聴こえるような技術を使った展示でした。この展示を見て以来、ひとへの興味や音への意識が強く芽生えました。今新しい音楽体験を作り出すプロジェクトに参加しているのですが、このときの強烈な体験がモチベーションになっています。
— プライベートでの感動が、仕事に繋がっていくんですね。
菅原:そうなんです! プランナーとして最も大切にしているのは、自分の経験や感性と繋げることです。クライアントワークでも、自分が感じたことや体験したことを生かしていきたいと思っています。
ありのままの自分で、大好きなひとたちと、社会に対してできることを。
ー 最後に、菅原さんにとっての「monopoらしさ」とは?
菅原:絵でたとえると、いろんな色が混ざり合わずに互いに打ち消し合うことなく存在している感じ。それぞれが個として強く存在しながらも、他者を否定しない。だからこそありのままでいられるのだと思います。
大きい組織が苦手な私にとって、社長との距離が近く、会社のビジョンが明確なmonopoはとても心地よい場所です。そこに共感しているからこそ、心から貢献したいと思えます。さまざまな国籍の人がいて、海外のチームが日本にきたときはみんなで全力で遊んだりする楽しさも、私にとってはすごく大事なポイントだったりします。
— monopoで実現したい目標はありますか?
菅原:将来的にはクリエイティブディレクターとして、単なる広告ではなく、誰かの心を動かし行動に影響を与えるようなワークを世に出したいです。私の周りには才能あふれるアーティストやクリエイターが多いのに、経済的・社会的な理由で夢を諦めてしまう人がたくさんいます。彼らと一緒に仕事をしたり、いろんな分野の仲間にお金が回っていくような仕事をmonopoを通じて実現することも1つの目標です。
— 5年後、10年後はどうなっていたいですか?
菅原:正直、未来のことを考えるのは苦手で、来週の予定を立てるのが精一杯(笑)。monopoは大好きなのでずっと一緒にいたいと思っています。ですがいつかは独立して、自分の会社を持つのが夢です。
monopoでは「Challenge boundaries」を掲げ、各メンバーが自分の境界線を越えて行くことを目指しています。自らの力でアートを通じて社会に寄与し、さまざまなプロジェクトを動かしてきた菅原さんのクリエイティブジャーニーはまだ始まったばかり。彼女の才能と情熱に乞うご期待ください!
執筆:山田にな
編集:鎌上真帆
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