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NY連載 Vol.2|monopoニューヨークメンバーが選ぶ、新進気鋭のNYフォトグラファー4選
同世代がメキメキと活躍していく中、いつ売れるかわからない、それでも写真を撮り続ける。ほんの一握りのチャンスを掴もうと世界中からフォトグラファーが集まるこの激動の街ニューヨークで、"話題"のフォトグラファーと呼ばれることは、並大抵ではない。
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ニューヨーク派写真を代表するSaul Leiterを生み出し、
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ストリートフォトのレジェンドGarry Winograndを有名にした街、ニューヨーク。
NY連載第2弾の今回は、ニューヨークで活躍するフォトグラファー4名を独断と偏見でピックアップし、ご紹介します📸
8年間父親を撮り続けJiro Konami
まず1番最初にご紹介したいのは、日本人フォトグラファーの小浪次郎さん。ニューヨークで活躍する日本人フォトグラファーとして、最初に名前が上がる方だと思います。
小浪さんが注目されるきっかけとなったのは、18歳の頃から8年間かけて自身の父を撮り溜めた作品。東京工芸大学在学中の2009年に富士フォトサロン新人賞を獲得し、高く評価されました。
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ただ、親が子を撮るというシンプルな行為と同様に、子が親を撮るという行為もシンプルな事だと思う。不確かだった父親という存在をカメラを通してみれたらいいと思っていた。みる事も新鮮である。それは(当時から取材日までの)7年経った現在でも変わらない飽きない被写体である。被写体なんて思い始めたのも最近のこと。
ファッション・広告と実績を積み重ねていった小浪さんは、2016年の『The New York Times』でクリエイティブディレクターの中村ヒロキさんを撮影。
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翌年2017年には、ニューヨークに拠点を移されています。あるインタビュー記事で、ニューヨークに移った理由は?という質問に対して彼の答えは、「東京という街が好き過ぎたから」。東京という街が好きになり過ぎていることに気がついた彼は、あえて、東京を出てどこか別の街へ行こうと決めた。
“Love”と“Hate”がどこかにないと、その場所で暮らすのは僕の場合は難しいのです。NYに移ることを決めた理由は、チャレンジ精神とそこにいるアーティストが好きだからです。
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小浪さんのレンズを通した人や景色は"色"がとても特徴的で、瞬間のライブ感がありながらも、なんだかホッとするやさしさと、こう切り取るのかぁというサプライズが共生しているように思います。(とても個人の感想です)いつか一緒にお仕事したい!
史上最年少でVOGUEの表紙を撮影したTyler Mitchell
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Tyler Mitchellはブルックリンを拠点とし、広告業界でひときわ活躍がめざましい27歳。
彼を一躍有名にしたきっかけは、史上最年少(当時23歳!)でのVOGUEの表紙撮影。しかも、その表紙を飾ったのはビヨンセでした。
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Tyler Mitchellをフォトグラファーに選んだのは、ビヨンセ本人。今まで表紙の写真家はかの有名なアナ・ウィンター編集長が指名し、経験と実績がある人が選ばれてきましたが、
「21年前、私がメディアに出始めたころ、雑誌の表紙は私には無理だと言われた。黒人が表紙だと『売れないから』と。それを過去の話にすることができた。」
と述べているビヨンセの強い希望があり、実現されたそうです。
彼が写真を始めたきっかけは(ノーオフェンスで)極めてノーマル。地元の仲間たちとスケボーばかりしていた彼は、仲間がスケボーをしている姿を収めたいと、14歳のときにお金を貯めてCanonのデジタル一眼レフカメラを購入。撮影や編集方法はすべてYouTubeなどを見ながら独学で習得していったそうです。
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デジタルネイティブど真ん中世代の彼は、大学生の時にInstagramに作品をアップし続け、雑誌やファッションブランドの仕事を獲得していきます。2017年に撮影したマーク・ジェイコブスの秋冬キャンペーンもIGきっかけだったそう。IGは個人を体現するポートフォリオ化してきていることの、最たる例ですね。
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弁護士から転身したSinna Nasseri
Sinna Nasseri は元々、ミッドタウンで働く弁護士でした。友人のカメラを借りたことをきっかけに写真に夢中になり、その頃出会ったダニエル・アーノルドの作品に大きな影響を受け、通勤していたミッドタウンの通りにレンズを向け始めてフォトグラファーとしての活動を開始します。
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Sinnaが影響を受けたダニエル・アーノルドは、ニューヨーク在住のレジェンドフォトグラファーの内の1人です。VogueとThe New YorkTimesに定期的に作品が掲載されています。ちなみに、34歳の誕生日前夜、失業中だったアーノルドは来月の家賃をどうやって工面しようかと悩み、IGにある写真をどれでも一枚150ドルで売ると宣伝。すると注文が殺到しその日の終わりまでに15,000ドル相当の注文を受けたそう!
話をSinnaに戻しますね。2020 年、彼は1年の大半を費やして写真を撮る旅に出ます。アメリカを横断しながら写真を撮り、出会った人々とその年に起こったさまざまなことについて話したそうです。
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2020年、アメリカではコロナだけでなく、 選挙の政治的緊張、Black Lives Matter 運動と色んなことが起こった年でした。
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最終的には約 2万マイル!(3万2千キロ!)を運転し、35の州も訪れたそう。
今年はMet GalaでVOUGEの写真を撮影したり、
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定期的にNew York Timesで掲載されていたり、
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着実に実績を積み上げているホットなフォトグラファーの一人です。
ほぼインフルエンサーなTyrell Hampton
Tyrellは、ニューヨークとロサンゼルスを拠点とするフォトグラファー兼フィルムメーカー。 ダンスのトレーニングを受けていたバックグラウンドがあるTyrellの作品は、束縛のない人々の熱狂の瞬間を捉えることに長けています。
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彼の若くて能動的なエネルギーはセレブ界から大人気。Lizzo, Hailey Bieber, Dua Lipa, Miley Cyrusなどあらゆるセレブたちを記録し、LOUIS VUITTON, ADIDAS, COACH, Calvin Kleinなど名だたるブランドの広告写真を撮影しています。
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彼のInstagramは飾り気がなく、モデルやクリエイティブ界にいる友人たちとの日常全てを載せているのでは?と思うほどで、ニューヨークに生きる彼らの人生を覗き見している気持ちになります。もちろんプロのフォログラファーですが、インフルエンサーに近い存在になっていると思います。
その街のフォトグラファーを知ることは、その街の空気を知ること。
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行ったことのない街、知らない街でも、その土地土地をベースに活動するフォトグラファーを追っていると、ふしぎと空気感が伝わってくることがあります。
私はニューヨークに来る決断をする前からTyrellのインスタをフォローしていて、こちらの人たちのファッションや気候、レストラン、パーティーシーンの様子など、彼らのレンズを通してニューヨークの日常を知ることが楽しみになっていました。
特に、コロナの影響で海外渡航が果てしなく遠いものに思えた時期、SNSを通して海外を感じられていたことは、ある種の希望になっていたと思います。
(特にIGを通した)写真たちは良くも悪くも「私も〜したいなぁ、〜なりたいなぁ」という憧れの気持ちを助長しますが、彼らのレンズを通して何かを知ることをポジティブに捉えると、大きな変化の小さなきっかけを作れるかもしれません。
ニューヨークで活躍する皆さんの推しフォトグラファーがいたら、ぜひ教えてくださいね。
それではまた次回の連載にて✍️