秋田県のクマ捕獲にクレームを入れるひと
秋田県では過去最高の被害数ということで秋田県知事がクマの駆除に使う弾丸代を出すということが話題になっている。何が話題になっているかというとクマの駆除が可哀想というクレームが県外から来ているということが話題になっている。
弾丸代よりそっちが話題になるのかとも思うのだが、この県外からというのがポイントだ。クマ被害に遭っていない外部の人間が可哀想だと文句を言っているのだ。
僕から言わせればお前らは好きにしたらいいけど、ひとに文句を言うなと思うのだ。現実を知らないバカの理想論なのだ。
こういう一見まともそうな正義を振り翳してひとを攻撃するひとを僕は『正義中毒』と思っている。正義を振り翳してひとを攻撃するのは麻薬に匹敵するほどの快楽物質が脳から出ると言われている。
それを味わいたいだけなのだ。昨今のネットに蔓延しているネット警察はこの中毒者の集まりなのだ。
身近なひとがクマに襲われる、牧場を経営していて牛などが襲われる被害がある、畑の作物が襲われる被害がある、現実的に被害に遭ったひとの中でそれでもクマを保護していくべきだというひとはまずいないと思う。実際問題、クレームが来ているのは県外なのだ。おそらく東京などの街中のひとたちが言っているのだろう。
もちろん僕自身がクマに襲われたみたいなひとが身近にいるわけではない。しかし、猟師の免許を持っていたこともあり、かつ動物好きなので動物の生態に割と詳しい。そのあたりから説明していこうと思う。
罠で捕まえて山に帰せとか麻酔銃を使えとか馬鹿じゃないのか?と思う。
罠で捕まえて山に帰してもまた降りてくる。そもそも檻に入ったクマを担いでどこまで深く山に入れると思っているのか。本土なのでヒグマではない。ツキノワグマとしても数十kgから場合によっては100kg超えるだろう。クマが入る罠は箱罠になるわけだが、クマが入る大型のものは100kgを超える。つまり200kg相当の重さのものを運ばなければならないのだ。人力では限界があるだろう。車で行ける範囲しか入れないのにクマを山奥に運べるわけもない。ちなみにクマは本気を出したら時速60kmぐらいでは走る。整備されていない山道でもだ。車が入れる範囲なんて楽勝で降りて来られる。
そして麻酔銃で眠らせろというやからは麻酔銃というものを知らない。
麻酔銃の射程距離はせいぜい10-15mだ。さっきも言ったがクマはMAX時速60kmぐらいで走る。10-15m走るのにスタートで初速は遅いと言っても数秒、確実に5秒以内には距離を詰めることができる。一応数が圧倒的に少ないがライフル型の麻酔銃はある。射程距離で70mだ。時速60kmのクマにしたら4.2秒、初速を考えても10秒は確実にかからない距離だ。
当たり前だが銃で撃たれたクマは激昂して向かってくる。
ちなみに麻酔銃で撃たれた動物はすぐにバタンと倒れたりしない。数分ないし数十分は動くし、長い場合は数時間なんてこともあると聞く。要するに時間がかなりあるということだ。
クマが激昂して銃を撃った人間を襲う時間は充分にあるということなのだ。
つまり麻酔銃を撃つということは立地でかなり優位に立てるところでしか撃てないということになる。ちなみに当たり前だが住宅地では原則銃を撃ってはいけない。事情があるので銃は特別に許可が降りても、おそらくライフルは許可が降りない。流れ弾の関係で危なすぎる。
わかっていただけただろうか。ライフルでも優位に運ぶのはかなり難しいのに、寝かせて山に送り届けるなど夢物語なのだ。しかも根源的な解決をしていないので、クマは何度でも町に降りてくる。これを延々と繰り返すつもりなのか?ということだ。
これを繰り返すべきだというなら自分がしたらいい。実際に被害のある地域に住んで、町に降りてきたクマは寝かせて山に送り返しますというなら僕も文句はない。その地域の外から理想論を振り翳して実際被害のある地域の人に文句を言うなどは愚か者の所業だろう。
まずこういうことにクレームをいう動物愛護者に言いたいのは、もっとリアルに問題解決方法を考えろということだ。それに必要な情報など今はネットがあるのだから集められないわけがない。できないというならそれはバカだからだ。別にバカは悪くない。僕自身頭がいいとは思っていない。バカが大事なのは自分がバカだと認識することだ。そうすれば正しい情報収集ができないことがわかるので、そのひとはクレームを言わない。クレームを言うのはバカと自覚できていないバカなのだ。これはもう救いようがない。無視するか、世の中がこういう人間を非難するしかない。例えば不倫したひとを叩くように(僕は不倫は夫婦の問題で世の中が叩くのはおかしいと思っている)世の中がこういうクレームは馬鹿げていて頭がおかしいひとなんだという認識をみんなが持つことが大事なのだと考えている。