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すごい!! 「お弔いの現場人」たち


「はたらくひと」
というインタビュールポをしてきました。『お弔いの現場人 ルポ葬儀とその周辺を見にいく』(中央公論新社)のつづきみたいなもので、葬儀関連の情報サイトでの短期連載。

 第1回は、エンバーマーさん。東京など都市圏の火葬場は混み合い葬儀まで日数があいたりする事情もあり近年要望が増えているという、ご遺体保存処置をおこなう専門職で、通常部外者は見ることのできない施術室にも入ることができました。
 インタビューではあるのですが、「働く現場を見たい」と無理をいい、仕事の手順を追って詳しく教えてもらいました。そうしないことには、テーブル越しに説明を聞くだけでは頭に入らないというのと、説明の仕方にそのひと「個人」が見えてくるということがあります。
https://www.life-ending.biz/_ct/17317962

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 ふたりめは「エンディングプランナー」。葬儀の現場を取り仕切る葬儀社の担当さんです。写真専攻の美術系の大学生だった彼女の「就職の理由」が意外というか、へぇーというもので、葬儀の仕事の工夫から発想のルーツを知りたく、彼女が好きだという写真集を教えてもらい、他人の後を追っていくルポっぽい海外の写真家の本を図書館で借りて読んだりしました(古書店で購入するにも高額だった)
https://www.life-ending.biz/_ct/17323104

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 そのあとは「海洋散骨」のコーディネーターさん。実際に東京湾クルーズに体験乗船させてもらいました。最初はちょっとチャライいまどきの若者に見えたのですが、いろいろ話を聞いていくと「茶髪」の背景には彼なりに考え抜かれた意図のあることがわかり、インタビューの際がぜん前かがみになって聞き込んでいました。たぶん、彼はどんな職種についてもかなり優秀な成績をあげそう。なのに葬儀の仕事を選んだのか? 「こんな話で本当にいいんですか」と目を見て三回も問い返されてしまった。
https://www.life-ending.biz/_ct/17332239 

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 四人目は、「生花祭壇」をつくる花屋さん。お葬式には欠かせない花の祭壇。やはり、ひと通り現場を見せてくださいとリクエストしました。
 わたしの父の葬儀は実家でしたので、花屋さんが祭壇をつくるのを眺め、ハサミを使わずに素手で花の茎を折っては挿す、そのテキパキとした仕事ぶりに見惚れていたのを思い出しました。
 インタビューした入社9年目の彼女は、就職氷河期に大卒入社を決めたそうです。最初とくに花が好きということでもなく、仕事はガテン系で、想像していたのとちがい、同期でやめていくものもいたとか。当時は「何もしたいものが見当たらなかった」という。それが経験を積むにつれ「いまは楽しくて仕方ない」のだとか。休日も技能アップのためデザイン学校や生け花教室に通う。両手の指に絆創膏をまいた彼女に、なんでそんなに夢中なのか? 聞かずにはいられなかった。
https://www.life-ending.biz/_ct/17340009

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撮影写真©山本倫子 

業界向けのサイトとあって、ほとんど一般の読者の目にふれることはなく、まあ残念というか、興味をもってもらえたら覗いてもらえると嬉しいです。

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