インタビュー田原町05、畠山理仁さんへの質問と回答
11/4(土)、インタビュー田原町05「畠山理仁」をご観覧いただき、ありがとうございます。
ドキュメンタリー映画「NO選挙、NO LIFE」(前田亜紀監督)の公開(11/18~ポレポレ東中野ほか)を控え、映画の「主要な登場人物」となった畠山理仁(はたけやま・みちよし)さんに、撮られているあいだのデキゴトと本業のライターであることについてお聞きしました。
質問タイムを設けましたが、当日お答えしきれなかった視聴者からの質問に、畠山さんからご回答をいただきましたので掲載します。
Q. 畠山さんのパートナーの方いわく、普段は朝ちゃんと起きられないそうですね。選挙の時が特別なだけで。本当にそうなんですか?
【畠山さんの回答】
はい。本当です。
家族は学校や仕事があるため早く起きるのですが、私は深夜まで仕事をしています。そのため、家族と同じ早い時間には起きられません。ここは家族に迷惑をかけているので改善したい点です。
選挙のときは早起きして出かけます。勝手ですね。
Q. お金をもらうことだけが「仕事」なのか?とも思いますがどうでしょう。
【畠山さんの回答】
一般的には収支がマイナスになって持続できないものは「仕事」と呼べないかもしれません。近い将来、続けられなくなってしまうので、「消えていく仕事」といったところでしょうか。
私が続けている選挙取材は「自分にしかできないこと」だと思っていますが、やればやるほど収支がマイナスになります。一般的には「仕事」と思わない人もいると思います。
Q. 「無所属立候補」についてお尋ねします。
無所属での出馬(特に地方選で)は戦略から大きく分けて4種類くらいあると思います。制度ではないので自由なのでしょうけど、正直ずるいというか、明らかに政権与党の方で、出陣式も陣営、挨拶等々全て政権与党なのに無所属という仕方や、全く応援、支援を受けたくないから全くの無所属でという方もいる。
それが同じ仕組みで「無所属」という選挙戦がどうにも納得できないのですが、どんなご意見でしょうか?
【畠山さんの回答】
地方選挙で候補者に実際に会ってみるとわかりますが、「所属党派」は国政ほど厳密ではありません。なかには自民党公認候補なのに社民党公認候補のような考え方を持っている方もいます。
また、実際には「党員」であっても、公認や推薦を得られない場合などは「無所属」での立候補を選択することもあります。
無所属は誰でも名乗れます。それゆえ、とくに地方選挙では「◯◯党」「無所属」という属性にあまり重きを置かないほうがいいと思います。「ステルス◯◯党」はたくさんいます。地方議会では会派名に一つも「自民党」が入っていないところもあります。
もし、見分けられない、ということを気にしているのであれば、「無所属」を名乗る候補者に「どの政党の考えに近いのか」と聞けば、ヒントがもらえると思います。事務所に電話するだけでわかります。
もしくは、ご自分が一番重視している政策について、どう考えるかを聞くとよいと思います。それすら答えられない候補者は、政党公認だろうが無所属だろうが、投票先の選択肢には入らないと思います。
Q.「無所属立候補」で何かヒトネタお持ちでしょうか?
【畠山さんの回答】
地方選挙の場合、政党公認を受けた候補者でも、党からの援助がほとんどないケースはよくあります。事務所に行くと、夜中に候補者本人が一人きりでビラを折っているシーンも見かけます。国政選挙の場合、無所属での立候補は圧倒的に不利です。無所属候補は政見放送ができないからです。
長く茨城7区で無所属当選を続けてきた中村喜四郎衆議院議員は、2021年総選挙の際に立憲民主党に入りました。相当久しぶりに政見放送をやったと話していました。ちなみに参議院議員選挙(選挙区)の場合は無所属でも政見放送ができます。
Q. テレビ版の映像を見ました。ご自宅に画家のエゴンシーレ展のハガキがリビングに飾られてましたが、ご家族の方のご趣味なのでしょうか?
【畠山さんの回答】
はい。家族の趣味です。ちなみに私はクリムトが好きです。
以上
会場での質問、当日おこたえできたものはここでは省略させていただきました。
【聞き手の朝山実から】
畠山さんが初めて執筆された(インタビューはまだ発売前でした)、AERAの創刊以来の看板連載「現代の肖像」のこともお聞きしました。
何度も何度も取材で現場に足を運ばれ、結果6ページのハコでは書ききれず困ったと語られていた、週明けにその誌面を読みました。
映画で撮られているときの畠山さんの印象や、これまでの著作と比べて、平易ながらもちょっと硬質な文体に驚きました。行間から迸るような気合いが感じとれました。
インタビュー田原町では畠山さんから、一回は取材費をあてにして新幹線を利用し往復はしたけれども、その後は車を運転。両親が暮らす家に寄宿し節約しながら遠隔地への取材を重ねられたそうで。相変わらずな仕事のされ方。
「取材の神様がいるんですよ」と話されるほど、行ったからこそ見られる体験を童のようにウキウキな様子が、ちょっぴりうらやましかった。本当に取材が好きなんだというのがわかる記事です。
とくに〈……天職である。〉で結んだ最後2行。わたしもライターだからわかるんですが、ここ一番、ちからも時間もかけるところなんですね。考えあぐねて定型文にまとめることもありますが、畠山さんの2行。これは、対象を見つめる畠山さんご自身を語っているようで、あらためて善き書き手だとおもいました。
只今、インタビュー田原町05「畠山理仁」のアーカイブ視聴が出来るように作成中です。出来上がったらお知らせします。
【追記】
11/13お待たせしました。
下記より、「インタビュー田原町05 畠山理仁」さんの回(濃口140分)のアーカイブの販売が開始になりました。
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