カシコラ『そうじゃないの-林和希』
今日から歌詞についてのコラム
カシコラを書いていこうと思います。
莫大な情報の波に押し流されて作品を
表面的にしか味わえないのはとても嫌なので
こうやって文字にすることでしっかり向き合って
いきたい、そんな算段です。
第一弾は最近好きでよく聴いている
林和希さんの"そうじゃないの"をフューチャー。
大人のスローバラード。
まず入りが口語なのがいい。
ぐっと惹きつけられるし、考えずにも
意味がわかるから馴染みがいい。
そして"ごめんね"のあと"別に"と続けることで
後述する主人公の人となりをよく表している。
象徴的なサビのフレーズとメロディ。
全体的に否定的なニュアンスが多いことが
この曲の特徴で、主人公が天邪鬼で思ったことを素直に伝えることが苦手な側面が垣間見える。
女心を艶やかな声で歌い上げるギャップが作品に厚みを持たせていると思う。
別れるきっかけは彼にあって
その時も嫌とは言えず、しこりのように
心残りがあり続けて数年、再開をきっかけに
2人のボルテージは上がっていく。
"全てある"と"全くない"のどちらかで
いたい気持ちはよくわかるな。
どちらに物語が進んだのかわからない
ラストの書き方も、作品に余地を与えていて
とても素敵だと思いました。