【朗読】交差駅【モノカキ空想のおと】
〈①〉
三連休の最終日。
することもなく、しかし部屋に閉じこもっているのにも耐えかねて
何かしら心を動かすような出来事が向こうからやってこないかと
そんなどうしようもなく受け身な考えを引き連れて、いつもとは反対の電車に乗った。
あてはなかった。
しかしあてのない旅に憧れはあった。
知らない道を心惹かれるままに歩いて、その先で出会う景色や人の生活に触れ、
疲れたら適当な店に入りおすすめの品とコーヒーでも頼もう。
それだけで十分に充実した休日ではないか。
ふと窓の外に目をやる。秋