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【2021年8月号】月刊ものづくり新聞

ものづくり新聞は、製造業の方々向けにインタビューした記事を掲載する製造業のための新しいWebメディアです。《月刊》はひと月の中で公開した記事のハイライトを独自の視点でまとめた記事です。

7月は4件のインタビュー取材記事を公開しました。

シリーズものひと:Twitterの繋がりから町工場がチャレンジを挑む ヒカルマシナリー 會田悠城さん、會田郁三さん

ものづくり新聞記者の中野が担当する新テーマ「シリーズものひと」。中野自身もものづくり現場で働いていた経験から、同じように現場で働く方を取材し、どんな思いでものづくりに携わっているのか働く上でどんなことを大切にしているか、元製造業従事者としてより近い目線でインタビューするシリーズです。

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第1回は山形県山辺町にあるヒカルマシナリーさんにお伺いしています。會田悠城さん、會田郁三さんは兄弟。お父様が社長を務めておられます。2020年夏の山形県の大雨で工場が豪雨被害を受けたそうです。その時のお話が印象的でした。

幸い多少の被害で済んだものの、工場前の道路は水浸しになっていました。その様子を動画に撮って投稿したところ、全国から励ましのメッセージをいただいたんです。それがすごくありがたくて、何かお返しはできないかと思い、一般の方々向けにチャリティグッズを制作販売し、収益は全て県に寄付させていただきました。それが一般向けに販売するようになったきっかけです。

このチャリティグッズの制作販売からTwitter活動を本格化させ、独自企画の商品を開発するようになったそうです。

家業は身近ではあったものの、実は継ぐ気持ちはあまりなかったというご兄弟。社会に出て改めて家業と向かい合い、入社を決意したといいます。ヒカルマシナリーの會田さんたちは、これからどんなものづくりにチャレンジしていくんでしょう。期待が膨らむインタビューとなりました。


100年続く町工場でDXを推進する5代目アトツギの挑戦:昭和製作所 奥野雄大さん

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ものづくり新聞史上最高のアクセス数となったのがこの記事でした(2021年7月末時点)。奥野さんの言葉にはたくさんのヒントがあったのですが、私がすごいなと思った言葉は以下の言葉でした。

技術者が形にしたものの価値を他の誰よりも理解して、多くの方々に認めてもらえるよう外部との関係性を築いたり、ものづくりに集中できる環境を整えたりというところに注力していきたいです。時には世の中に足りていないものは何か、埋めるにはどうしたら良いかを技術者と一緒に考えることも必要だと思っています。チャレンジしながら成長していきたいですね。」

実は、ものづくり新聞もそういうコンセプトで取り組んでいるのですが、ものづくり現場におられる奥野さんも同じ思いなんですね!

突然実家を継ぐことを決め、突然日本からインドネシアに渡り工場を立ち上げた、波乱万丈の奥野さんをインタビューさせていただきました。


自分が欲しいものは自分で作るのが当たり前の世の中にしたい:CuboRex寺嶋瑞仁さん

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不整地向けクローラユニットを開発販売するCuboRexの寺嶋さんは、ユーザーのことを開発仲間と呼んでいるんだそうです。

「私たちの場合、どういったパッケージにした方が良いかということは、ユーザーさんが示してくれるんですよ。例えば有田市のみかん農家で収穫用のねこ車にE-Cat kit取り付けているというのも、ユーザーさんがいるからこそ分かった用途です。実際に自分もユーザーとしてこうだったらいいのにという気持ちがあり開発したところもありますし。次のヒントを沢山いただいているので、ユーザーさんのことを開発仲間と呼んでいます。開発仲間とパッケージ化に向けて動いていきます。」

ユーザーの方々と一緒によい製品を作っていこうとする、そして開発仲間=ユーザー自身が欲しいものを自分で作れるようにしていく、それが寺嶋さんのコンセプトです。寺嶋さんの生い立ちから試行錯誤しながらクローラ動力ユニットを開発する具体的な様子を取材しました。


創業133年の紙リサイクル企業がペーパーレス!株式会社川春が取り組むDX

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DXというと一部の企業が新しいことが好きで取り組んでいるんだろう、というふうに思われる方も多いのではないかと思います。しかし、私はどんな企業でもちょっとしたところからDXができるものと思っています。現場を巻き込みながら紙リサイクル企業がDXに取り組んだ事例を取材させていただくことができました。

担当の平松さんのこの一言を拝見するとそのご苦労を感じることができます。

最初はどうしてこんなことをやるのかという意見もありました。紙でできてるじゃないか、という意見もありました。しかし、メンバーに対して何度も説明を行い、働き方改革、接触機会削減、安定雇用の継続などを考えるとこういう取り組みをしていかないといけないんだということを感情を込めて説明させてもらいました。実際に紙を手持ちしなくてもよい営業担当が出てくるんだと、そういうメリットをお話ししてきました。」

DXの進め方についてたくさんの書籍や記事が世の中にある中で、結局は愚直で地道にやるべきことをやるだけなんだな、ということを平松さんの言葉から感じることができました。


次月の予定

「シリーズものひと」第2弾は、ものづくり新聞記者の中野がパーツ精工(埼玉県三郷市)さんを取材しました。自社独自の商品企画に取り組み、「Pokeco」という簡易組立式ポケットコンロをクラウドファンディングで販売したところ、なんと100台の計画が約600台も販売されたそうです。どうやってこんな商品を企画できたのでしょうか?その秘密に迫ります。

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さらに、静岡県沼津市に拠点を構える建築用鋼材の溶接加工などを手がける影山鉄工所さんを取材させていただきました。この黒いおしゃれな建物、鉄工所なんです。鉄工所のイメージを覆すInstagramなどのSNS積極活用、斬新なオフィス空間、IT化、教育、と積極的な打ち手。代表の影山さんのインタビューは他のものづくり企業の方々に参考になるお話がたくさんありました。

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編集後記

私たちが取材をし、記事をアップすると、毎回インタビューを受けていただいた方々から、「取材いただき記事を出していただいてありがとうございます」という言葉をいただくようになりました。

ものづくり新聞は、ものづくり企業のみなさんを対象に、具体的な取り組みやIT化の事例をご紹介することを目的としていますが、取材を繰り返すうちに、ものづくり企業のみなさんをつなぐ役割になっているのではないかと考えるようになりました。

実際、取材を通して別の方と繋がったり、実はAさんとBさんは知り合いだったなど、どんどんものづくり新聞を通したネットワークが広がってきています。

これからも地道に取材を続け、ものづくりを盛り上げていく人々のハブとなっていきます。SNSとニュースレターを使ってものづくりに関連する方々を繋いでまいります。

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