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宇宙ロボット技術とAIを搭載した自動搬送ロボット『ADAM(アダム)』が、梨農園にやってきた!

2022年7月に公開した「宇宙ロボット技術とAIで最新アグリテックに挑戦するタミル・ブルームさん」のインタビュー記事が大反響だった輝翆TECH株式会社。今回は、記事の中で紹介した農家の収穫作業を手伝う自動搬送ロボット『ADAM(アダム)』を、実証として果樹農園で走行させる現場を、編集部新メンバーの特派員ありすさんと取材してきました。

左から、輝翠テックのタミル・ブルームさん、チェン・ウチェンさん、早坂 理希さん、ものづくり新聞特派員のありすさん

「農業は肉体労働の積み重ね」農家さんの実態を知る

訪れたのは、千葉県の北東部に位置する山武郡横芝光町で、梨・米・野菜などを栽培されている株式会社アグリスリーさんの梨園です。梨園は観光農園「梨工房城山みのり園」として運営されており、直売所の他、もぎり体験をすることができる農園となっています。

梨棚。1本の幹に別の品種の枝を継ぎ、ひとつの棚で複数の品種を栽培されているそうです。
訪れたのは10月中旬で最盛期の後とのことでしたが、まだたくさんの実がついていました。

ADAMの開発に協力されているアグリスリーの代表、實川 勝之(じつかわ かつゆき)さんは、実際の梨の収穫作業の工程を説明しながら、ADAMの改善点や要望を丁寧にフィードバックされていました。

中央が、アグリスリーの代表 實川さん

普段の収穫作業では、『ポテ』と呼ばれるカゴに収穫した梨を入れ、満杯になったら台車やトラックに積んだコンテナに移し替えるという流れで作業しているそうです。

肩から下げているカゴが『ポテ』です。満杯時には約10㎏の重さになります。
コンテナを積んだトラックまでポテを運びます。

実際に梨を入れたポテを持たせてもらったありすさん。少し持っただけで肩が痛くなってしまったそうです。これを持ってコンテナまで何往復も歩くとなると、農家の方々にとって大変な重労働であることが実感できました。

アグリスリーの職員、阿部 一雅さんにも収穫作業でのご苦労をお聞きしました。
フィードバックを受けて話し合うタミルさんとチェンさん

ADAM、出動!

いよいよ実際の作業に合わせてADAMを走行させてみます。

農家さんの後をついてコンテナを運んでいきます。

現試作段階ではコントローラーで操作していますが、ゆくゆくは人を感知して、適正な距離で自動的についていくことができるよう開発が進められています。目の前の未来的な農業の光景に、思わず驚きの声が上がりました。

走行とフィードバックを繰り返し、調整を重ねます。

そして、普段使う台車の仕様や作業の様子も見せてもらい、負担が少なく作業がしやすい高さ、効率的に運ぶために一台に載せたいコンテナの数など、求められるニーズを隅々まで細かくヒアリングする姿が印象的でした。

これは普段使用している台車。農業用の台車を専門に作る会社のもので、軽さや高さなど、
梨の収穫に適した仕様で作られているそうです。この台車屋さんにも取材したいです!

2023年春の製品化へ向けて

タミルさんに今後の展望をお聞きしました。

2022年の春に試作機の第2号となるこのADAMを公開し、青森や千葉、愛知、福島などのりんご、ぶどう、梨など様々な農家でフィールドテストとインタビューを行ってきた輝翠TECH。凹凸や急斜面などの不整地、土壌の性質など育てる作物によって農地の特徴も様々ある中、ロボットの有用性と開発課題を確認してきたと言います。今後は自動搬送だけでなく、草刈りや農薬の散布などの機能をオプションとして付け、年間を通して農作業に貢献できるロボットへと開発を進める予定とのことでした。

2024年には量産も目指しているということで、製造のパートナーとなってくれるものづくり企業も探されているそうです。我こそは!という企業様がありましたらお繋ぎしますので、ぜひ、ものづくり新聞までご連絡ください。

ものづくり新聞編集部:monojirei@publica-inc.com

あとがき(特派員ありすさんをご紹介)

今回の取材はものづくり新聞の新メンバー、特派員のありすさんに同行いただきました。好奇心旺盛なありすさんの視点を通して、より多くの人たちに、ものづくりの楽しさをお伝えできればと思います。ありすさんの自己紹介とレポートは、ものづくり新聞Instagramに掲載しております。ぜひ、ご覧ください!

実は梨が大好きだと言うありすさん。初取材が梨農園で満面の笑顔です(笑)

\ありすさんのレポートはこちら!/

🌟ものづくり新聞Instagram:@monoshin_publica